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あの果てしない空の果て  作者: kai
魔法少女☆有巣仁理編
24/39

24.分岐点

Tips:チェス

綾取廻のチェス戦績は165戦中164勝1敗。

この一敗は舵原が相手の時である。

一方、舵原良也のチェス戦績は2戦中2勝である。

一度目は有巣、二度目は綾取だ。

「おいww佐藤wwお前天道さんのこと好きなのかよww」

「ちっwちげーしwww」

「告ってこいよww」

「だからちげーしwww」


「すっ...ス、すす、スキ...です......」

「...ごめんなさい。」


「ちょwwおまww振られたヌコww」

「う、うるせぇ!」

「ムキになんなしwwワロリンヌww」

「お、おおお前なんかとっ、友達じゃねぇ!」


「天道さん告白するってー。」

「相手誰〜?」

「2組の舵原くんだってさー。」


「私...舵原くんのことが前から好きでした!付き合ってください。」

「無理。...それだけ?なら帰るね。」


天道さんでも振られるなんて...舵原良也...お高くとまりやがって...

「ってかあの天道と舵原くんが釣り合うわけなくね?w」

「マジウケるーw」

「て、天道さんを!!わっ、わわ...」

悪く言うな!!

「...は?wなに?w」

「ちゃんと言えやww」


天道さんはお前らとは違う!!

「はぁ...はぁ...んぐ...」

「佐藤くん大丈夫?」

「ひゃうあっ!?」

「はは!変な声〜。」


天道さんはお前らとは違う!!

ボクが守らなきゃ...!!


「舵原くん!」

「待たなくていいって...」

幸せそうだなぁ...ボクがこの日常を守ってみせる!


やった!天道さんが隣だ...!

「よ、よっよろしく...!」

なっ!?なんで泣くの!?

「センセー!佐藤が天道さん泣かしたー!」


クッソ...!誰が天道さんの生活を守ってると...!

「いてっ」

「あぁ、ごめん。」

くっそあのダミ声女...!ぶつかられたせいで見失ったじゃねぇか...!


「どうやら、天道をストーキングしているやつが居るらしい。」

なんだと!?ボクの見る限りではそんなヤツいないぞ!?

「佐藤。お前だぞ。」

「おっ、ぼ、ぼぼぼ...!?」

「何とか言え!!」

違う!ボクは...

「えー佐藤?w」

「天道さんかわいそーww」

違う!違う!

「てか誰?w」

「顔キショw」

「トドやんww」

ボクは...

「おぶ」


「タカシー!朝よー!」

「うるせぇババア!!」


クッソあのババア!メシは自分で買えだと!?

...ん?あの女...

「......はぁ〜シケてますね〜...」

可愛いな...

「ちょ、ちょっとキミ...」

「はい?」

「ぼ、ぼぼボクと...」

「ひゃっ!?やめてください!!」


クッソ...なんでボクばっかり...!!

脚が動かねぇ...

「『オラオラ系がモテる』...か...」

俺...俺...ハハ、意外と行けるか?


クッソ...車椅子だと不便だな...

「そこのお前!俺に付いてこい!!」

「ひゃっ!?な、なんですか...?」

「お前だよ!気に入ったから俺のカノジョにしてやる!」

「は...え、ハハ...ありがとう...ございます...?」


クッソ...あの響香とかいう女...全然来ねぇ...

「すみません!遅れました!」

「遅ぇ!ションベン漏らしちまったじゃねぇか!」

「すみません!掃除します!」

「ちゃーんと“口で”...な?」


「これ、お昼ご飯。置いておくからね。」

「うるせぇ!黙って置いとけ!」

「そういえば、今日試験なんだぁ。だから...」

「あ?知らねぇよ。相手しろ。」

「む、無理だよ!今から行かなきゃだから...」

「俺がどうなっても良いのか!?!?」

「...それは...ダメ...だよね...わかった...」



炬燵に肩まで入った天道舞香。

「...もしも、私がOKしてたら...」

「そういえば、なんであんな執着されてたんだ?」

天道穂香の口に蜜柑を放り込みながら有巣は訊く。

「席替えの時、私が佐藤くんの隣になって泣いたことがあって。」

「うわぁ最低。」

「違う!指挟んだから痛かったの!」

そうか、と納得する有巣。しかし、

「...佐藤の気持ちもわかるな。同情はしないが。」

負の感情から舞香に執着しているのであれば、佐藤は真っ先に舞香を殺しただろう。しかし実際はそうでない以上、舞香が気付いていないキッカケが別にあったのだろう、と有巣は断定した。

「佐藤の過ちは人と関わろうとしたこと。そして、人と関わることでしか自我を保てなかったこと。」

有巣は穂香の口に入れようとした蜜柑を引っ込め、自分で頬張る。その様子を、穂香は無心で眺める。

「2人とも、今後はどうするんだ。」

炬燵布団に顔を埋める舞香。

「...どうしよう。」

新しい蜜柑を剥く有巣。

「しばらくはこの家(うち)に居ると良い。都心に用事があれば俺が送る。」

再び口に詰め込んだ蜜柑の冷たさに眉を顰める穂香。

雪が足跡を覆い尽くそうとしていた。



「うん。良いね。筋が良い。」

「ありがとうございます...」

咳き込みながら立ち上がる白井響香。ちょうど、腹に数発受けたところだ。

「けどダメ。根性が。」

「ふぐぅ!?」

再度腹を殴られ(くずお)れる。

「おおぉ...」

「『立って』」

「ぐぅ...」

抵抗出来ず、立ち上がる白井。

「白井ちゃん。」

「...うぅ...はい...」

「君はBクラスに分類されるらしいね。舞香ちゃんと同じだ。」

綾取廻は白井の顎に手を当て、目を合わせる。

「それじゃ駄目なんだよ。宮本ちゃんは有巣くんが守るし舞香ちゃんは穂香ちゃんが守るけど、君はまだ守ってもらえるほどじゃない。このままじゃ有巣くんの能力に巻き込まれて死ぬよ。」

「...はい。」

離れる綾取。耐え切れずへたり込む白井。

「単刀直入に訊くけど、有巣くんの事、どう思ってる?」

半身で白井を凝視する綾取。目が笑っていない。

「別に...どうも...」

「正直に。」

戸惑う白井。

「......なんで、初対面の私に...あんなに良くしてくれたんだろって...思いました。」

「...へぇ。」

綾取は白井に背を向ける。

後ろに組んだ手に力は入っていない。

「好きか、好きじゃないか。」

「...へ?」

沈黙。

「......そりゃ、どちらかと言えば...まぁ...」

「...そう。」

Tips:中学時代

舵原良也と天道舞香は同じ中学校の同級生。

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