突然の訪問
忘れてたぁーーーー!!!
殿下に昨日のこと謝らないと!
不敬罪で投獄される。場合によっては家族の命も危ない。
呑気にお昼ご飯のことを考えている場合ではなかった。
しかし、殿下に会うにはどうすれば良いのだろう。
直接クラスに行って声を掛ける?でも、それ自体もはや不敬じゃない??殿下と親しい間柄の者に取り持ってもらう??殿下と親しい人って誰かなって、いや、そもそもこの学院に話しかけられる知人すらいないわ。。
詰んだ。
見事に詰みまくる、私の学院生活。
これ、そもそも殿下が悪いんじゃない?
名前も知らないのに勝手に求婚してきて。
そのせいでな噂流されて。。。
だんだん殿下に腹が立ってきた。
うん、私悪くない!!
もういいかな。
今のところ何も言われてないし。きっと大丈夫だろう。謝るのは一旦置いといて、殿下と会わないことだけを今は考えよう。
そう思った矢先、
「エルザ嬢はいるか?」
教室入り口の方から声が聞こえた。
それと同時に、クラス全員の視線が一旦集中する。
もちろん、私へ。
は。。。。。
なぜ殿下がここに???
やっぱり不敬罪で捕まるのか!?
後ろで控えている側近もなにか咎めるような表情をしているように見える。
とにかく、
殿下に呼ばれてこれ以上無視することは出来ない。
少しでも罪を軽くしたい。
足早に殿下のもとへ向かう。
そして、勢いよく頭を下げた。
「昨日は大変申し訳ございませんでした!どうかご無礼をお許しください。厚かましいお願いと重々承知の上申し上げますが、家族共々罪に問わないで頂けないでしょうか。誠に申し訳ございません!」
それは、淑女の礼なんて可愛らしいものではなく、前世で鍛えた対クレーマー用の、大袈裟な謝罪であった。
エルザの勢いにたじろぐ殿下。
「えっ、、と、、、うん。」
あまりの勢いにそれしか言葉を返せなかった。
後ろでアイザックが笑いを堪えているのが伝わってくる。後で覚えてろよ。
「殿下、本当にありがとうございます!海の如く広い御心に感謝申し上げます。」
泣きそうな顔でお礼を言うエルザ。
それを見て惚けた顔をしている殿下。
二人を見て再び笑いを堪えるアイザック。
エルザは達成感に満ちた顔で疾風のごとく、その場を立ち去った。
そして彼女は、
殿下はエルザに用があって尋ねてきたということなど、全く考えていなかった。
「殿下、」
「アイザック、何も言うな。」