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Cheeze Scramble  作者: 神山 備
魔法使いの弟子編
37/61

緊急事態に……

引き続き、残酷表現あります。

 当たれ! 絶対に当たってくれへんかったら恨む!(誰を?)

あたしがそう強く念じていたのが良かったんか、習うより慣れろで四六時中英語(正確に言うたらオラトリオ語やけど)に浸かり込んでる生活で来た頃よりあたしの発音が多少でも改善されてんのか、あたしの唱えた炎最大級の魔法は見事にきまってちび黒ちゃんママは黒こげになって全く動かんようになった。元々黒いねんから焦げてるかどうか判らんて? 分かるよ、プスプス煙、あげてたもん。


 それから、フレンをみると、元々日焼けした顔では判りにくいんやけど、血の気が引いてなんか土みたいな色になっている。


 早よ何とかせな……とあたしが、

[この高さにAir Desk]

と唱えてエア机を出して、

「ねぇ、治癒の最大級の魔法、教えて」

と言うと、フレンは首を振って、掠れた声で逃げろと言う。

「もう大丈夫だよ、ちび黒ちゃんママはあたしが倒したから」

ファビィが地球でいう豹なら、たぶん群れでは行動しないはず。

「ダ……メだ……だったらお前は、その……ファビィを倒すのに……ハァ、ハァ……相当……魔力を……使っているのだろ……もうすぐ日も暮れる……共倒れになりたい……のか……ぐはっ」

フレンはそう言って、口からちょっとやけど血を吐いた。

「フ、フレン! しゃべっちゃだめ!」

ヤバい、めっちゃヤバいやん。あたしに治癒魔法を唱えさせてもらえへんのやったら、誰か連れて来なあかん。

 そうや、そこそこおっきい町、メイサにはもう一人治癒師、ウォーレンさんがおる。ただ、縄張りって訳でもないけど、ウォーレンさんとこはウチとは町の反対側。もう山の入り口とは言うても、このメイサの町を縦断してまた戻ってこれるほど、今のフレンに体力があるとは思われへん。どうにかしてこっちに来てもらわれへんやろか。

 けど、そんなケータイみたいな魔法はあらへんしなぁ。この世界の離れた人の意志疎通魔法は『アクセス』しかあらへん。しかも『アクセス』は夢オチの一方通行技や。


 どないしょ……とため息をついたとき、あたしはふと[メガトンハンマー]のことを思い出した。なかったら作ったらええんや。

 そんな高度な事、出来るんかって? 今まで、オラトリオにそんな魔法がなかったんは、そもそもそういう発想がここの人になかったからや。けど、あたしはテレビにケータイ、離れた場所で意志疎通する手段をいろいろ知ってる。

 しかも、あたしの地球での職場は家電メーカー。直接テレビとか組み立てたことないけど、研修会でそのメカニズムの講義を受けたことはある。あん時は眠たいなと思てたけど、今はそれに感謝や。んで、そのプロセスを言霊にできたら、きっとこの魔法は発動する! 


 ただ、これは見せる先がそこにおらんと何も意味ない。それにかなり高位の魔法になるやろうから、消費する魔力は少なない。そうそうおれへんからって、何回も唱えられへんやろう。さっきからのことで、あたしに魔力に変換できる体力も正直残ってへん。つまり、一回勝負ってことや。

 この時間には確実にここにおる、そう言う人を……と思た時に、真っ先に思い出したのはフレンの兄ちゃん、この時間やったら、お城の執務室におるはず。


「おい……チーズ、お前一体何を……」

目も虚ろになりながらそう言って不安気にあたしを見るフレンに、大丈夫やと頷きながらあたしは足を肩幅に開いて、手を胸の前に掲げると、

[あたしたちの今の状況をそのままランスさんの許に届けて! テレビ電話!]

と、腹の底から叫んだ。

千鶴、緊急事態に魔女っ子の真骨頂発揮です。


フレン、大丈夫なのでしょうか(短編をお読みの方は知ってるでしょうが)


では次回。

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