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「無能」と追放された俺、観察スキルで全て見抜いて無双したら元パーティが崩壊した  作者: ささかま
第1章 追放と覚醒

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11話 「次で終わる」と言った直後、反撃に入った

ガルドが地を蹴る。

速い。


だが、問題ない。

もう追えない速度じゃない。


最初の数手で分かっている。

速さも、型も、癖も。


全部、見えている。



剣が横薙ぎに走る。

首を刈る角度。


オークより速い。

だが、直線的だ。


俺は上体を引く。

刃が鼻先をかすめた。


風が頬を打つ。

重い一撃。


だが、遅い。


速さはある。

だが、人間の反応を超えるほどじゃない。


見えていれば、避けられる速度だ。



コメントが流れる。



「また避けた」


「今の速いだろ」


「新人おかしい」



ガルドは止まらない。

剣を返し、そのまま踏み込んでくる。


2撃目。

斜め下からの斬り上げ。


今度は角度が違う。

通路の幅に合わせている。


壁に当てないための修正。

戦い慣れている証拠だ。


俺は半歩だけ横へ動く。

刃が胸の前を通り過ぎた。


続けて尾が来る。

ここが特徴だ。


剣の後に必ず別の攻撃を重ねる。

連携前提の動き。


腰の動き。

重心の移動。


全部、見えている。


俺はしゃがむ。

尾が頭上を通り過ぎた。


そのまま蹴り。

膝が上がる。


これは速い。

剣より速い。


だが、軌道が単純だ。


俺は半歩下がる。

つま先が腹の前を抜けた。



コメントが一気に流れる。



「全部読んでるだろ」


「何で分かるんだよ」


「観察スキルやばい」



ガルドは連撃を緩めない。

剣、尾、蹴り。


それぞれが単体でも危険だ。

しかも全部が繋がっている。


普通の探索者なら押し切られる。

1つ避けても、次で当たる。


だが、俺には見えている。


剣の前に肩。

尾の前に腰。


蹴りの前に重心。

全部が予兆になる。


それを見逃さなければいい。

それだけだ。


俺は最小限で動く。

半歩。

半身。

しゃがむ。


大きく避けない。

次に繋げるためだ。



コメントが流れる。



「避け方が小さい」


「無駄がない」



俺は小さく息を吐く。


大きく動けば、次に間に合わない。

この相手はそこを狙ってくる。


だから最小で避ける。


観察スキルは便利だ。

だが、それだけじゃない。


見えた情報を処理する。

その精度が重要だ。


ガルドが距離を詰める。

剣先がわずかに揺れた。


フェイントだ。

だが浅い。


本命は別にある。


俺は剣を見ない。

腰を見る。


来る。


尾が低く走る。

俺は片足を上げる。


尾が靴底の下を抜けた。


その瞬間、剣が来る。

逆袈裟。


俺は上体をひねる。

刃が胸の前を通り過ぎた。


風圧が服を揺らす。


あと数センチで裂かれていた。

だが問題ない。


全部、見えている。



コメントが爆発する。



「今の避ける?」


「化け物かよ」


「新人って何だ」



俺はガルドを見る。

見えてきた。


踏み込みが深い時は剣。

浅い時は尾。


左肩が先に入る時は蹴り。

右肩が沈む時は突き。


さらに細かい癖もある。


尾の前は必ず腰が落ちる。

突きの前は肘が内側に入る。


全部繋がった。


最初は断片だった情報が、

今は一つの動きとして理解できる。


観察スキルは、見るだけじゃない。

繋げる力だ。


世界が遅く見える。

実際に遅くなっているわけじゃない。


見る順番が決まっただけだ。

無数にあった情報が、

今は一本の線に見えている。


だから迷わない。

迷わないから、遅れない。


ガルドが低く構える。

重心が前に落ちる。


来る。

今までで一番速い。


だが、関係ない。

全部、見えている。


剣が来る。

横。


俺は半歩右。

尾。


しゃがむ。

蹴り。


下がる。

剣。


前に入る。


全部、想定通り。



コメントが止まらない。



「全部避けた」


「神回避すぎる」


「もう当たらないだろこれ」



俺は小さく息を吐く。


その通りだ。

もう当たらない。


見えている限り、当たらない。


一つ見落とせば終わる。

一つ判断を誤れば、次で首が飛ぶ。


だが逆に言えば、

全部拾えている限り、こいつは届かない。


恐怖はない。

集中だけが深くなる。


見る場所が絞れている。

肩、腰、肘、尾の根元。


そこだけ見ればいい。

必要な情報だけを拾えば、答えは早い。


ガルドの動きが一瞬止まる。

初めての違和感。


読まれている。

そう気づいた動きだ。


だが遅い。


俺は短剣を握り直す。


もう見えた。

全部見えた。


脇腹。

鱗の薄い場所。


だが、それだけじゃない。

その奥に流れが集まっている。


魔力が一点に沈む。

核だ。


あそこを貫けば終わる。

俺は確信した。



コメントが流れる。



「反撃来る?」


「ついにか?」



俺は短く答える。



「次で終わります」



コメントが一気に加速する。



「言い切った」


「来るぞ」


「決める気だ」



ガルドが踏み込んだ。

今までで一番速い。


全力の一撃。

殺しに来ている。


だが、遅い。


俺は一歩だけ前へ出る。

刃の内側。


完全な死角。


ガルドの瞳が揺れた。


遅い。

俺は短剣を引く。


狙いは決まっている。


脇腹。

鱗の薄い場所。


その奥の核へ。


そこに――


刃を突き出した。

続きが気になる方はブクマしてもらえると更新追いやすいです

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