別れ
その後、ガイエルが王城へ連絡を入れ、ヴィナの迎えに来た教会の関係者やギルドや騎士団の偉いさんがてんやわんやと集まっては騒ぎだし、収縮がつかなくなる程だ。
何せ、最強とされた黒龍が敗れたのだ。
本来ならば国を上げて祝うべきだが、明日には勇者召喚が行われる。
教皇にはすぐにでも王城へ向かってもらわなければ、召喚の儀に間に合わないという教会関係者からの言葉でひとまず落ち着いたが、それでもギルドや騎士団の者達の興奮は冷めない。
ヴィナとメイアが王城へ向かうなか、優は別れを告げずにその場を去ろうとした。
「優様、どちらへ。」
全員の眼がメイアに向いていると思っていたが、レイアは優に気付いたようだ。
「いえ、どうやら役目も終わりましたので、お暇しようかと。」
「いやいや、駄目ですよ。黒龍の件は驚きましたが、優が教皇様をお救いになられた事に変わりはないのですから。このまま帰したら、私が教皇様とメイア様に怒られます。とりあえず、教会へお越しください。」
そうして、ヴィナやメイアと別れの挨拶をする事なく、レイアに連れられ、王都の教会へ向かう事となった。




