教会
お久しぶりです。
「中へどうぞ。今はほとんどの者が教皇様の下へいる為、あまり人もいませんが。」
教会の中へ入ると、奥に置かれている女性の銅像が眼に入る。
あれが教会が奉る対象なのだろう。
「この教会は、王都の中でも最大のモノで、1000人の人が入る事ができます。有事の際には集まった1000人が力を合わせ、ここを中心に、他にある王都の教会と結界を張ることができます。流石に黒龍クラスは対処できませんが、魔物の大暴走が起きた時は、結界で王都を守ります。」
「それほどの結界となれば、かなりの魔力を使う事になるのでは?」
「確かに結界はかなりの魔力を使います。ですが、『アジーマ』という世界からきた『トリッパー』が持つ魔法論により、今までの10分の1の魔力で結界を張ることができるようになりました。」
「それはすごいですね。」
「はい。おかげで殉職者も減りました。」
殉職という言葉に違和感を覚えると、それに気づいたレイアが説明をする。
「先程も言いましたが、結界を張る為には、莫大な魔力が必要となっていました。それこそ、魔力が枯渇し、死ぬ者が現れる程。だからこそ、『アジーマ』からきた『トリッパー』には、感謝しても尽きない程恩があるのです。人を守る為、人が死ぬのは悲しみを無くす手段ではないと言われ、魔法論を教えてくださいました。」
よく見れば、銅像の足元に冊子が置かれている。
「あれは殉職した者の名が書かれています。有事の際には、民を守る為に多くの命が失われます。多くの死者によりできた平和を、教会は忘れないように、戒めとして、あのようにしています。」




