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フウセン草の浮かぶ空

作者: 杉並太郎

詩のように見えるかも知れませんが、詩のつもりはまったくありません。音韻とか字数とかまったく考えていません。

人類の活動で二酸化炭素の排出量が増え

科学技術の発達で地球温暖化が進む

科学者は地球の危機を訴え

政治家は温暖化対策を打ち出す

マスコミは地球温暖化を話題にし

人々は地球の未来に不安を抱く

プラスチック製漁業用具が海洋を汚染し

合成繊維の衣服からマイクロプラスチックが発生する

政府はレジ袋を有料化し消費者は洗顔料を変更する

地球人類の環境意識が高まる

ある者は畜産と肉食を非難し

ある者は飛行機の利用を非難する

国際機関は火力発電所の廃止を勧告し

国家は自然エネルギー発電に補助金を出す

地球人類は環境保護に力を尽くす


ゴミの分別が厳しすぎると市民は嘆き

環境税が高すぎると庶民は悲しむ

環境意識の高い人たちが市民の細かい行動を批判し

市井の人々は環境保護活動に苦痛を感じる

意図的に環境を破壊するテロリストが現れ

人々は環境テロリストに共感する

政府の環境保護政策が厳しくなり

環境テロリストへの支持が高まる

環境テロリストは人間を尊重する

環境に優しい行動は人間に厳しい

もっと人間らしい生活をしよう

環境テロリストは主張する

人々は隠れて環境テロリストを支援する

環境テロリストは人々の不満を代弁する

環境テロリストは人々の怒りを代行する


有名な写真家が環境破壊をテーマに定める

マスコミが油まみれの水鳥の写真を報道する

石油タンカーから流出する原油の動画が流れる

過去の原油流出事故の記録がネットに流れる

環境テロリストは石油タンカーをハイジャックする

テロリストはタンカーの乗組員を丁重に解放し

テロリストは環境を破壊すると脅迫する

テロリストは環境と引き換えに暗号通貨を要求する

環境テロリストが南極の氷河に陣取る

テロリストは氷河を爆破すると脅迫し

テロリストは環境税の廃止を要求する

環境テロリストは環境保護団体を脅迫し

テロリストは世界中の政府を脅迫し

テロリストは国連を脅迫する

環境テロリストは環境破壊を繰り返す


偉大な教祖が成長するガイア教会を設立する

成長するガイア教会は地球生態系の成長を目的とする

成長するガイア教会の信徒は地球生態系を神とあがめる

信徒は成長するガイア教会の教義に従って生活する

一般信者の戒律はゆるく教会は多くの信者を集める

教会は生態系を構成する要素として肉食を推奨する

聖職者も信者も肉料理を好んで食べる

成長するガイア教会は生殖が生態系の基本と説明する

成長するガイア教会は性的タブーを設けない

セックス教団と呼ばれない程度の節制を保つのみ

何が環境によくて何が悪いのか

成長するガイア教会の教義が示す

政府や環境活動家の語る難しい科学ではなく

教義の定める行動こそ地球環境のためになる

成長するガイア教会のすべてはガイアのためにある


成長するガイア教会は科学研究を重視する

研究目的を達成するため外部の研究機関に委託する

素質のある信者を大学に入学させる

優秀な生物学者を教会に勧誘する

地球生態系の成長に必要な植物を作り出すために

研究倫理に縛られず目的の研究をするために

様々な方法を使って教会は植物の研究を進める

生態系を変える植物を生産するために

科学の力で教義を実現するために

科学の力でガイアを成長させるために

研究者を集めて教会は秘密の研究所を設立する

ガイアの成長で地球環境問題は解決する

ガイアの成長で人類とガイアは共存できる

すべてはガイアと人類のために

すべては人類とガイアのために


有志の集団が環境テロリスト対策を決意する

有志の集団がガイアの拳を結成する

地球を守るため環境テロリストは絶対に許さない

地球は環境テロリストの命よりも重い

地球を守るために環境テロリストを攻撃する

環境テロリストの脅迫に抵抗する

環境テロリストを殲滅するため

一時的な環境破壊も敢えて行う

重武装の戦闘員が環境テロリストを蹂躙する

環境テロリストの容疑者を密告すように

環境を破壊する隣人を密告するように

ガイアの拳がネットで呼びかける

密告された人が消える

環境を破壊する人が消える

ガイアの拳が振り下ろされる


成長するガイア教会は地衣類に注目する

地衣類はコンクリートに付着し光合成をする

科学者は地衣類をビルの外壁塗装用に改良する

成長するガイア教会は広告会社と契約する

環境によいものは美しい

美しいとは環境によいこと

広告会社は地衣類塗装のCMを流す

地衣類は菌類と光合成細菌の共生体であり

地衣類は共生の素晴らしさを示している

広告会社は地衣類を褒め称える

地衣類で塗装した建築物が流行する

地衣類スプレーで戸建て住宅の壁が光合成をする

街が地衣類に覆われる

街が光合成をする

都市が光合成をする


成長するガイア教会の偉大な聖職者が死亡する

教会は荘厳で盛大な葬儀を執り行う

聖職者用の特別な葬儀を執り行う

用意された多数の虫が聖職者の遺体を食べ尽くす

偉大なる生態系のために遺体を分解者に引き渡す

遺体を食べた虫を家禽の餌とし

家禽を屠殺して葬儀の料理のための肉にする

聖職者の骨を焼く火で家禽の肉を料理する

葬儀に参列した信者たちは肉料理を食べる

数日かけて実施される一連の儀式で聖職者の死を弔う

儀式を通して地球生態系の小規模な模倣をする

死は終わりではなく次の生へと繋がっていく

成長するガイア教会の教義を確認する

すべてはガイアのために

すべてはガイアの成長のために


成長するガイア教会の研究が進む

教会は空に浮かぶ植物を構想する

光のエネルギーで水を分解し

水素ガスを袋状の葉に溜め込む

成長するガイア教会は遺伝子工学を使用する

ゲノム編集の技術者を集め

ゲノム編集の器具を調達する

数百本の太い試験管で不定形の細胞を培養し

遺伝子の発現をチェックする

光合成の酸素と分離するように水素の運搬経路を調整し

水素が漏れないように袋状器官の気密性を上げる

組み込んだ遺伝子は相互に干渉し

水素合成過程は光合成を阻害する

研究者たちは討論を繰り返し

ストレスとコーヒーで胃を痛めつける


光合成をする壁が胞子を放つ

地衣類の壁が菌類の胞子を作り

風で胞子が飛散する

地衣類の壁が粉芽を作る

藻類を内包する粉芽を作る

風で粉芽が飛散する

都市に暮らす人々に地衣類アレルギーが広まる

人々は光合成をする壁を嫌悪する

大量動員された清掃業者が壁を洗い

人気を失った流行建築が取り壊される

胞子と粉芽は空間に満ち、あらゆるところで発芽し増殖する

アルミサッシに地衣類が付着し室内の壁に地衣類が侵入する

人々は胞子アレルギーに苦しみ

怪しい健康食品が売れ行きを伸ばし

怪しいアレルギー療法がはびこる


環境テロリストが石油タンカーを沈め

ガイアの拳が環境テロリストを殺す

対立は共感を呼ぶ

憎悪は結束を強める

環境テロリストは露出の多い性的な服装で人気を獲得し

ガイアの拳は軍隊のような制服で動画視聴者を魅了する

環境テロリストの志願者が増え

ガイアの拳の志願者が増える

世界各地で環境テロが頻発する

ガイアの拳によるテロリスト処刑が公開され

環境テロリストに資金が集まる

環境テロで苦しむ動物の写真が拡散され

ガイアの拳に資金が集まる

対立は金になる

憎悪は金になる


成長するガイア教会は豊富な資金を得る

研究者に新たな資金を割り当てる

研究者は陸上植物の海洋帰還計画を立てる

哺乳類が海に帰ったように陸上植物を海に適応させる計画を立てる

耐塩性の高いマングローブを素材とし

浮草のゲノムを加え海面に浮遊する植物を作る

海に浮く浮草を設計しイカダ草と名付ける

イカダ草は海面で陸上植物の効率的な光合成を行う

イカダ草は海面を光合成色素の緑で覆う

イカダ草は海の表面に植物体の形で炭素を貯蔵する

イカダ草は海水の蒸発を促進し海上に雲を作る

研究者は未来のビジョンを描き

研究者のゲノム編集の腕が冴える

地上は人類のもの

海上はイカダ草のもの


地球に優しい自然エネルギーを推進するため

山野を切り拓いて太陽光パネルを設置する

太陽光発電パネルが大地を覆う

巨大風車が広い丘陵に林立し自然の力を電気に変える

木材から自然に優しい紙製品を製造する

紙製品はリサイクルされ分解されて二酸化炭素に戻る

環境負荷の高いプラスチック製品を置き換え

消費生活に紙製品が満ち溢れる

天然の森林を伐採し紙パルプ用の人工林を造成する

成長が早く効率よく紙の素材となる優れた樹木を植林する

環境テロリストは太陽光パネルを壊し

環境テロリストは風車を壊し

環境テロリストは人工林に放火する

ガイアの拳は環境テロリストを探し出し

ガイアの拳は環境テロリストを殺害する


フウセン草が空に浮く

フウセン草は光のエネルギーで水を分解して水素を作り

フウセン草は水素を袋状の器官に溜め込む

フウセン草は隔壁を形成して根本を切り離す

枯葉を落とすように

根を切り離して浮かび上がる

空高くフウセン草は舞い上がる

太陽の光を受けて高く高く

陸上植物の進化のように

他の植物より高くより多くの光を求めて

人の手で作られた植物が空に舞う

フウセン草は空で二酸化炭素を固定し

フウセン草は空に炭素を貯蔵する

大地は人類のもの

大空はフウセン草のもの


フウセン草は大地に芽生え

ミネラルを吸収して貯蔵する

フウセン草は大地を離れ空中で大きく成長する

光合成と水分解で成長する

フウセン草は気根を伸ばし雲から水分を吸収する

花を咲かせ種を地上に落とす

フウセン草の種は地上で休眠する

発芽条件が整うまで何年でも休眠する

凍結も乾燥も高温も耐え抜いて休眠する

フウセン草の遺伝子には除草剤への耐性が組み込まれ

自然も人間もフウセン草の種を害せない

発芽条件が整うとフウセン草の種は芽を伸ばし

フウセン草は急速に成長して大空に浮かび上がる

大空はフウセン草のもの

大地は人類のもの


成長するガイア教会がフウセン草の種を蒔く

ガイアを成長させるため信者は熱心に種を蒔く

環境テロリストがフウセン草の種を蒔く

自然環境を人工の植物で汚染するためフウセン草の種を蒔く

小学生がフウセン草の種を蒔く

植物観察日記を書くためフウセン草の種を蒔く

大学生がフウセン草の種を蒔く

ゲノム編集の教材として研究するためフウセン草の種を蒔く

お笑い芸人がフウセン草の種を蒔く

水素を爆発させるお笑い芸のためフウセン草の種を蒔く

先進的な農家がフウセン草の種を蒔く

水素製造農場の夢をみてフウセン草の種を蒔く

植物愛好家がフウセン草の種を蒔く

珍しい植物を育てるためフウセン草の種を蒔く

人間たちがフウセン草の種を蒔く


環境テロリストは散発的にタンカーを襲撃し原油の身代金を要求する

各国政府や環境保護団体が原油身代金の支払いを拒み

テロリストはタンカーを沈めて原油を流出させる

善良な市民が積み重ねた環境保護の努力をテロリストは一瞬で破壊する

身代金が得られなくて環境テロリストはタンカーを襲撃する

支援者の支持を手放さないために環境テロを繰り返す

ガイアの拳は環境テロリストを殺し続け

環境テロリストは新たな支持者とテロリストを獲得する

環境テロリストから海を守るため科学者がイカダ草を改良する

石油分解細菌のゲノムをイカダ草に取り入れる

イカダ草はオイルフェンスのように石油を取り囲み

イカダ草は石油を分解して成長する

成長したイカダ草はさらに石油を分解する

科学者は植物の力を利用して問題を解決する

科学者は生態系の力を使って問題を解決する


フウセン草が空に増え航空ドローンの障害となる

フウセン草が空に満ちジェット旅客機の障害となる

各国政府はフウセン草の栽培を禁止する

空港に備えられた対空レーザー砲がフウセン草を撃ち落とす

飛行機のレーザー砲が進路を妨害するフウセン草を撃ち落とす

大量の小型ドローンがフウセン草を駆逐するために出動する

撃ち落とされるフウセン草は大量の種を撒き散らす

空から落ちてくるフウセン草の種はあらゆるところで芽を出していく

フウセン草は河川敷に芽生えて空に昇っていく

肥沃な農地に落ちたフウセン草の種は除草剤に耐えて育っていく

家庭菜園の隙間で、ベランダのプランターで、フウセン草は育っていく

自然公園にフウセン草の種が落ち、貴重な土地固有植物の傍らで育っていく

山野や砂漠や海にフウセン草の種が落ち長い休眠に入る

アスファルトのひび割れに、不法投棄のゴミの山に、フウセン草は育っていく

人間の抵抗に反してフウセン草は増えていく


マスコミがガイアの拳の残酷な殺人を特集する

民衆はガイアの拳を非難する

人々はガイアの拳の活動に飽きる

ガイアの拳への支持が低下し志願者が減少する

マスコミがテロリストの環境破壊を特集する

民衆はテロリストの行う意味のない環境破壊を嫌い

人々は環境テロリストの活動に飽きる

環境テロリストたちは逮捕され裁判で有罪判決を受ける

環境テロリストへの支持が低下し資金提供が減少する

環境テロリストの資金は没収されネットのサイトは閉鎖される

叩くべき相手を失ってガイアの拳は空を切る

資金提供がなくなってガイアの拳は縮小する

人殺しが出来なくなってガイアの拳の構成員は辞めていく

お互いに対立していた二つの組織はともに衰退する

お互いに依存していた二つの組織はともに消滅する


水分不足でフウセン草がしぼむ

乾燥した組織から水素が漏れてフウセン草がしぼむ

しぼんだフウセン草は高度を下げて雲の中に落ちる

雲の中でフウセン草は気根から水分を吸収する

水から水素を作り出し再びふくらんで空に昇る

雲がなければ地面まで落ちて夜露や朝露を吸収する

露がなければフウセン草は枯れる

川辺に降りそこから水分を吸収する

降りたり昇ったりフウセン草は水分を求めて昇降する

農地の灌漑用水でフウセン草は水分を吸収する

ゴルフ場の芝生でフウセン草は水分を吸収する

公園の噴水でフウセン草は水分を吸収する

ベランダの鉢植えからフウセン草は水分を吸収する

親切な人がしぼんだフウセン草に水をかける

水分を吸収したフウセン草は再び空に昇る


フウセン草は増殖し空を覆う

空中に伸ばした気根が絡み合っていくつものフウセン草がひとつの塊になる

フウセン草の塊は大きくなりフウセン草の雲になる

レーザー光線がフウセン草を燃やし

風にのって新たなフウセン草が流れてくる

フウセン草から漏れ出す水素は大気圏上層部に到達し

オゾンと反応して水となりオゾン層を破壊する

大量の紫外線が地球に降り注ぎフウセン草の雲がその光線を遮る

フウセン草の雲は日光を遮り穀物の生育を阻害する

フウセン草は日の光を遮り野菜の生育を妨げる

フウセン草の雲は日光を遮り牧草の生育を阻害する

フウセン草の増殖は二酸化炭素を消費し地球は二酸化炭素不足になる

フウセン草による水の分解は酸素を増やし地球は酸素過剰になる

フウセン草が空を覆う

食糧不足と飢饉への不安が高まる


人類は化石燃料を燃やして二酸化炭素を作り出す

人類は化石燃料を燃やして発電し光を作り出す

化石燃料由来の二酸化炭素が農作物を育てる

化石燃料由来の光が農作物を育てる

古生代に大量に同化され分解されなかった炭素を

古生代に生態系の炭素循環からはみ出した炭素を

人類が生態系の炭素循環に戻す

何億年もの時を超えて人類が古代の炭素を生態系に戻す

人類は炭素を生態系に戻す分解者の役割を果たす

何億年もの時を超えて人類は分解者の役割を果たす

人類は生態系の中で最も重要な分解者の役割を果たす

人類が分解者の役割を果たしガイアは成長する

古代の化石の炭素が生態系に戻りガイアは成長する

フウセン草の増殖で地球生態系は変化し成長する

フウセン草の増殖でガイアは変化し成長する


イカダ草は増殖し海を覆う

太平洋を覆い、大西洋を覆い、インド洋を覆い、七つの海を覆う

イカダ草に覆われた海で海中に光が届かず

イカダ草に覆われた暗い海で多くの藻類プランクトンが死滅する

イカダ草に覆われた暗い海で大量のサンゴが枯れる

イカダ草に覆われた暗い海で大量の海藻が枯れる

プランクトンの死滅した海で多くの甲殻類が死滅し

プランクトンの死滅した海で多くの生物種が絶滅する

プランクトンの死滅した海で多くの小型魚類が死滅し

小型魚類が絶滅した海で大型魚類が絶滅する

イカダ草に覆われた海面は海棲哺乳類の呼吸を阻害する

魚類の絶滅した海で漁業は壊滅する

沿岸漁業が壊滅し、遠洋漁業が壊滅し、養殖漁業が壊滅する

人類は海の中に細い航路を確保し荷物を運搬する

イカダ草を切り裂いて海運航路を確保する


イカダ草は増殖し海を覆う

人々が虫と呼ぶ多種多様な生物がイカダ草に移り住む

虫たちを追って小鳥がイカダ草に移り住む

虫たちを追って小型の哺乳類がイカダ草に移り住む

小動物を追って大型の動物がイカダ草の上に乗り込み

イカダ草は大型動物の体重を支えきれずに沈没する

渡り鳥はイカダ草の上で翼を休め

夜にはイカダ草の葉に露が降り

朝には小鳥たちが競って露を飲む

昆虫の死骸や小動物の糞が海に落ち

分解プランクトンが増殖する

分解プランクトンを餌とする動物性プランクトンが増殖する

甲殻類が増殖し魚類が増殖する

海棲哺乳類はイカダ草を食いちぎって海面に浮上する

海洋生態系が変化する


フウセン草の種が降る

空を覆うフウセン草の雲から種が降る

枯れた農地にフウセン草の種が降る

枯れた森にフウセン草の種が降る

山にフウセン草の種が降り砂漠にフウセン草の種が降る

小型哺乳類がフウセン草の種を食べる

貧しい人たちがフウセン草の種を集めて食料にする

料理研究家がフウセン草の種を使った料理を開発する

大企業がフウセン草の種を集めて製粉する

フウセン草の粉から家畜の飼料を製造する

人工的に作られたフウセン草が生態系の重要な要素となる

人工的に作られたフウセン草が人類の重要なカロリー源となる

生態系を守るため人々はフウセン草の種を蒔き苗を育てる

生態系を守るため人々は空に浮かぶフウセン草に水を散布する

生態系を守るため人類はフウセン草を保護する


ガイアが成長する

大空はフウセン草の雲で覆われ

その不安定な足場の上で小さな生き物たちが生息する

海上はイカダ草の群落で覆われ

その揺れ動く足場の上で小さな生き物たちが増殖する

地上には人工の構造物が立ち並び

その堅固な部屋の中で人類が生活する

大気中の二酸化炭素はフウセン草とイカダ草に吸収され

人類は陸上植物のために化石燃料を燃やす

地表付近では酸素濃度が上がり

上空では水素濃度が上昇する

フウセン草に日光を遮られた地上は薄暗く

人類は陸上植物のために電気の光を灯す

宇宙には緑の星が浮かび生命の繁栄を示す

成長したガイアが生命の繁栄を示す

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