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01 地球の歴史が変わる日

 2023年10月。世界に激震が走る。

 別に大地震が襲ったとかではない。

 だが、地球人にとって、それは大地震をはるかに上回る一大事であった。


 日本の上空に巨大な宇宙戦艦が現れたのだ。

 宇宙人の来訪である。

 地球人類と変わらぬ姿をした彼らは、自らを「ポテトニアン」と名乗った。


『この星の戦士よ。我々と戦え』


 どうみても巨大なジャガイモにしか見えない宇宙戦艦から発せられたのはそんな言葉だった。

 その様子は、七千近い全ての地球言語に翻訳され、全世界に中継された。


 彼らは遠い銀河、ポテトニア星系から、地球にイモを求めてやってきた侵略者だった。


 イモである。


 ポテトニアンはあらゆるエネルギーをイモによって得ていた。

 巨大な宇宙戦艦ですらイモで動いているのだ。数千年も前に発見された回転エネルギーに依存している地球の科学など及びもつかない、はるかに高度な技術であった。

 そして、そんな彼らが提示した決闘方法は、地球人類にとって前代未聞、まさに空前絶後のものだった。


 それは「P・D」と地球の言葉に翻訳された。


 「ポテト・デュエル」


 専用の闘技場でイモを使って戦う、彼らにとって伝統的かつ最も誇り高い決闘方法だった。

 ポテトニアンは正々堂々を信条とする高潔な人類であった。

 埼玉県の某所、河川敷の開けた場所に闘技場を設置し、彼らはこう告げた。


『地球時間で一年後、この場所で我々の戦士と地球のイモをかけた試合をしてもらおう』


 地球の技術水準が彼らの足元にも及ばないのは、火を見るよりも明らかだった。

 地球人類に残された手段は、P・Dに勝つより他なかったのである。


 地球人類は彼らに対抗すべく、一丸となった。

 全世界からあらゆる分野のエキスパートが集結し、地球のすべての叡智が埼玉に集結した。

 研究につぐ研究。鍛錬による鍛錬。


 そして約束の日。

 地球のイモの未来は一人の少年に託された。


 これはその記録映像である。

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