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ネメアの獅子

ヘラ:「あはははは、いいざまだわヘラクレス」

イリス:「ヘラ様、やりすぎですよ」

ヘラ:「なにを言ってるの、私はお酒を飲ませただけ、馬鹿力で暴れたのはヘラクレスよ」


ミケナイにたどり着いたヘラクレスは、ミケナイ王の元へやってきた。

兵士:「王さま、ヘラクレスがやって来ました」

ミケナイ王:「なに!ヘラクレスだと!」

兵士:「いかがいたしましょう」

ミケナイ王:「しばらく待たせておれ」


ミケナイ王は、困惑していた。

これはどうしたものか・・・。

そもそも、何しに来たのだ・・・。

まさか、王位を奪いに来たのでは・・・。

あやつは知っておるのか?

本来、ミケナイ王になるのはヘラクレスだったということを・・・。


ミケナイ王は神殿へ向かい、神託を伺った。

「ヘラクレスに10の試練をあたえよ、お前が王でいたいのならそうする他ない」


ミケナイ王:「やはり、王位を奪いにきたのだな」


広間で待つヘラクレスのもとに、ミケナイ王がやってくる。

ミケナイ王:「久しぶりだなヘラクレス、お前の母アルクメーネは元気か?」

ヘラクレス:「はい、元気だと思いますが、最近は会ってはおりません」

ミケナイ王:「アルクメーネと私とは年は離れているが従姉妹になる」

ヘラクレス:「存じております」

ミケナイ王:「そして、私はお前と同じ年、私の方が少しばかり生まれるのが早かったがな」


かつてゼウスは「ペルセウスの次に生まれた子孫がこの地を支配する」と宣言し、

ヘラクレスを王にするつもりだったが、ヘラの策略により現ミケナイ王のエウリュステウスが先に生まれてしまっていたのだ。


ミケナイ王はヘラクレスを哀れみながら言った。

ミケナイ王:「ヘラクレスよ、お前の気持ちもわからぬではないが王位を渡すことは出来ん」


ヘラクレスには、なんのことだかさっぱりわからなかった。

ヘラクレス:「おっしゃっている事がよくわかりません、私は神の神託によりミケナイ王に仕えに来ただけです」


ミケナイ王は、髭に手を当てヘラクレスの真意を探ろうとする。

ミケナイ王:「そうか、お前がそこまで言うのなら、私に仕えることを許そう。ただし、10の試練を乗り越えることが条件だ」


ヘラクレスは思った。

10の試練を乗り越えたら、仕えられるのか・・・。

神託では、仕えて10の勤めを果たせだったと思ったが・・・。

神託と順番が違うが、俺にはどちらでも同じことだ。

今の俺に必要なのは、生きる目標だ。


ヘラクレス:「ミケナイ王、私になんなりとお申し付け下さい」

ミケナイ王:「それでは、まずネメアの谷に住む獅子を倒してもらいたい、人や家畜が襲われて皆困っておるのだ」

ヘラクレス:「承知しました」


ヘラクレスが出ていくと、ミケナイ王は溜め息をついた。

ミケナイ王:「同じペルセウスの血を引く者同士でも父親がゼウスとなると貫禄が違うな」


ペルセウスはゼウスの子で、そのペルセウスの孫に当たるのが、このミケナイ王エウリュステウスと、ヘラクレスの母アルクメーネになる。

つまり、ゼウスは自分のひ孫になるアルクメーネと関係を持ちヘラクレスが誕生。

ヘラクレスはゼウスの子であると同時にひひ孫でもあるのだ。


ミケナイ王:「さて、ヘラクレスはあの獅子の化け物を倒せるのか?」

ネメアの獅子は、どんな刃物も通さない毛皮でおおわれ、傷つけることはできない。

ヘラクレスが倒すことが出来れば、やつこそが化け物だな。


挿絵(By みてみん)


ネメアの谷に向かったヘラクレスは、家畜をつれて森に入り木の上で待っていた。

家畜がライオンをおびき寄せるエサとなるのだ。


しばらくすると、家畜が騒ぎだした。

ヘラクレス:「でてきたな」

ヘラクレスは獅子が木の下を通るのを見計らい、木から飛び降り獅子の上にまたがった。

獅子はヘラクレスを振り落とそうと暴れまわるが、ヘラクレスはたてがみをつかんで離れない。

ヘラクレスは、そのまま拳で獅子を殴り付ける。ガゴン!ガゴン!


挿絵(By みてみん)


ヘラクレス:「固いな・・・」

獅子の皮はとても厚く、さすがのヘラクレスもどうにもならなかったが・・・。


この転生したヘラクレスは違った、日々ボティービルで鍛え上げていたヘラクレスのパンチは、

想像より遥かに強力で、獅子は次第にもうろうとなり気を失う。

ヘラクレス:「ええと、こいつをどうするんだっけ・・・殺さないといけないのか?」


ここで、ヘラクレスの頭をこんな思いがよぎる、こいつをペットに出来ないものか?

ヘラクレスは、気を失った獅子を担いで、ミケナイにもって帰った。


ヘラクレス:「ご覧ください、ミケナイ王、獅子を生け捕りにしました。」

ミケナイ王:「い、生きているのか?」

ヘラクレス:「もちろんです、今たたき起こしましょう。」

そういうと、ヘラクレスは獅子の顔をはたいた。


ぼんやりと目を開ける獅子

しだいに獅子の焦点が定まり、ヘラクレスを見た獅子は、支配されまいと暴れだした。


ヘラクレス:「こら、あばれるな!」

ヘラクレスと獅子との格闘が、王の広間で始まった。


ミケナイ王の前には盾をもった兵隊がならび王を守る


ヘラクレスは獅子を殴り付けるが、獅子も鋭い爪でヘラクレスに襲いかかる。

お互いの血しぶきが飛ぶ中、殴りあうヘラクレスと獅子。

最後にヘラクレスの右ストレートが獅子のアゴに入り、獅子は足から崩れ落ちる。


その光景に、ミケナイ王は震えあがった。

ミケナイ王:「へ、ヘラクレス、お、お前の強さは良くわかった。だがその獅子は外に出してくれ。」


ヘラクレスは獅子をつれ、しばらく外で待っていると、兵士がやって来て袋を渡した。

兵士:「これはミケナイ王から獅子を倒した賞金だ、それと次の命令だ、レルネのヒュドラを退治してくように。」


ヘラクレス:「今度はヒュドラか、面白くなってきたぞ!」

ヘラクレスは気絶している獅子を担いで町の外に出ていった。



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