32 ネクロマンサー
ドッキー艦長達が茫然と見守る中、無人戦闘機の瓦礫は指数関数的に増大していく。
半壊した無人戦闘機が合体し、さらに隣の瓦礫と融合し巨大化していく。
明らかに非現実的な光景が繰り広げられていた。
「ネクロマンサーって?」
ウナ機がノーズを傾けた。
「死者を操る能力者のことだよ。だがここには操れるような死者はいない。だから……」
「破壊された無人戦闘機を操っている?」
ドッキー艦長の言葉をエストスが続けた。
「ああ」
「死者なんてリサイクルされちゃうからねえ」
そう。ウナの言う通り、この時代死者は原子分解され生者に還元される。
従ってネクロマンサーが操れるような手頃な死体は皆無。
だが、今この宙域にはドッキー艦長達の無慈悲な攻撃によって大量の無人戦闘機の残骸が漂っていた。
何千、何万、何十万もの残骸が漂っていた。
ここには人間の死体はない。
だが有り余る無人戦闘機の残骸はあった。
ネクロマンサーの能力が開花する条件が揃っていた。
融合された残骸が、折れた主砲を取り込み、半壊した機体が合体し融合し、取り込んだ。
無人戦闘機が無人戦闘機を喰らい、巨大な無機質のモンスターが生み出されていく。
演算器を取り込み、推進器を取り込み、ジェネーターを取り込み、エネルギーキューブを咀嚼し、壊れた推進器が歓喜に震え、咆哮する。
「艦長。シルフアルケミーの速度ならばここから離脱可能かと」
エストス機がドッキー機に並んだ。
「いや。これをこのままにしておけないよ」
ドッキー艦長はウェポンラックを展開し、凶悪な半加速重機銃を掃射した。
残骸がバラバラに吹き飛んだ。
だがその残骸達が再び融合し始めた。
「うわあ。これは不毛な戦いですのよ」
サララが額に手を当て、頭を振った。
無数の残骸が、瓦礫が集まり、合流した。
その速度が徐々に上昇していた。
融合速度が一気に加速する。
破片が、巨大な何かを形成し始めたのだ。
「何だ、これは?」
エストスの機体に巨大な影が落ちた。
それらは躍動し、まるで生きているように波打った。
特筆すべきはその大きさだ。
何十万という無人戦闘機が融合したそれは巨大だった。
キロ級の巨大空母や、戦艦を取り込んだその規模は人類が造りし最大級の規模を誇っていた。
まるでドッキー艦長を恨みを抱いているように凶悪なプレッシャーを放っていた。
ただの機械にそのような人の感情があるかどうかは分からない。
だがそれは明らかに攻撃の意思を持っていた。
動くはずのない関節なき四肢を動かし、針のような主砲が揺れる。
巨大な鎌首をもたげ、巨大な咢を開け咆哮した。
その咆哮に音を伝える物体が何もないはずの真空宇宙が揺れた。
その姿はまるで――。
「ドラゴン?」
ウナ機がよろめいた。
そう、それはまるで古代の勇者物語に登場するドラゴンそのものだった。
だが見た目がドラゴンでも、その身体を構築するものは細胞でも魔力でもない。
それは無人戦闘機の強固な複合金属であり、その牙は戦艦だ。
その目はドーム型母船で、その体毛は主砲だ。
連結したキロ級巨大無人空母が蛇腹のように蠢く。
鱗のような無人戦闘機が光を鈍く反射する。
そうこれは金属のドラゴン。無人戦闘機が集合した金属の機械のドラゴン。
そして腐敗したゾンビのようなその非対称な凶悪なシルエットが星々を塗り潰した。
「メタルドラゴン」
「……ゾンビ」
ウナが、レガードが言葉を失った。
まさにメタルドラゴンゾンビ。
「なんと」
エストスは言葉を失った。
これはそれほど異常な光景だった。
有り得ない非現実な光景が広がっていた。
「あれをメタルドラゴンゾンビと命名するのですのよ」
サララが冷静にシステムに登録した。
巨大な敵を示す光点が灯った。
モニターには、メタルドラゴンゾンビのスペックが踊る。
全長、全高、どれもトールハンマー要塞を凌駕していた。
人が作りし最大級の存在。
「グオオオオ」
メタルドラゴンゾンビが再びその存在を鼓舞するように咆哮した。
真空宇宙が揺れた。
漂うガスがそれを媒体しているのだろうか?
それとも直接脳に響いているのだろうか?
真空宇宙で咆哮が迸った。その咆哮はまさしくドラゴンそのもの。
「吠えた?」
「何か来るのですのよ」
メタルドラゴンゾンビが何かを吐いた。
それはドラゴンブレスではない。
漆黒の反射する質量体。
「あれは質量弾? 無人戦闘機の残骸を発射しました。回避ですのよ」
メタルドラゴンゾンビが無人戦闘機を吐いた。
金属の激流がシルフアルケミーを襲う。
それはまるで宇宙を流れる荒れ狂う濁流大河。
シルフアルケミーの防御スクリーンが、その強烈な衝撃を光子に変換し激しく発光する。
そして最悪なことにその濁流は鳴り止まない。留まることを知らない。
ただ単純に数でシルフアルケミーを叩くだけだ。
戦いは数だ。数は脅威だ。
ネクロマンサーによって慣性や加速や減速がねじ曲げられ、加速したそれは脅威だった。
ドッキー機のウェポンラックが展開し、半加速重機銃が掃射され、迫る先頭の瓦礫を粉砕破壊する。
だがその奥から次々と無限のように現れる瓦礫。
ドッキー機の止まない連続掃射攻撃によって、その無人戦闘機の流れは、一時的にそこで、せき止められ、周囲に拡散する。
まるでホースの水が壁にぶち当たったように放射状に広がった。
だがしかし、粉々に粉砕され、ガス状に散らばった無人戦闘機の微粒子はネクロマンサーによって操作され、再び金属の濁流に参加する。
「……きりがないよ」
ウナが攻撃ビームを振り回し瓦礫の濁流を切り裂く。
ドラエゴンブレスを分断する。
だが止まらない。
「艦長!」
エストスが放ったマイクロミサイルが蜘蛛の巣状に広がり、起爆した爆球が後を追う。
無人戦闘機が、その攻撃範囲内に入った瞬間消えた、蒸発した。
塵一つ残さず原子分解された。
ガスが宙域を満たし視界を覆う。
だがこの攻撃は悪手だった。
微細な金属粒子が煙のように集まり、エストス機に襲いかかったのだ。
エストス機の防御スクリーンが激しく点滅し、その微粒子攻撃を防ぐ。
「ここまで粉砕しても操れるのか?」
「隊長。光子魚雷を撃ちます。退避」
レガード機からドーナツ形の光子魚雷が放たれた。
レガードのコクピットのアップモニターに起爆の表示が現れた。
光子魚雷が爆発し辺り一面を青白い光で覆う。
激しい閃光がエストスの甲冑形パイロットスーツに影を投げかける。
無人戦闘機の残骸ガス雲が消し飛んだ。
微粒子さえ残さず消滅した。
「仕方がない。ネクロマンサーが現れるまで撃ち続けろ」
ドッキー艦長はそう言いながら巨大な何かを取り出した。
シルフアルケミーの周囲に並んだのは巨大な砲身。
その背後には巨大はジェネレーター。
これは超弩級戦艦サンダーゲートの副砲――下級副砲ベーゼスだ。
それも一つや二つではない。
円形状に整列したその浮遊砲台の数は三十六器。
その姿形に見覚えがある三人は攻撃の手を止めて、息を飲んだ。
三十六本の閃光が圧力を持って空間を満たした。
メタルドラゴンゾンビに向かって放たれた破壊の権化。残虐の咆哮。
ベーゼスの怒りの粉砕エネルギーの円柱はメタルドラゴンゾンビの身体を貫通した。
まさに聖なる光に串刺しにされた悪しきドラゴンそのものだ。
何キロにも及ぶ尾を振り乱し、何キロにも及ぶ腕でシルフアルケミーに掴みかかろうとする。
だがしかし下級副砲ベーゼスは止まらない。
そのジェネレーターからの発砲は止まらない。
鳴り止まない暴力の奔流。
ドッキー艦長は浮遊砲台、下級副砲ベーゼスを発射しながら回転させた。
純粋攻撃エネルギービームが弧を描く。
扇状になった攻撃ビームが巨大な要塞レベルのメタルドラゴンゾンビを両断する
袈裟斬り。十字斬り。
切り刻まれるメタルドラゴンゾンビ。
「アルテミスソード?」
エストスが息を呑んだ。
「ははっ。主砲でアルテミスソード? 生意気に」
レガードが言葉を詰まらせた。
「こんな人と二度と戦いたくない」
ウナが首を何度も横に振った。
下級副砲ベーゼスの咆哮が止むと、ズタズタに粉砕され大穴が開いた身体は瞬く間に修復された。
分断された四肢は再結合し、瞬時に元の姿に戻る。
この攻撃がメタルドラゴンゾンビの怒りに火を付けた。
メタルドラゴンゾンビの身体から生える棘のような主砲が全方位に向かって放たれた。
「回避」
「「「OB」」」
アクセルキャンセラーを作動させ緊急回避するシルフアルケミー各機。
メタルドラゴンゾンビが鎌首を振り回し、その巨大な口からドラゴンブレスを吐いた。
だがこれは先程のドラゴンブレスではない。
白熱の高温があった。
超高温、超高圧のプロミネンス。
巨大な口から放たれたそのドラゴンブレスは要塞の主砲に匹敵する規模の強力な大規模攻撃だった。
物理法則を無視した合体攻撃。
戦艦の主砲だとか、エネルギーキューブの残骸だとか、その全てがエネルギーに変換された破壊の総意。
世界は恒星が誕生したかのような眩しい光に包まれた。
回避する暇はない。回避できる大きさではない。
四機のシルフアルケミーは一瞬のうちに飲み込まれた。
だがしかしシルフアルケミーは古代戦闘機。
その強力な防御スクリーンはあらゆるエネルギー攻撃を防ぐ。
その強固な流体フルイド装甲があらゆる攻撃を防ぐ。
数マイクロ秒後、破壊エネルギーからシルフアルケミーが飛び出した。
プロミネンスの尾を引きながら、宇宙空間に四本の光の奇跡をジグザグに描きながら。
「死ぬかと思った」
「どこにそんなエネルギーが?」
「まさか? さっきの艦長の攻撃ビームを再利用している?」
「これ誰のせい?」
「えっと、僕かな」
「正解です。あのメタルドラゴンの内包エネルギーが増大しているのですのよ。攻撃すればするほどメタルドラゴンゾンビにエネルギーを与えるようなものですのよ」
サララが難しそうな顔でそう言った。
「どうするんですか艦長」
「エネルギービームがダメならば」
ドッキー艦長の零番機のウェポンラックが開口し半加速重機銃から質量弾が連続掃射された。
膨大な数の質量弾がメタルドラゴンゾンビに着弾し、円錐状に穴を開ける。
マイクロミサイルがメタルドラゴンゾンビに着弾し爆球を奏でる。
ニードルアローがメタルドラゴンゾンビに突き刺さり、内部にエネルギーの奔流を流し込んだ。
ディザスターマインがメタルドラゴンゾンビの棘のような戦艦に触れて大爆発を起こした。
だがそれは身に纏った鱗のような無人戦闘機が破壊するだけ、ただそれだけだ。
本体は無傷。
いくら攻撃しても不死身の身体には無効。
元々破壊された無人戦闘機を破壊することは無意味。
散らばった残骸が再集合し、傷を癒すように穴を修復した。
まさに不死身。
「ウナ。戦略兵器の使用を許可する」
ドッキー艦長が真面目な口調で言った。
ウナのシルフアルケミーはワルキューレエッダ唯一戦略兵器を搭載した特殊機体だ。
戦略兵器――融合弾。魔幻子融合と崩壊による莫大なエネルギー輻射は人類の最大規模の攻撃力を誇る。
「融合弾頭装填」
「未来予測演算完了」
「起爆タイミングセット」
「融合弾発射」
融合弾が最高のタイミング最適の座標で起爆した。
メタルドラゴンゾンビの巨大なボディを構築する巨大無人戦闘母艦が爆球に飲み飲まれた。
だがしかし――。
「目標健在ですのよ」
サララが指を指した。
メタルドラゴンゾンビが爆球の中から現れた。
そのサイズが少しだけ縮小したように見えた。
「容積減少。融合弾効果あり」
ウナ機が飛び跳ねた。
「このまま撃ち続ければ、いつかは」
レガードが喜びの声を上げた。
「艦長の補給があれば持続攻撃が可能です」
エストスがドッキー機を見た。
「うーん。僕も無限に補給できる訳ではないよ」
「ではどうしますか」
「このままでは弾の無駄だよ。ここは僕に任せてくれ」
ドッキー艦長はハッチを開けて真空宇宙に飛び出した。
勿論船外宇宙服も着用せず生身のまま。
「艦長、お戻りください」
エストスが慌てて引き留める。
「なんか生身のほうが安心感があるのは何故?」
「生意気にも同感だ」
ウナとレガードが能天気に言葉を交わした。
巨大なメタルドラゴンゾンビがドッキー艦長に迫る。
「艦長、援護します」
「大丈夫だ。ここは僕に任せてくれ、待機してて」
ドッキー艦長はアイテムボックスから何かを取り出した。
メタルドラゴンゾンビがその何かに接触した途端。
その巨体が消えた。
巨大質量が消失し宙域は静寂に包まれた。
誰が予測できただろうか?
要塞よりも遥かに巨大な物体が忽然と消失することを。
破壊不可能な存在が消滅したことを。
「え?」
「はい?」
「あれをアイテムボックスに収納したの?」
三人のワルキュリアエッダ隊員が口を開けたままそう言った。
「さすがに僕でも無理だよ。ワームホールで向こう側に送った」
そうドッキー艦長が取り出したのはワームホール。
目には見えないワームホール。
「は?」
「えっと」
「えっと、イリアス。質問なんだがワームホールって持ち運びできるものなのか?」
エストスが堪らずイリアスに問いかける。
「聞いたことがありません。持ち運べるもなにも接触したら転移しちゃいます」
イリアスが遠く離れたシルフアルケミーから困惑した。
「ワームホールの周囲を重力固定しようとも、ワームホールに重力固定は効きませんから、ワームホールは移動できないはずです」
「出来たら銀河間ハブに大革命が起きるのですのよ」
サララの言う通り通常ならばワームホールはその場所から動かせない。
だがドッキー艦長のアイテムボックスは物理法則の向こう側にある。
ワームホールだろうが特異点だろうが、事象の水平線だろうが関係ない。
ドッキー艦長のアイテムボックスについて、真面目に考えるだけ無駄だ。
考察すら無意味。現実に起こったことが全てなのだ。
あれこれ説明して理解出来るものではない。
「か、艦長。このワームホールはどこに繋がっているのですか?」
エストスが大きな目でドッキー機と消えたメタルドラゴンゾンビの場所を交互に見る。
「ダーレンゲートだから魔族領域かな」
そう言いながらドッキー艦長はワームホールをアイテムボックスに収納した。
「え?」
「は?」
「まさか」
そうあのワームホールはダーレンゲートだ。
ドッキー艦長がダーレンゲートを攻略した際、そのワームホールを手に入れていた。
「えっと、どういうこと?」
ウナ機が何度もノーズを傾けた。
「えっとですね……にわかに信じられないかもしれませんが、ダーレンゲート要塞を落とした時にそのワームホールを持って帰ってきちゃったんですのよ」
サララが困惑しながら説明した。
「はあ」
「うーん」
「意味が分からない」
「は? ダーレンゲートが陥落した?」
エストスがドッキー機を見てウナのように首を傾げた。
「ああ、だから暫くの間は魔族の攻撃はないだろう」
ドッキー艦長はそう宣言した。
「いやいや、今なんておっしゃいましたか?」
エストスは大きな目で瞬きをした。睫毛が音を立てる程の瞬きだった。
「超弩級戦艦サンダーゲートの作戦はダーレンゲートの攪乱だったのですのよ」
サララが説明を始めた。
「「「はあ?」」」
「ですがダーレンゲート侵攻作戦が魔族側に筒抜けだったことに気付いた艦長は単独でダーレンゲートを不意打ちで攻略することにしたのですのよ。まあ、色々あってダーレンゲートを破壊し、ワームホールを奪ったですのよ」
「「「……」」」
サララの説明に皆が息を飲んだ。
「……まあ、艦長のすることだから」
ウナが首を振った。
「ダーレンゲートを攻略? 人類の悲願を達成したのか? なんと」
レガードが仰け反った。
「艦長は、私は感服いたしました」
エストスが頬を赤らめた。
「さてネクロマンサーがいるのはどこかな? リーマイ副官。この辺を鑑定してくれ」
ドッキー艦長は遠く離れたリーマイ副官に命令する。
「はいはい。ブレインリンク。宙域鑑定」
リーマイ副官の声がシルフアルケミーに響いた。
「え?」
「は?」
「鑑定?」
「鑑定って炎の巫女様の特殊能力と同じ?」
ワルキュリアエッダ隊員が声を上げた。
「あれ? 言ってなかったけ? リーマイ副官は鑑定持ちなんだよ」
「「「はあああああ」」」
乙女の絶叫がドッキー艦長の耳を打った。
「炎の巫女様と同じ鑑定能力ですって?」
イリアスが遠くから叫んだ。
瞬間通信で全てのシルフアルケミーはサンダーゲートと結ばれている。
リアルタイムでの会話が可能なのだ。
「あそこまで凄くないのよ。私のはね……発見しました。次元ステルス艦発見。座標送信」
リーマイ副官の宙域鑑定によってステルス艦の座標が判明した。
「ありがとう。あとはこっちでやる」
ドッキー艦長はその付近に光子魚雷を撃ち込んだ。
次元ステルスが強制解除され。一艦の小型艦が露呈する。
小型艦は慌てて防御スクリーン起動させるがもう遅い。
「全機突入」
シルフアルケミーが突撃を開始していた
そしてその鋭利なノーズでコア艦の防御スクリーンを貫き、船壁に突き刺さった。
「乗り込む、援護を」
「「「OB」」」
ドッキー艦長はシルフアルケミーから飛び出すと小型艦に乗り込んだ。
即座に無人戦闘機が狭い通路に溢れ、ドッキー艦長の進路を防ぐ。
銃弾とエネルギービームがドッキー艦長に向かって放たれた。
だがそれらの攻撃は突如、忽然と消え失せた。
それを発射した存在ごと掻き消えた。
小型艦の通路が静寂に包まれた。
ドッキー艦長のアイテムボックスに収納されたのだ。
「サララ。船内システムに侵入してネクロマンサーの位置を調べろ」
「もうとっくに完了しているのですのよ」
サララがドッキー艦長の視界に小型艦の船内マップを表示させた。
ドッキー艦長は狭い通路を、シャフトを飛んだ。
その体内反重力器官で高速で飛行する。
無人戦闘機が現れるが、先程と同様アイテムボックスに戦う前に収納する。
そして同じようなことが数度繰り返され、ドッキー艦長はついに辿り着いた。
ネクロマンサーのいる部屋に。
「ここか?」
「ブレインリンクの端末が集まっている部屋ですのよ。隠したって無駄ですのよ」
「間違いないだろう。あの規模のネクロマンサー能力はブレインリンクによる観測を利用しているはずだ。ロック解除」
「オンビットですのよ」
サララが扉のロックを解除した。
ドッキー艦長はネクロマンサーが潜む部屋に入った。
そこにいたのは――。
お読みいただきありがとうございました。
大まかなストーリーに変更ありません。
誤字脱字、読みやすいように修正しました。




