4.チェック
Tips:斑目詩織のプロフィール
・187cm95kgの獣人型。体脂肪率は5%。なお腹筋はわれていない。
・黒髪のショートヘア。猫耳と人耳合わせて4つあるため、音による探知が得意。
・職業は大学生。有巣仁理・舵原良也・天道舞香と共に能力研究サークルに所属している。
・能力を持たない代わりに強靭な肉体を得た無能力者。『恵体』に加え獣人型であるため無能力者の中でも特に高いパワーを有する。五感も強化されており、特に匂いで当たりの飲食店を見つけ出す点において右に出る者はいない。
・好物は全部。嫌いな物は無し。食べ放題で飲食店を7件ほど潰している。
『気に入らんヤツはぶん殴ってええし、気に入らんことがありゃキレてええけえな。』
ふと、天道穂香は有巣仁理の言葉を思い出していた。
思い返せば、いつの間にか彼は方言を使わなくなっている。何かが彼をそうさせたのか、はたまた自然とそうなっていたのか、天道には知る由もない。
「遅かったか。」
教会を出たばかりの天道の前に立ちはだかったのは、複数人のスーツの男たち。中央で一歩手前に居るのは、白髪を一つまとめにした老人。体格は良く姿勢も綺麗で、スーツ越しでもその筋肉量がわかる。
「昨今の若者は倫理観が足らず困るなぁ。やれ殺すだのやれ死ねだのと宣い他人の命を軽視している。」
老人はスーツを脱ぎ捨てシャツの袖を捲る。
「哀れよのう。他人の命を軽視するが故に、自分の命すらも有象無象の一つとしか数えられぬ。」
話が長い。そう感じた天道は右拳を引き力を込める。対する老人は、両手を広げカウンターの姿勢。
「そうならぬ為には」
言い終わらない内に、老人の頭が砕け散る。
後ろの男たちは動揺しない。指に付いた血液を蒸発させ、天道はゆっくりと瞬きをする。
「次。」
有象無象の中から一人、背の高い男が歩み出る。次の瞬間、男の背が縮み髪が白く染まった。
「名乗り遅れたな。」
天道は最初の死体の姿が変わっていることに気付いた。
「私は永井信彦。悠久の能力者だ。」
永井信彦。Aクラス能力者で、保有する能力は『転写』。自身が死亡した際、マーキングした者に自我と遺伝情報、能力を転写し新たな自分とする能力である。なお、魂の同一性が担保されないため現在の永井信彦は本物ではない。
「私の残機はここにいる299人。お前が死ぬか、私が死ぬか...我慢比べだ。」
天道の姿が消える。鈍い打撃音が重なると共に、5つの死体が出来上がる。
天道は能力の使い方こそ上手いものの、戦闘センスがずば抜けている訳ではない。しかし、彼女は勘で永井の能力特性を推測していた。
“回数を重ねるごとに強くなる”という天道の予想は概ね正解である。永井は自身の自我を転写する際、転写前の肉体が持つ能力を保有したまま新しい肉体に乗り移ることが出来るのだ。
(何が起きている...!?天道穂香の能力は『炎』ではないのか!?)
対する永井は、事前情報と異なる天道の速度に混乱していた。
天道穂香の有する能力は『核融合』。能力・能力者共にSクラスに指定されており、現代最高火力と謳われる。『核融合』の特徴は、体内で生み出される無尽蔵のエネルギーである。全てのエネルギーを能力で代替出来るため天道の持久力は文字通り無限であるが、使い方を間違えればいつ爆発してもおかしくない。しかしその危険性に晒され続けた天道穂香の肉体は、『恵体』を遥かに超える破壊耐性と高密度のエネルギーによる能力耐性を獲得している。故に、天道穂香は光速に間近まで迫る速度での戦闘を可能としている。
犠牲者が増えていく。その様を、永井は指をくわえて眺めることしか出来ずにいた。
「何をしている!動きを止めろ!!」
「はい!」
永井が喝を入れたのは目黒大介。しかし、手を翳す直前に彼の頭は無くなっていた。
アスファルトが蒸発する。大気が振動する。大きな爆発音と共に、天道は空中で静止した。
能力を発動する暇も無かった。しかし、例え永井が能力を発動しても、天道には届かない。
永井の周りを残し、周囲の地面は薄く抉れている。そこには僅かな血溜まりすらも残っていない。逃げ道は無くなった。
「どうか...!どうかお助けを...!!!」
熱が大気を支配する。悠久にも思われる時間の中、永井はただ焦がれる身体を捻って絶叫するのみであった。
チェス盤の上で黒のポーンが倒れる。
「あちゃー、駄目だったかぁ。」
仮面の男、五十嵐伊織により、黒最後のポーンが盤外に置かれる。ポーン以外の全ての駒が残っている黒に対して、白はキングとクイーンのみが盤内に残っている。
「三星会の幹部止めたとこまでは良かったんだけどなー。やっぱ無理なんスかね。」
五十嵐は綾取廻に視線を向ける。脚を組んで五十嵐の対面のソファに座る綾取は、手を伸ばし盤外にある白のキングを2つ倒す。
「誤算は無い。有巣仁理と天道穂香が残る事も、柊黒彦と病葉煉次が此方に攻撃を仕掛けてこない事も想定済みだよ。」
「まぁあの人らは反社ッスからねぇ。」
五十嵐は盤内にある白のクイーンを指さす。
「天道穂香はどうするんスか?」
綾取は黒のビショップを片方前に出す。
「炎藤くんを出す。」
「えぇ!?乾太で何とかなります!?」
「天道穂香は連戦で疲弊しているからね。炎藤くんなら簡単に勝てる筈だよ。」
Tips:天道穂香のプロフィール
・162cm66kg。無堂「多分10kgぐらい胸の重さです。」
・黒髪で、髪型は肩までのストレート。前髪は目にかかる程度。お母さんに切ってもらっている。
・職業は高校生。天道舞香の妹であり、有巣と知り合ったのは姉経由。学年的に有巣と同時に在学していたことは無いが、何となく「先輩」と呼んでいる。
・能力は『核融合』。体内で核融合と同質の現象を引き起こし莫大なエネルギーを得る能力。体内は常にエネルギーで満たされており、無補給でも餓死することはない。能力により身体が爆散しないよう肉体強度が高くなっており、腹筋も割れている。
・好物はハンバーグとカレー。
・極度のコミュ障。




