至福の時間
エミリアと友達になってから数日が経ち、私たちはカフェテリアで向かい合って座っていた。フルーツタルトとミルクティーがふたつずつテーブルに並ぶ。
お揃いだ。
友達と、しかもこんなに可愛くて良い子と、放課後にお茶して過ごしているなんて、、、
夢みたい。
「夢、みたいです。」
か、被ったー!!
いや、心の声とだけどね。
今回は声に出てないはず。
え、出てないよね??
「私、昔から自分に自信がなくて、周りのことを気にして、無意識に比べてしまって、、だから、お一人で堂々と過ごしていたエルザ様に強く心を打たれたのです。強くて凛々しくて、それでいてお美しくて。だから、大変おこがましいのですが、私も少しでもエルザ様のように、強くあれたらなって思って。。」
な、、なんということでしょう。
だいぶ買い被られています。
この先ボロが出ないか不安だ、、
でもでも、こんなふうに想ってくれるなんて、心の底から嬉しいと思う。本当に。
「ふふふ。そんなに褒めても何も出ないわよ?嬉しいけど、これから私の残念な面を見ても嫌にならないでね?」
でもやっぱり不安な私は、軽く釘を刺す。
「そ、そんなごほう、、コホッ、失礼いたしました。エルザ様の新たな一面を見られるなんて、嬉しい限りですわ!」
ん?なんか今ご褒美って言いかけたような、、
気のせい、かな?
でもどことなくシンパシーを感じるのよね。
お互い素を出せるようになったら、我が家でパジャマパーティーをしよう。今から楽しみだ。
その後も会話は弾み、心もお腹も満たされ、また近いうちにお茶しましょう!と固く誓い合って私たちは解散した。
お手洗いによってから停車場に向かおう。
今日はいつもより遅い時間に迎えをお願いしているので、ちょっと寄るくらいの余裕はある。
お手洗い後、荷物を取りに先ほどの席に戻る。
ん??????
私のカバン、ここに置いてなかったっけ??