あと少しだけ……
冷たい風に煽られて
私の髪が乱れる
あなたの手が
私の手から溢れる別れ際
あなたの袖口を掴む
あなたの大きな手が
優しくて暖かくて安心できる……
だから離れると
ちょっぴり不安になってしまう……
木々はざわつき私の不安を煽る
あなたは私の頭をポンポンとして
じゃあね
と告げる
その言葉が
なんだかとても重たくて
私は力を込めて
袖口を掴む
いかないで……
わがままだって知ってるけど
それでも不安だから……
近くにあなたを感じないと
どうしても不安だから……
もう少しだけ傍にいて……