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あの果てしない空の果て  作者: kai
綾取廻編
9/16

9.蛮勇

Tips:天道舞香のプロフィール

・160cm42kg。額に2本の角を持つ鬼型。

・髪色は白で、髪型はハーフアップ。

・職業は大学生。能力研究サークルにて会計係を担当している。

・能力:『超速再生』

身体機能の延長線上にある常在能力。肉体再生系能力の中でも上位の再生力を誇っており、指先だけが残っても5秒で全身を再生可能。燃費はかなり良いが、エネルギーが枯渇すると再生出来なくなるため補給は必須。

・好物はソフトクリームと肉。特にタンパク質は毎日多めに摂取することを心掛けている。

いかにも頑丈そうなコンクリート造りの廊下。

テレポートしてきた有巣仁理。しかし半身が壁に埋まっている。

「エ゜!!!!」

すぐさまテレポートし直す。今度は廊下のど真ん中だ。

「危ねぇ。壁に埋まるかと思ったぜ。」

気を取り直し、歩き始める有巣。視線は、一際重厚な扉に向かっている。

「さて、確認ちまちょう。」

有巣は身体の向きを変え、ノックの体勢をとる。

「失礼ちまつ!」

バチン!と、衝撃と共に何かに弾かれる。

「アゥチ!!」

大袈裟にリアクションをとる有巣。

「痛った!!手ェ無くなってねぇよな!?」

一方、黒焦げになった右手。

「いやああああ!!!」

躊躇なくエネルギーで右手を切断すると、即座に吸血鬼の能力で再生する。

「ふぅ。変に耐性あるせいで自分の身体を切断するのは難しいんだからな...。全くもう!やんなっちゃうわ!」

有巣が目を凝らすと、重厚な扉、その手前に、僅かだがエネルギーの揺らぎが見える。

(能力効果を遮断する...結界?いや、膜?)

「まぁ、認識出来た時点で、」

先程の衝撃は扉に流れている電気によるものである。つまり、能力効果を遮断する膜を認識出来たところで、電気には対応出来ていない。

「Oh!!!!」

再度黒焦げになる右手。

「ワァ...ァ...こんなになっちゃった...」

再度同じ方法で治す有巣。

「とまぁ、一人でふざけるのはこのへんにして...」

平然と扉に向かって歩く有巣。物理法則に反し、有巣は扉をすり抜けて部屋に侵入した。

「邪魔すんで〜。」

部屋の中には大量のモニター。そして、中央には黒髪の女、綾取廻が居る。

数秒の沈黙。

「うっふ〜ん♡有巣仁理よぉ〜ん♡」

再度、数秒の沈黙。

「ふざけてるの?」

居住まいを正す有巣。自信満々な笑みを浮かべ、綾取の端正な顔を見据える。

「あぁ。ふざけてる。」

対する綾取は、僅かに微笑んだ表情のまま、眉ひとつ動かさない。

「それは、強いから?」

僅かな間。有巣は斜め上に目線を向ける。

「違うな。多分俺は弱くてもふざけてる。」

視線を綾取に戻した有巣の答えに、綾取は頷く。

「余裕があるんだね。」

一方、有巣は鼻で笑う。

「話聞いてた?」

有巣の態度を見てなお冷静に振舞う綾取に、有巣はどこか違和感を感じていた。

「お前...いや、綾取廻。」

一瞬の間。

「何?」

「目的は。」

一呼吸置いて、綾取は口を開く。

「人類から能力を消滅させる。」

「どうやって?まさか俺に協力して欲しいとか言い出すんじゃねぇだろうな。」

沈黙。つまり、

「...ハハ、図星かよ。」

刹那、銀の光が部屋を縦断する。

有巣の手中には鋭い刃。その先には大きな数珠。この薙刀は、神器『草薙剣』シリーズの内、数時間前に斑目が保有していたものと合致する。

「力強すぎだろ。」

綾取の細い腕を見ながら有巣が言った次の瞬間、有巣の姿が消える。

反射的に背後に向く綾取。同時に、右肩に痛みが走る。有巣が神器の召喚完了より僅かに早く動いたため、空中に残った刃が綾取の右肩を切り裂いたのだ。

(油断した...)

正確に言うと油断ではない。神器の召喚完了に掛かるのは詠唱無しなら最短で0.2秒。そもそも詠唱無しで召喚出来るのが一握りである上に、神器召喚中に移動出来る瞬発力を持った有巣が異常なだけである。

刹那、綾取の視界が真っ暗になり、左頬に衝撃が走る。直後、視界が光に覆われ、綾取は壁に叩きつけられていた。

(光を操作して視認を遅らせたのかな。)

この時、能力『 』の使用により、有巣の蹴りの速度はマッハ10を超えていた。故に、それでも立ち上がり戦闘を継続できる綾取が異常なのだ。

次第に有巣は、綾取に興味を持ち始めていた。

「よく耐えたな。」

よろけながらなんとか立ち上がり、鼻血を拭う綾取。

「じゃあ、こんなのはどうかな。」

有巣は、自身の右腕を肘の先ほどで切断する。そして新たに、別の右腕を虚空から呼び出し接合させる。

「...ッ!?」

自動で出現した縫合痕が痛々しいその右腕から炎が噴き出す。すんでのところで回避した綾取だが、先程のポーカーフェイスからは一転、目を見開き有巣を()めつける。

「......それは...炎藤くんの...」

「呼吸が乱れてるぞ、綾取廻。」

『呪手』の効果の一つ、“手”とそれに紐づく能力の奪取である。

有巣が右腕を大きく振ると、コンクリートの壁が溶解し内部構造が(あらわ)になる。

綾取はまたもギリギリで回避出来た。しかし、再度右肩に激痛が走り、眉間に皺を寄せる。

「やはりか。自分で自分に催眠を掛けていたな?」

数時間前の斑目詩織との戦闘にて、有巣は綾取廻の能力にある程度の目星を付けていた。

数時間前、斑目詩織との戦闘の際、斑目詩織が覚醒状態でなかった。そして放置した斑目の神器を綾取廻が回収している。この2点により、有巣は綾取廻が能力によって斑目詩織に何かしらの細工をしており、能力効果は「支配」もしくは「操作」であると断定した。

また、炎藤乾太が有していた能力『獄炎』の持つ隠れた効果は「能力の一時停止」である。そして、炎藤の能力を奪った有巣はこの効果を使い、綾取の能力を焼き切ったのだ。

「“詰み”だぜ、綾取廻。」

有巣は炎藤の腕を切断し、断面から自身の腕を再生させた。

しかしその時、綾取廻が地面に頭をつけた。

両膝と両手をつき、頭を擦り付ける。およそ満点と言える、土下座の姿勢。

有巣は、ポケットに手を入れて綾取の(うなじ)を見下ろす。

数秒の沈黙。

「どうか、話を聞いていただけませんか。」

綾取の声は、不自然なまでに落ち着いていた。

Tips:綾取廻のプロフィール

・168cm50kg

・黒髪のポニーテール。前髪は視界を塞がない程度で切り揃えられており、分け目は向かって右。

・職業は不明。綾取「女は秘密が多い方が魅力的らしいからね。」

・能力:『支配』

あらゆるものの意思、及び五感を支配出来る。発動条件は「声を聞かせる」「姿を見せる」のいずれかである。スピーカーもしくは画面越しでも可。一度能力を掛ければ解除する、もしくは解除されるまで何度でも指示内容の変更が可能。また、視界や感覚、記憶の共有も可能。

なお、規格外の莫大なエネルギーを持つ者は支配出来ない。

・好物は甘い物。特にチョコレート。『支配』による操作は全て能力者の脳内で遂行しなければならないため、脳にダメージを負わないよう糖分を多めに摂っていたらいつの間にか好物になっていた。

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