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フレン母って……ロッシュ家って……

 そして、いよいよ夕食。フレンのエスコートで連れてこられたんは、予想通りの豪華テイスト。

 会議室ばりのでっかい部屋に、アンティークなダイニングテーブル。頭の上にはシャンデリアが輝いてるし、一体、この部屋だけでもいくらかかってるんやろと、頭ん中で算盤をはじく。うわっ、ここだけでマンション一棟ぐらい建ちそうや。


 そこには、フレン母だけがスタンバっていた。フレン兄は、ホンマはここに住んでなくて、この隣の離宮に奥さんと子供とで住んでるんやって。フレン父はまだ、仕事から帰ってきてないとか。

「あら、思った通りピッタリね」

と、ニコニコ顔のフレン母に、

「何故服まで用意してるんですか……ハンナですね」

あれほど言うなと言ったのにと、フレンは憮然とした表情で吐き捨てる。もっともフレンはニコニコ笑ってる方が珍しいけど。そんな笑い方したら明日は雨どころか槍が降ってくるんちゃうやろかと思う。

「当たり前じゃない。メイサはわたくしの生まれ故郷。ハンナにあなたを任せたのは幼なじみだからよ」

するとフレン母はそう言うた。フレンが舌打ちするのが聞こえる。


 それから食事が始まった。ここへ来てから三日しか経ってないけど、食べ物の違いはあんましないみたい。ただ、使こてる肉なんかは、微妙に違うっぽい。

 こっちでは魔法がある分、魔を帯びた生物がやっぱりいてて、増えすぎると困るんで、そういうのを捕まえてきて料理することもよくあるらしい。

 きゃぁ、リアルRPG! て最初は喜んだけど、あたしは後日、リンゴの木に仕掛けた罠に捕まっていたスライムを見て、考えを改めた。そいつはゲームの中の愛らしいスライムちゃんとは似ても似つかへん下手物やったからや。

 更にそれが弱い電撃魔法だけを唱えられる赤い奴で、うっかり触ったあたしは、半日くらい腕から下の痺れが取れへんかったしね。

 食べながらあたしたちは、

「じゃぁ、チーズちゃんはオラトリオじゃない世界から来たって言うのね」

「はい、大阪……えっと、地球ってところからきました」

「三日前、いきなり寝所の天井から降ってきたんですよ。ここに来た時には、ミナミというところで歌っていたそうです」

と、フレン母にトリップの状況を説明する。けどフレン、そんな言い方したらまるであたしがミナミっちゅう店で歌手やってるみたいやん。と思たら、

「へぇ、じゃぁ、チーズちゃんは歌い手さんなの」

やっぱりフレン母にそう言われた。

「いいえ。あちらでは、歌いたいときに貸してもらえる部屋があるんです」

「部屋? 箱の中で歌うんじゃないのか」

そしたらフレンが、間髪入れずそう言った。なんや、さっきまで余裕無かったのに、もう復活してるんか。ホンマ弄り甲斐がない。

「だから、カラオケボックスって名前は付いてるけど、ホントに箱の中で歌うんじゃないわよ」

やめて、段ボールの中で歌ってる気がするから。まぁ、ボックスの入ってた雑居ビルって、形から言うたら石の箱みたいなもんやけどな。

 あたしがそんなことを思てると、

「まぁ、息も今からピッタリね」

と嬉しそうに言うフレン母。続いて彼女は、

「で、お式はいつが良いかしら」

っていう、『爆弾』をあたしたちの前に投下した。お式? それって成人式……ちゃうわなぁ。

「母上! 冗談が過ぎます。違う世界から間違って界渡りしてきた者となんで俺が結婚しなきゃならないんですか」

フレンも首筋まで真っ赤にしながらそう言って反論する。

「冗談なんか言ってないわ。ギィちゃんが積極的に探してくれないんだもの。こっちから持って行くにはどのお家に行っても、けんがあるしね。正直困ってたんだから。

でも、ギィちゃんのお相手はこのオラトリオにはいなかったって言うんだったら、それも言い訳が立つし。うふふ、『天の思し召し』ですもんね」

それに対して、フレン母は一歩も引かないでそう言った。

「ちょ、ちょっと待ってください。『天の思し召し』とか、『采配』って一体何なんですか。

確かロッシュ家って公爵様ですよね。名家がそんなどこの馬の骨かも解んない異世界人を簡単に嫁にして良いんですか?」

びっくりしてそう言ったあたしに、フレン母は

「あら、良いわよ」

と言いながら食後の紅茶を優雅に飲み干した。

 ……それにしても、即答ですか、お義母様…… 



ジーナさんのノリ軽っ! と思った方も多いはず。


天の思し召しの説明については次回。

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