38 格闘戦艦レッドベヘマス
「これは戦艦の主砲? え?」
鑑定能力を持つ炎の巫女ことヘーネスはそれを戦艦の主砲だと一瞬で理解した。
だがドッキー艦長が要塞内で取り出したその意図は全く理解できない。
「反乱軍を迎え撃つために? でも何で下に向いているの?」
巨大な浮遊砲台は直立し、その砲門は床に向けられていた。
「お姉様。これは一体どういうことなんですか?」
ヘーネスはドッキー艦長に直接聞かずに、遠く離れた師匠であるリーマイ副官に問いかける。
「艦長のやることにいちいち驚いていたら身体が持たないわ」
「え?」
「ただアイテムボックスから試作主砲を取り出しただけだから、あまり気にしないで」
リーマイ副官の諦めた声が響いた。
「え? 気にしますが? 何で私と戦った時にこれ出さなかったのか? とか、手を抜かれていたのか? とか、なんで戦艦の主砲を個人所有しているののとか? とか、なんでみんな平気な顔しているのとか? とかとか、色々気になりますが?」
「ヘーネス。直ぐに慣れるわよ」
イリアスが諦めたように溜息をついた。
「え? 慣れていいの? え? まさか発射するつもりじゃないでしょうね?」
ヘーネスはドッキー艦長を睨んだ。
「心配ないよ。発射時の衝撃や輻射エネルギーは僕のアイテムボックスに収納するからね。サララ、攻撃ビームの威力を調整して中央演算室の手前で止めるんだ」
「オンビットですのよ。要塞構造データから未来予測演算開始ですのよ」
サララがサムズアップした。
「いや、そういうことじゃなくて」
ヘーネスが拳を振った。
「攻撃射線上の演算器が全て消失しますが、要塞の演算力にさして影響はしません。そして攻撃影響範囲内に人員なし。重要施設なしですのよ」
「では削岩開始」
最小出力に弱められた攻撃ビームが要塞の複合コンポジット構造体の強固なフロアをぶち抜き、要塞中央の演算室に向かって一直線に融解しながら邁進した。
フラクタル構造の強固な天井を、高価な演算器を、全ての障害物を溶かしながら突き進む。
ドッキー艦長の宣言通り、同時に放出された危険な放射線や、反動輻射エネルギーや、衝撃波、熱波、プラズマは全てドッキー艦長のアイテムボックスに収納され、ヘーネス達の髪の毛一本も揺らすことはなかった。
「攻撃完了。中央演算室の付近まで削岩完了ですのよ」
サララが空中で宙返りした。
「……」
口数の多いソフィアが沈黙した。
「ええええええっ!」
ヘーネスがよろけた。
驚くべきことにドッキー艦長達は中央演算室までの直接回廊を作り上げたのだ。
広大な迷路のような演算要塞内を、進むわけにはいかないのだ。
一体どこに要塞内で主砲をぶっ放す者がいるだろうか?
これはアイテムボックスを持つドッキー艦長と、類まれな演算能力を備えた古代エレメンタルAIであるサララだけにしかできない芸当だった。
「エストスここはまかせる。ちょっと中央演算室に行ってくる。武器弾薬などの補給物資はここに置いておくから」
ドッキー艦長は大量の補給コンテナを取り出した。
「は?」
「え?」
ソフィアとヘーネスがまたも言葉を失う。
彼女達はドッキー艦長のアイテムボックスの収容能力を改めて目の当たりにし、驚いた。
「流石、ワルキュリアエッダ隊の補給係」
ウナが嬉しそうに何度も首を振った。
「弾薬にエネルギーキューブに、え? これは失われし、シルフアルケミーの対人装備兵装?」
コンテナを開封していたレガードが驚きの声を上げた。
「レガード、後にしろ。艦長、ここはお任せを。してシルフアルケミー零番機はいかがいたしましょうか?」
シルフアルケミー零番機――それはドッキー艦長の取り出したシルフアルケニーオリジナル古代戦闘機。
だがヘーネスとの戦いで、フロアの崩落で埋まったままであった。
「あっ。すっかり忘れてた。拾っておいてくれ、遠隔制御権は渡そう」
ドッキー艦長はシルフアルケニーの制御コードをエストスに送った。
「OB。制御権承りました。後はお任せを……」
エストスが笑顔で拝領する。
ワルキュリアエッダ隊の隊長エストスはシルフアルケミーを愛しているのだ。
そしてオリジナルシルフアルケミーとなると、それはまた格別な思いがあるのだろう。
「隊長のあんな嬉しそうな顔見たことあった?」
「ないね」
ワルキュリアエッダ隊員のウナとレガードが悪い笑顔で目配せした。
「ちょい待ちー、ちょっとちょっと、待ってほしいのですが?」
ネクロマンサーであるソフィアがドッキー艦長の前に躍り出た。
「どうしたんだいソフィア? ……何か言いたげな顔だけど」
ドッキー艦長が引き気味の笑顔を浮かべた。
「はあ? ここに反乱軍が来たらどうするの? 残念なことに今の私には何もできないのよねえ。ネクロマンサーである私は、死体か死骸がなければ、ただの美人なのよ。あっ、今自分で美人って言ったことに、あれって疑問に思ったでしょ? そりゃあワルキュリアエッダ隊員の若くて強くて人気者に比べたら、私の美貌なんてゴミみたいなものだけど、だけどね、これでも私はネクロマンサー界では美少女ネクロマンサーとして人気者なのよね。あっ、今また疑問に思ったでしょ……って、そんなことよりも死体とはいわなくとも、せめて無人戦闘機の残骸とかあればなあ……チラチラ。あっ、私の支配下に置いた無人戦闘機達は艦長のアイテムボックスに盗まれ……収納されちゃったし、ああ、困ったなあ。久しぶりに働きたいなあ。皆の力になりたいなあって思ったんだけど、でも私何もできないし残念。反乱軍が攻めてきても隠れて見守るしかないわ……残念で仕方が……」
「これでいいかな」
ドッキー艦長はソフィアの言葉を遮るように大量の無人戦闘機の残骸を取り出した。
「……うっ、こんなもので私のハートは射抜けないわよ」
無人戦闘機の山にソフィアがよろめいた。
「じゃあ、これで足りるかな?」
無人戦闘機の山がもう一山増えた。
「……」
ソフィアは無言で固まった。
「……これでも足りないかな? ではエリートかどうか分からないが魔族の死体を渡しておこう」
ドッキー艦長が古びた白い棺を取り出した。
「え?」
「ええええ?」
「! 魔族って?」
ワルキュリアエッダ隊員達がざわついた。
瞬間共同通信に驚きの声がこだまする。
「え? 魔族の死体? うそ? 夢にまで見た魔族?」
ソフィアが駆け寄った。
「これは信じられないことに一万五千年前の棺です」
ヘーネスが鑑定結果を伝える。
「は?」
「ええええええ」
「一万五千年前ってエクソダスの勇者の時代より五千年も前のものじゃないですか」
イリアスが叫んだ。
「これって? まさか……」
リーマイ副官が目を細めた。
「これってまさか……」
サララが首を傾げた。
「それだけは言えない」
ドッキー艦長が目をそらした。
「でも魔族って? ほんとにネクロマンシングできるの?」
ウナが心配そうに首を傾けた。
「大丈夫。私はネクロマンサー。大丈夫。私ならやれる。大丈夫。私はまだ可愛い。まだまだ捨てたものじゃない。ネクロマンサー界の姫。大丈夫。私はイケてる」
ソフィアが自分を鼓舞するようにつぶやいた。
「ああ、きっとソフィアなら大丈夫だ。僕の可愛い部下だからね」
ドッキー艦長が手を振った。
「あぁっ?」
エストスが低い声を上げた。
ウナとレガードが素早く目配せする。
「そ、そうなのよ。私は可愛いネクロマンサー。私なら魔族だろうが、ボサボサ頭の艦長だろうが操れるはず」
ソフィアがぶつぶつと呟いた。
「では行ってくるよ、ああヘーネス、定期的に要塞を直接鑑定して敵の侵入に備えてくれ」
「嫌ですが」
ヘーネスがそっぽを向いた。
「え? 嫌って……そんなこと言わずに……」
「嫌ですが」
ヘーネスが顔を背けた。
「あのー、僕の指揮下に入ったのだから、僕の命令には、その……」
「嫌ですが」
「ヘーネスお願い。私の代わりに鑑定して」
「分かりました。お姉様。お任せください。直接鑑定。要塞内に脅威となる敵影なし」
リーマイ副官の言葉にヘーネスが笑顔で答え、床に触れて要塞を直接鑑定した。
「……えっと、じゃあ、僕はそろそろ行こうかな」
ドッキー艦長が静かに呟いた。
「ドッキー特急列車出発進行」
サララがドッキー艦長の肩に乗った。
「サララ、連絡用に演算分体をここに残しておいてくれよ」
「分かってますのよ。いってらっしゃいですのよ」
サラサの分体が手を振った。
サララはAIだ。空間投射機と演算器さえあれば、複数同時に存在可能であった。
「魔族って? エリートリザードマンが入っているのかな?」
「エリートリザードマンは宇宙戦争以降に出現したから、一万五千年前には存在しないはずですのよ」
「じゃあ、どんな魔族なの?」
「さあ?」
「ちょっと、脅かさないでくれる?」
サララとワルキュリアエッダ隊員達が棺の中の存在を推測し、ソフィアが慌てる。
「一万年前の歴史さえ不明瞭なのに一万五千年前って失われた惑星時代ですのよ」
サララが指を立てた。
「きっと魔王」
ウナが首を傾げた。
「え? 無理無理無理。魔王なんて無理。いくら可愛くて才能溢れる私でも魔王は操れない」
ソフィアが後ずさる。
「じゃあ、どんな魔族だったら操れるの?」
「スライムとか、スケルトンとか」
「最弱魔物じゃないですか?」
「あとはボトムオーガとか?」
「艦長じゃないですか?」
「ボトムオーガの出現は宇宙開拓時代以降ですのよ。古代史に関しては私詳しいですのよ」
サララが指を立てた。
「……」
エストスは先程から無言だ。
「……あの」
ドッキー艦長の声には誰も反応しない。
「ソフィアさん。もし魔王を操れたら、魔王を影から操るフィクサーになりますよ」
ワルキュリアエッダ隊の一人がはやし立てる。
「え? そう?」
嬉しそうに笑うソフィア。
「でも流石に私でも魔王は無理かな。せめて八極神聖魔人ぐらいなら」
ソフィアは顎に手をやって答えた。
「え? 誰ですかそれ? 私、勇者系は抑えていますが、そんなキャラ知りませんよ?」
ヘーネスが大きな目でソフィアを見る。
「……辺境魔王シリーズのキャラよ」
ソフィアは恥ずかしそうに答えた。
「え? 今配信してましたっけ?」
ワルキュリアエッダ隊の隊員が無慈悲に質問する。
「かなり昔のビジョンですのよ」
サララ分体が無慈悲に答える。
「そんな昔ではない。最近のはず……だ」
ソフィアが慌てて答える。
「え? 最近って私、古いビジョンも抑えてますが知りませんよ」
「だから最近だと言っているじゃないか。それとも何か? ジェネレーションギャップって言いたい訳? 世代が違うって言ってんの? この私を年寄りだと愚弄するのか? 嫌みか? 苛めか? ちょっと若くて可愛いからって……ああ、そうですよ。どうせ私なんて旧世代の人間なんですよ。今すぐその腕輪を取って私の暗黒面を見せてやろうか?」
ソフィアがヘーネスに手を広げながら歩み寄る。
「いやああ、そういう訳では……」
ヘーネスが後ずさりする。
「私の暗黒面を見せてやろう」
「いやああ、止めて」
逃げるヘーネスをソフィアが追いかける。
「ちょっと今、ここは敵のど真ん中、内戦中ですのよ」
「隊長。シルフアルケミーの対人装備ってどうやって使用するのですか?」
レガードがエストスに質問する。
「……さあな」
エストスはぶっきらぼうに答えた。
「隊長?どうされました?」
「いや別に」
「あの……そろそろ行ってきます」
ドッキー艦長は小さな声でそう言うと主砲をアイテムボックスに収納した。
そして誰にも見送られることなく、自分で開けた穴に飛び込んだ。
「艦長。対人装備兵装ってどうやって使用するのですか?」
「あれ? 艦長は?」
レガードとウナが艦長を探す。
「こそこそと逃げるように、そこから身を投げたのですのよ」
サララの声で皆が穴を見る。
「こそこそってなんだよ。とにかく、敵が来たら食い止めてくれよ」
ドッキー艦長が瞬間共同通信で皆に命じた。
「「「OB」」」
「棺開けてみて」
「え? 待って、まだ心の準備が」
「魔王かも」
「ひいいい」
ワルキュリアエッダ隊の隊員達との会話が瞬間共同通信を賑やかにする。
一方その頃。
ビッグメンター要塞を包囲していた反乱軍は、困惑していた。
オーバーロード個体は消息不明。
シルフアルケニー、ネクロマンサーであるソフィアも行方不明。
そして姿をくらました炎の巫女がビッグメンター行きの連絡船で確認されたのだ。
今直ぐにでも艦隊を送り込みたいところだが、そう簡単にはいかない。
このビッグメンター要塞は主星域の演算制空権の要なのだ。
下手に攻撃すれば主聖域の演算制空権が失う可能性もあるのだ。
即ち、外部からの遠距離ジャンプを許してしまうことになるのだ。
それだけは絶対に避けなければならない。
「ビッグメンター要塞内で高エネルギー反応」
「なんだと? 演算器は無事か? 宙域の演算制空権は?」
「数パーセントが突如消失。主星域の演算制空権の維持に問題なし」
「敵は攻撃に失敗した?」
「さあ? ですが戦艦の主砲レベルのエネルギー反応でした」
「ふざけているのか?」
「要塞内の観測データが何故来ない?」
「分かりません。何者かにハッキングされています」
「要塞のAIは何をしているのだ?」
「システムAIは古代AIだったはずだぞ」
「それより炎の巫女様は無事なのか?」
「分かりません。行方不明のシルフアルケミーの機体も一瞬ですが、確認されております」
「どうなっている?」
「いくつかのフロアが陥没したようです」
「これ以上は分かりません。要塞内に突入するしか?」
「ダメだ、ダメだ。炎の巫女様に何かあったらどうする?」
「待機だ。待機せよ、手を出すな」
反乱軍は大混乱だった。
反乱軍の艦隊はビッグメンター要塞をただ包囲することしかできないのだ。
その艦隊の中に一際目立つ異質な戦艦があった。
円錐形の戦艦はゼブラ模様に覆われ、船首は深紅に染められていた。
王立宇宙艦隊所属、格闘戦艦レッドベヘマスであった。
格闘戦艦。それは文字通り、格闘するための突撃戦艦。
主砲も、防御スクリーンも最低限しか搭載されていない。
ただ巨大なノーズで敵艦に突撃し白兵戦を行うだけの異色戦艦。
格闘戦艦レッドベヘマス艦橋。
「ボス。いい加減にしてくださいよ」
バーカウンターでグラスを磨く大男が振り向いた。
「ああん? もう一杯くれ」
艦長席に胡坐を組んだ大柄の男が空のジョッキを投げた。
「作戦行動中です。この一杯で最後ですからね」
バーカウンターの大男がジョッキを受け取ると、新たな酒を注ぎ始めた。
「ああん? ケチケチすんな。どうせここで待機だろ。飲むしかねえだろ」
「油断禁物です。敵はオーバーロードらしいですよ?」
「ブハハハ。そんな貴族の戯言、本気で信じているのか? 指揮経験もない若造に何が出来る? ああ、気分が悪い。俺にも一杯くれ」
副官席に座る大柄な男が笑った。
「問題なのは貴族よりもオーバーロードのほうですよ。単独で光速で飛行し、防御スクリーンを持つ存在。しかもあの堅物ワルキュリアエッダ隊もネクロマンサーの姉御も、炎の巫女を手籠めにしたって噂です」
バーカウンターの大男は新しいジョッキに酒を注ぐと、牽引ビームで掴んで二人に投げた。
大柄な男は一口でジョッキを空にした。
「まあ、それが本当だとしても、あいつら戦力にはならねえ。人気はあって実力がない軟弱者だからな」
「ちげーねえ」
「「「ブアハハハハハ」」」
大声で笑う艦橋の大男達。
彼らのその手にも空のジョッキがあった。
なんと彼らは作戦行動中の戦艦の艦橋で、堂々と昼間から酒を呑んでいたのだ。
何故かこの戦艦の艦橋にはバーがあった。
勿論、後付けされた非公式のものだ。
食堂にあるオートシェフの装置を丸ごと艦橋に運び込んだものだ。
しかもこのオートシェフは酒専用に違法改造されていた。
過去の銘柄から最新ブレンドまで星系中の酒の銘柄が保存され、瞬時に生成することが可能だった。
オートシェフの改造は食の安全上の問題から厳しく禁止されている。
だが、艦橋を不正に改造することも含めて、彼らに注意する者や咎める者などいない。
いや、出来る者などいない。
何故ならば彼らはハードドワーフのみで構成されたタフガイの中のタフガイ。
泣く子も黙る王国最強格闘部隊アシッドアーマー隊だったからだ。
アシッドアーマー隊。
彼らはあらゆる武器という武器、兵器という兵器を使いこなす。
戦士の中の戦士。男の中の男。
その鍛え上げられた肉体には一万年にも及ぶ格闘技術が叩き込まれ、その拳は鋼鉄に穴を穿つという。
まさに人類最強の男達。
そんな男達に誰が注意できよう? 何が言えよう。誰が文句を言えよう。
彼らは軍の中でも厄介者の筆頭。
だが彼らの戦闘能力の右に出る者はいない。
「まあ、その彼女達が魔族に操られるってのも、眉唾物ですがね」
「本当に魔族に操られたのか? それとも進んで魔族の元に下ったのか?」
「いずれにせよ。俺達の敵となったのだ。丁度いい機会だ。どちらが強いか試してみようか」
「それはいいっすねえ」
「あいつら生意気なんだよな。古臭い戦闘機なんかに頼りよって」
「瓦礫の女王もそうだ。瓦礫がなければ何も出来ない行き遅れネクロマンサー」
「何が炎の巫女だ。占いしか出来ないお嬢ちゃんが、炎だって? 巫女だって? 笑わせるぜ」
「鑑定なんて実在すんのかよ。俺の強さを鑑定してくれないかな?」
「お前なんて鑑定しなくても弱いだろ」
「なんだと? テメー今なんつった?」
屈強なタフガイ達の取っ組み合いが始まった。
「いいぞ、やれやれ」
「もっとやれ」
「艦橋を壊さないでくださいよ、修理となるとバーの設置がバレますから」
バーカウンターの男がグラスを磨きながら、飛んできた男を蹴った。
「お前ら、狭い艦橋で騒ぐな。そんなに暴れたいなら俺が暴れる場所を用意してやるぜ」
「「「「いやっほおおお」」」」
大男達の歓声で艦橋が揺れた。
「はあ。ボスの悪い癖が始まった」
バーレンダーの大男がオートシェフを片付け始めた。
「野郎共。戦闘準備だ。目標、演算要塞ビッグメンター。敵はオーバーロードと裏切り者だ」
艦長席の大柄な男が立ち上がった。
「「「「オールガイ」」」」
「突撃地点。ビッグメンター要塞、陥没区画」
「エンジン点火」
「酒を抜いておけよ」
「「「「OG」」」」
「格闘戦艦レッドベヘマス発進」
「「「ヒャッホー」」」
反乱軍の艦隊から赤いノーズが飛び出した。
格闘戦艦レッドベヘマスが単独発進したのだ。
「こちら作戦司令部。格闘戦艦レッドベヘマス停止せよ。突入は許可されていない」
酒臭い艦橋に司令部からの通信が入る。
「なんか言ってきてますがどうしますか?」
「いつもの通信障害ってことにしとけ」
「OG」
「「「「ぶはははは」」」
格闘戦艦レッドベヘマスがビッグメンター要塞に向けて進撃を開始した。
お読みいただきありがとうございました。
大まかなストーリーに変更ありません。
誤字脱字、読みやすいように修正しました。




