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「無能」と追放された俺、観察スキルで全て見抜いて無双したら元パーティが崩壊した  作者: ささかま
第2章 バズと共闘

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19話 白石凛とコラボすることになった

オークが消えた後も、しばらく誰も動かなかった。

通路には湿った静けさだけが残っている。


俺は短剣を下ろす。

凛は雷の残滓を払うように指先を動かした。


ひなただけが、まだ興奮したままだった。

大鎌を抱えたまま、目を輝かせている。



「すごっ!」


「今の連携、めっちゃ気持ちよかったです!」



コメントが一気に流れる。



「分かる」


「神回」


「この3人おもろい」



俺は少しだけ苦笑する。

やりやすかったのは確かだ。


俺が見る。

凛が止める。

ひなたが叩き込む。


役割が綺麗に分かれていた。

初合わせにしては出来すぎている。


ひなたはまだ止まらない。



「凛さん、あれ雷ですよね!?」


「速すぎて全然見えなかったんですけど!」



凛は淡々と答える。



「見えなくていい」


「当たれば十分」



ひなたは一瞬だけ固まる。

それから大きく頷いた。



「かっこいい……」



コメント欄が流れる。



「温度差」


「ひなたかわいい」


「凛がいつも通り」



俺はスマホを見る。

同時視聴者数はまだ増えていた。


457。

472。

489。


戦闘が終わっても減らない。

むしろ増えている。


その時、凛が俺を見た。

さっきよりも静かな視線だった。



「あなたの動き」



短く言う。

そこで一度区切る。



「反応じゃない」


「見てから避けてる動きじゃなかった」



コメントが流れる。



「分析きた」


「解説助かる」



俺は答える。



「見えているので」



凛は首を横に振る。



「それだけじゃない」



ひなたもすぐに口を挟む。



「私も思いました!

なんか来る前からそこにいる感じです!」



俺は少し考える。

言葉を選ぶ。



「動く前に分かることが多いです。

肩とか、腰とか、視線とか」



凛はすぐに頷いた。



「予備動作」



俺も頷く。



「多分、そうです」



コメントが流れる。



「納得」


「だから強いのか」



凛は少しだけ目を細めた。



「配信向き」



俺は一瞬だけ黙る。



「そうですか?」



凛は短く答える。



「分かりやすい。しかも珍しい」



ひなたが勢いよく前に出る。



「私もそれ思ってました!

ずっと見ちゃうやつです!」



コメント。



「それな」


「中毒性ある」



俺は少しだけ視線を逸らす。

まだ慣れない。


だが凛は構わず続けた。



「だから」



一拍。



「一緒に潜る?」



コメント欄が爆発する。



「コラボきた」


「神回確定」



ひなたがすぐに乗る。



「やりましょうよ!」

私も一緒に行きます!」



凛は即答した。



「問題ない。今見たけど、あなたの火力も役立つ」



コメントがさらに流れる。



「3人確定」


「パーティきた」



俺は2人を見る。

返事を待たれている。


だが、少し考える。


悪い話ではない。

むしろ、かなりいい。


凛はトップ配信者だ。

ひなたも勢いがある。


この2人と組めば、確実に伸びる。

だが、それだけじゃない。


戦闘としても成立していた。


俺は口を開く。



「……いいんですか」



凛は首を傾げる。



「何が?」



「俺、数日前まで無名でした。

今日だって、たまたまかもしれません」



コメントが流れる。



「違う」


「それはない」


「実力だろ」



俺は続ける。



「それに、誰かと組むのは久しぶりです。

足を引っ張る可能性もあります」



ひなたが即座に否定する。



「ないです!

今の見てそれ言います!?」



凛も短く言う。



「引っ張られない。噛み合う」



コメントが跳ねる。



「言い切った」


「本気だ」



俺は息を吐く。

凛は本気だ。


冗談じゃない。

だからこそ、軽く返したくない。



「配信としてですか?

戦力としてですか」



凛は迷わなかった。



「両方」



短い答え。

だが、それで十分だった。


ひなたも大きく頷く。



「私、強い人と潜ってみたいです!」



俺は少しだけ笑う。



「理由が真っ直ぐですね」



ひなたは胸を張る。



「分かりやすい方がいいんです!」



コメント。



「好き」


「ひなた良い」



俺は少しだけ考える。

頭の中で戦闘をなぞる。


凛の雷は速い。

ひなたの火力は重い。


そして俺は見る。


確かに噛み合っていた。

一度試す価値はある。


俺は2人を見る。

凛は静かに待っている。


ひなたは期待を隠さない。

コメントはもう追えない。


それでも、空気は分かる。



「……分かりました」



ひなたが跳ねる。



「やった!」



凛は小さく頷く。



「なら、今ここで試す。この新人ダンジョンで」



コメントが爆発する。



「ゲリラコラボきた!」


「絶対見る」



俺は苦笑する。

話が早い。


だが、悪くない。


ひなたが大鎌を抱え直す。



「めっちゃ楽しみです!

神回にしましょう!」



俺は短く答える。



「そうですね」



凛が俺を見る。



「あなたなら、できる」



その言葉に少しだけ間が空く。

軽くはない。


俺は視線を逸らさずに頷く。



「よろしくお願いします」



スマホを見る。

同時視聴者数は500を超えていた。


昨日とは別の景色。

流れは、もう止まらない。


これからの配信は――

確実に変わる。

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