癒しのカモミールティー
「エルザ様、どうぞ。熱いのでお気をつけ下さいませ。」
「ルル、ありがとう。」
ふわりと甘い香り漂う、ハチミツと牛乳がたっぷり入ったカモミールティーをルルから受け取る。
ふわぁー、癒されるー!
血を吐くような義父と兄とのお茶会後、満身創痍で自室に戻ってきた(逃げてきた)私にすぐさま用意してくれたのだ。私が疲れている時にルルが淹れてくれる元気の出る飲み物。
「だいぶ、お疲れのようですね。」
「んー、なんだか目まぐるしくて、ついていけないわ。」
ほんとに。。
まだ入学して2日目だというのに、この疲労感はなんなのよ。。
まぁ、間違いなく発端はあの殿下よね。
顔も知らなかったのにいきなり声掛けられて、、迷惑以外のなにものでもない。。片っ端から女子生徒に声を掛けているのかしら。それはもう自由恋愛を通り越してフリーダム恋愛だわ。
って、あれ、、
今日殿下が私のクラスに来た時、エルザ嬢って呼んでいたような。。
私殿下と面識あったっけ??
「ねぇ、ルル。私殿下とお会いしたことある?向こうは私の顔と名前をご存知のようだったのだけど。。」
「いえ、お会いになったことはございませんよ。これまで機会がなかったですからね。」
「そうよねぇ。。。でも殿下は私のことを認識しておいでで、、どうしてかしら。。」
「それはもちろん、殿下が、ちょうほ、、、コホンッ、失礼致しました。学院に在学中の生徒で、王族を除いたら、エルザ様は2番目に高い位のご令嬢ですからね。それは殿下も把握していらっしゃることでしょう。」
「なるほどねぇ。」
納得してくれた表情を見せるエルザに、ルルはバレないようにホッと息を吐く。
危ない、、、もう少しで、国家直属の諜報部隊がお嬢様のことを何から何まで調べ上げてましたよ。それはもうストーカーのようでしたってバラしてしまうところだった。。
お嬢様の心の平穏のためにそれをバラすわけにはいかないのだ。決して殿下のためではない。決して。
んー、確かに私は侯爵令嬢だから目立つわよね。。
私の上となると、殿下かルード公爵家嫡男のメンシスしかいないもんね。
にしても、そんな身分なのに、クラス全員から避けられる私って、、地味に凹むわ。




