21.台風一過
Tips:白井響香のプロフィール
・165cm55kg
・髪色は青、髪型はポニーテール
・17歳の高校生。無堂瑞希と天道穂香のクラスメイトにあたる。
・能力:『無尽蔵』
スタミナが切れない。常在能力ではなく、常時発動型の通常能力。あくまで「スタミナが切れない」だけであり、ダメージの回復や痛みの緩和は不可能。
・好物は唐揚げ
事情聴取を終え、一度帰宅して休んだ次の日、アジトに集まった一同。
有巣仁理の左右に綾取廻と宮本双葉。宮本の膝にはまじかる☆マーゴ。
正面には左から無堂瑞希、白井響香、天道舞香。
椅子を持ってきて座っているのは、斑目詩織と天道穂香、そして退院したての舵原良也
「......あのっ...」
白井が口を開く。
「...こ、この度は大変、申し訳ありませんでした!」
沈黙。無堂と斑目が目を見合わせる。
「白井さんが謝ることじゃありませんよ。防げるものでもありませんし。」
「でも!」
膝の上で拳を握る白井。
「でも...私のせいで...町の人が...!」
流れ落ちる涙に言葉を失う一同。
有巣は、綾取との戦いを思い出していた。
「擁護も叱責も出来ねぇな。」
口を開いた有巣に視線が集まる。
「俺らは保安官でもなければヒーローでもない、ただの一個人。住民を守ろうだの、建物を守ろうだのは傲慢だろ。」
コップに残った炭酸飲料を嚥下し、有巣は続ける。
「俺らは白井を助けるために戦ったんだ。後暗い事があろうが、どんだけ辛かろうが、胸張って生きてもらわなきゃ困る。でなきゃ俺らはまとめて逆賊だ。」
有巣が立ち上がる。
「来い。」
「あ。終わりましたね。」
「ひょ〜有巣くんはスパルタだぞぉ〜。」
「あんま脅かすな宮本。」
「え?何?何が始まるんです?」
困惑する白井。数分後には泣き出すことになるのであった。
「く、クッソ...あの女...!!俺を振りやがって...!!」
ゴミだらけの部屋で爪を噛む男。
「クッソ!!」
ティッシュで満杯のゴミ箱を蹴飛ばす。
その時、ドアがノックされる。
「うるせぇババア!今忙しいんだよ!!」
「そうかい?それは残念だ。」
聞き慣れない声。胃の底を撫でるような、低い声。
「...おおおお前、誰だ。」
ガチャ、と鍵が開く。
扉を開けて入って来たのは、金属の仮面を付けた男。彼が柊黒彦であることを、部屋にいた男は知らない。
「おおおお前!だっ、だだだ誰だ!」
「誰でもいいじゃないか。それより、君にプレゼントがあるんだ。」
「ぷ、ぷれ、プレゼント...?」
「君を、君の望む姿にしてやろう。佐藤タカシくん。」
「流石だな、白井。」
全く息を切らしていない白井。逆に、息も絶え絶えの有巣。
「凄い...有巣がバテてる...」
ちょうど訓練を見に来た舵原が目を丸くする。
白井響香の能力は『無尽蔵』。「疲労しない」という単純な効果だが、本人の力量次第で厄介になりうると有巣は踏んだ。
「凄いですね。有巣をバテさせるなんて。」
「いえ、有巣さんの教え方が上手なだけですよ。」
「疲れないなら出来る量が増えるという単純計算。加えてそもそも筋が良い。俺の剣術と霊術を全部叩き込んだから、結構強くなってる筈。」
「それなら、最低限の自衛は出来そうですね。」
微笑みかける舵原。白井は、ある疑問を口にする。
「やっぱり、有巣さんが一番強いんですか?」
「そうですね。」
「いやぁどうだろう。」
ほぼ同時に真逆の事を言う舵原と有巣。
「俺は短期決戦型すぎるからな。一対多なら天道妹の方が強い。」
「有巣なら瞬殺出来るだろ?」
「殺して良いならな。」
有巣は舵原からペットボトルの水を受け取る。
「結局、条件次第ですね。相性もありますし。」
水を飲む有巣を凝視している白井。
「おっと...これは。」
「何体?」
「数えてないなぁ。そっちは?」
「52。」
「凄いね。」
白井が暴走した件で魔獣が増え、駆り出された斑目と綾取。
「そういえば、霊力が暴走して生まれるのは“霊獣”らしいね。」
「魔力の魔獣、霊力の霊獣か...厄介だなー...」
薙刀で小型魔獣を一掃する斑目。
「じゃあ、霊獣も大量発生してるの?」
「そっちは“陰陽省”が対応するらしいよ。」
「オンミョーショー?」
聞き慣れない単語に首を傾げる斑目。
「魔法省と陰陽省。魔法省には魔法使いが所属していて、陰陽省には陰陽師や神社の神主が所属してるんだよ。」
「魔力の魔法省、霊力の陰陽省ってこと?」
「そうだね。」
一箇所に集まった魔獣が綾取の『死ね』で一掃される。
「ひゅ〜爽快。」
「ふふ。凄いでしょ。」
「...綾取さんさ。丸くなったよね。」
発言の意図を読みかねて首を傾げる綾取。
「つい最近まで敵同士だったとは思えないなぁって。」
「...今でも“敵”ではあるんじゃない?」
ハハ、と笑い飛ばす斑目。
「まさか。」
百足型の魔獣を串刺しにする斑目。
「...え、マジで有巣狙ってんの?」
「さぁ?どうだろうね。」
魔獣を別の魔獣にぶつける綾取。
「......まぁ止めないけどさぁ...」
「...好きなの?」
「まさか。そんなわけ。」
今度は強く否定する斑目。
黙々と魔獣を倒し続ける2人。長時間戦っているが、息を切らす様子すら無い。
「やっぱり『恵体』は流石だね。」
「いや補正無しで動き回ってるあんたのが怖いよ。」
「コレがあるからね。」
綾取は首に着けているチョーカーを指す
「けぇ惚気かよ。」
その時、斑目はある違和感を覚えた。
「...ん?」
反射的に掴んだソレ。
「どうしたの?」
綾取の目線では、斑目が空中を掴んでいるように見える。
「いや...なんか居るなぁって。」
「何も居ないよ?」
「いや、居る。」
斑目は手の中のソレを握りつぶす。
握りつぶされたソレは、黒煙を発しながら消滅した。
「わ。」
「何だろうね。見えるの?」
「いや...空気が揺らいでるなぁって。」
「なるほど、ソレ以外の全部が見えるから、見えないソレだけ違和感になるのかな。」
何なんだろう、と首を傾げる2人。そんな疑念も、大量の魔獣に押し潰されてしまうのだった。
Tips:シャトルラン
有巣仁理:50
舵原良也:100
天道舞香:22
斑目詩織:247
無堂瑞希:30
天道穂香:18
白井響香:247
宮本双葉:125
綾取廻:250
まじかる☆マーゴ:0




