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「無能」と追放された俺、観察スキルで全て見抜いて無双したら元パーティが崩壊した  作者: ささかま
第2章 バズと共闘

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18話 白石凛に直接会って、その場で実力を認められた

ダンジョンの空気は静かだった。

湿った石の匂いが鼻につく。

奥から微かな気配が漂ってくる。


俺は足を止めた。

通路の先を見つめる。

まだ何も見えない。


だが、いる。


スマホを見る。

配信は続いている。


同時視聴者数は312。

昨日とは比べ物にならない。


コメントが流れる。



「今日も来た」


「待ってた」


「数字伸びすぎ」



俺は軽く息を吐く。

まだ慣れない。


だが、やることは同じだ。

見て、避けて、通すだけ。


背後に気配を感じた。

それも2つ。

俺は振り返る。



「……人?」



コメントがざわつく。



「誰かいる?」


「配信者か?」



そこに立っていたのは、白いジャケットの少女だった。

長い黒髪。


無駄のない立ち姿。

視線が鋭い。


白石凛。

昨日、D-Shareで反応していた配信者だ。



「……見つけた」



凛が口を開く。



「例の新人」



俺は小さく頷く。



「そうです」


「あなたの配信を見て直接確認しに来た」



コメントが流れる。



「本人だ」


「マジで来た」



その後ろから声が弾けた。



「え、ほんとに!?」



小柄な少女が飛び出してくる。

茶髪のポニーテール。


目が輝いている。

動きが大きい。


その瞬間。

空間が歪んだ。


光が収束する。

粒子が集まり、形になる。


巨大な大鎌が出現した。


少女はそれを軽々と掴む。



「すごい!本物だ!」



コメントが爆発する。



「武器でか」


「ストレージきた」


「ギャップやばい」



天城ひなた。

新人配信者。


勢いのまま距離を詰めてくる。



「配信見て来ました!

クリップ、めっちゃバズってますよ!」



俺は少しだけ後ろに下がる。



「ありがとうございます」



凛は一歩前に出る。

視線がぶれない。



「配信で動き、確認した」


「無駄がない」



短い言葉。

だが、評価は重い。



「観察系?」



俺は少し考える。

説明するほどのものでもない。



「そんな感じです」



コメント。



「曖昧すぎ」


「絶対強い」



その時。

前方の気配が強くなる。


俺は視線を戻す。



「来ます」



凛がすぐに反応する。



「数は?」


「4」


「前3、後ろ1」



ひなたが首を傾げる。



「え、見えないんだけど」



コメントが流れる。



「また始まった」


「なんで分かる」



次の瞬間。

暗闇から影が飛び出す。


ゴブリン3体。

その後ろにオーク。


俺は一歩だけずれる。

軌道が全部見える。


凛が動いた。

音が遅れて聞こえる。


視界から消えた。


次の瞬間。

雷光が走る。


ゴブリン1体の胸を貫いた。


一拍遅れて雷音が響く。



「――」



言葉はなかった。

無駄がない。

コメントが一気に加速する。



「速すぎ」


「見えない」



残りのゴブリンが動く。

ひなたが叫ぶ。



「いっけぇぇ!!」



大鎌を振り抜く。

一体が吹き飛ぶ。


勢いが余る。

壁を削る。



「やば、強すぎ!」



コメント。



「壁壊れてる」


「火力バグ」



残り1体。

俺に来る。


遅い。


半歩で避ける。

そのまま首へ。

一突き。


ゴブリンが崩れる。


凛の視線が一瞬だけこちらに向く。

わずかな評価。


その時。

オークが動いた。

棍棒を振り上げる。

一直線の突進。


俺は口を開く。



「右」



凛が即答する。



「了解」



雷が収束する。

空気が震える。

オークの脚に雷撃が走る。


動きが止まる。

ひなたが突っ込む。



「今だ!」



大鎌を振り上げる。

今度は外さない。


直撃。

巨体が揺れる。

だが、まだ倒れない。


俺は距離を詰める。

動きが遅い。

全部見える。


振り下ろし。

外す。


凛の雷が腕を止める。

完全な隙。


俺は懐へ入る。

短剣を突き出す。


喉。

一撃。

オークが崩れた。


静寂。

すぐにコメントが流れ始める。



「連携えぐ」


「完成度高すぎ」


「初見じゃない」



ひなたが目を輝かせる。



「すごっ……」


「めっちゃ綺麗……」



凛は俺を見ていた。

数秒の沈黙。

そして口を開く。



「……やっぱり」



一拍。



「普通じゃない」



コメントが一気に加速する。



「認めた」


「本物」



凛は続ける。



「少し、話したい」


「いい?」



ひなたもすぐに言う。



「私も!」


「気になります!」



俺は2人を見る。

空気が違う。


だが、どちらも本気だ。


スマホを見る。

同時視聴者数は428。


さっきまでとは別の数字。

コメントはもう追えない。

それでも分かる。


流れが変わった。

俺は小さく息を吐く。

そして頷いた。



「……いいですよ。

ただ、配信は切りませんけど」

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