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校舎入り口までの長い長い道のり


学院に通うのは貴族の義務に近い。

登校拒否して自室に引き篭もるなんて出来ない。腹を括りつつも、絶望的な気持ちのまま馬車に乗り込む。


どうしようどうしようどうしよう。。。


このままじゃダメね、とにかく状況を整理しよう。

えっと、ストーリーは分からないけれど、異世界転生ものでよく出てくる設定の中に私はいる。


恐らく配役は悪役令嬢。


悪役令嬢はヒロインを目立たせるためだけの存在。ヒロインと攻略対象が結ばれた暁には、めでたく存在を抹消される、それはもう物理的に、跡形もなく。


王道のパターンは、婚約相手である王子からの婚約破棄がきっかけになる。死ぬ未来に最も関わる危険人物は、昨日庭園で話しかけてきた、クレメンス殿下に違いない。


殿下とは絶対に婚約しない。

いくらお金を積まれても絶対に揺るがない強い心を持つ!でも、立場上、面と向かって断れないから、心的距離を詰められないように逃げまくろう。自意識過剰かもしれないけれど、自衛のためには致し方ない。


そして、昨日の不敬罪まっしぐらの自分のしたこと。。


ええい!!!

過ぎたことは仕方ない!!


とにかく誠心誠意謝ろう。そうすれば、いくらなんでも、自分が求婚した相手に対して罪に問おうなんて思わない、、、はず。多分恐らくきっと。


あとは、、

死亡フラグを回避するためには味方が絶対必要。


まずは学院で友人を作ろう。

信頼できる仲間を作って、協力してもらって、うまく立ち回って、なんとか生き延びるのよ!!!


そう意気込んで、無理やり自身を鼓舞して、馬車を降りる。


今日からここは私の戦場。

まずは、殿下を見つけて昨日のことを謝る。そして、謝罪を受け入れてもらえたら、日本人の必殺当たり障りのない天気の話でもして求婚のことは有耶無耶にする!


それでもって、友人を、味方をたくさん作るのだ!

うん、まずはそれからよね。


そんなことを考えて少し気持ちが上向いた私は、好印象を与えるべく、にこやかな表情を携えて停車場から校舎入り口に向かって優雅に歩いていく。


しかし、なんだろうこの違和感、、、


なんか周りからチラチラ見られているような、、


制服の着方変かな?それともアホ毛?ルルに整えてもらったから身だしなみは完璧なはず、、


んー、ダメね。気になって仕方ない。

こちらを見てる人に聞いてみようかな。


「あの、、、」


言葉は最後まで続けられなかった。

なぜなら、話しかけようとした相手が目を逸らし、脱兎の如く目の前から逃げ出したからだ。


なによ!!!まだ何もしてないじゃない!!

って、別に何もしないわよ。

やっぱり悪役令嬢だから、存在だけで恐れられてるのかな、、


友達100人出来るかな、、、、泣


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