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求婚してきた相手って、、


「エルザ様、お目覚めでしょうか。」

「ええ、どうぞ。」


専属侍女のルルが朝の支度のため部屋にやってきた。返事をすると、あたたかい紅茶を運んできてくれる。ルルの入れてくれる紅茶が一番美味しい。春とはいえ、朝方はまだ少し冷えるので、温かく華やかな香りのする紅茶に癒され、心も身体も温まる。


ルルに手伝ってもらって身支度が完了した私は、朝食をとるため、食堂に向かう。


「「エルザ、おはよう」」

「義父上、母様、おはようございます。」


義父のマラキアとその隣に仲睦まじく座る母アイリスに挨拶をして席に着く。

でも、朝からキラキラエフェクトに目がやられそうなので、そっと視線を外す。

兄は朝早いので、この場にはいない。



マラキアは母の再婚相手だ。


金髪のサラサラヘアーにスカイブルーの宝石のようなキラキラした瞳。人好きのする柔和な雰囲気は国宝級イケメン以外の何者でもない。


ちなみに、実父は私が5歳の時に病死した。

その後、叔父の手を借りつつなんとか領地経営をしていた母。今は、マラキアがアストルム侯爵家当主として働いている。


そして、マラキアはなんといっても若い!


若々しいのではない、実際に若いのだ。自由恋愛が解禁されてすぐ母と再婚した。


当時、マラキアは19歳、母は、30歳。

この国の成人は18歳だから、うんギリギリ大丈夫。だけど、いつから関係があったのかなんて野暮なことは聞けません。身内を犯罪者にしたくないので。

にしても攻めたな我が母よ。


大恋愛の末結ばれた2人は5年経った今もラブラブだ。2人の周りには常にたくさんのハートマークが飛び交っている。

朝からちょっと胸焼け。。ま、本人たちが幸せならね、このくらい耐えてみせますよ、娘だもの。ハイ。


そして、昨日庭園で素晴らしいタイミングで声をかけてくれたのは、そのマラキアだ。入学式後、停車場に現れない私を心配して探してくれていたらしい。


とても優しい良き父だと思う。

当人は私を溺愛し、パパって呼んでくれてもいいんだよ?なんて隙さえあれば笑顔で強請ってくる。


前世の記憶が戻った今、

こんなイケメンにパパなんて呼んだら、なにかいけないことをしているような気持ちになるので、もう二度と呼べない。義父よ、すまない。


「そう言えば、昨日エルザは殿下と何を話していたんだい??」

「は?殿下???」

「昨日庭園で2人で何か話していたろう?」


まん丸お目目のキョトン顔で尋ねてくる義父。

イケメンは何しても絵になるな。全方位死角なしだわ!なんて心の中で称賛。


って!!殿下!?この国唯一の王太子殿下!?

確かに王家特有の金髪碧眼だったような、、


そんな方に求婚されたのかわたし。。解せぬ。


というか、ちょっと待て、、、、


あの後どうしたんだっけ、、

前世の記憶が戻ってプチパニック起こして、そんな時、神の助けごとく義父が現れてくれて、そしてそのまま無事に帰宅。。


あ、、れ、、、??


私もしかして殿下に何も言ってない!?


うわぁぁぁぁ!!!ちょっと待って!!!

何も言わずに御前を去ってしまったのか、私。

え、今日登校したら、不敬罪で捕まる、、??


ニコニコしながらこちらを見てる義父よ、

前言撤回!!良き父親のカケラも見当たらないわ。

殿下って知ってたならその場で教えなさいよーーーー!!!


イケメンだからって何もかも許してなんてやるものか。こっちは命かかってんのよ!!!!!


はぁー。。。。入学2日目で見事に詰んだ。

グッバイ私の学園生活。



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