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とりあえず、王都へ

とりあえず、ヴィナの決定に従い4人は王都へ向かう事とした。

先程までと同様、メイアとヴィナが馬に乗り、優がその横を走る。

「大丈夫か!」

馬を操るメイアが、横を走る優、正確には、その優に背負われ、馬と並走する事となったレイアに声をかける。

「大丈ぶわ。ぬー、大丈夫です。」

最後のぶを発する時に、優が小さな岩を飛び越えた為、身体が縦に揺れ、謎の言葉を発する。

いかに教会騎士のレイアとはいえ、走って馬と並走などできるはずもなく、今は優に背負われ、奇声を発しながら未知の感覚を味わっている。

教会騎士とは、王都の騎士団と異なり、教会に所属する騎士であるが、その実力は、冒険者でいうとBランク以上の者しか名乗る事が出来ない。

それだけの実力を持つ者でも、馬と並走など出来はしない。

走り出して30分程、背負われたレイアが色々と諦めの境地に達しかけた頃、大きな壁が見えてきた。

「優、見えてきた!あれが王都だ!」

メイアの声を聞いて、本当に漫画やアニメみたいに壁で囲われているんだなと思ってしまう。

そして、その壁の外側に、金属や革の鎧を纏った者達が見受けられる。

「あれは黒龍対策で駆り出されたきしや冒険者です!」

慣れたのか、謎の言葉を発する事なくレイアが言う。

「集団の前で止まるぞ!」

そう言って、馬を減速させる。

集団は、近づいてきた馬を警戒するが、馬上のメイアを見た教会騎士が声を上げる。

「メイア様!」

集団から抜けて近寄ってきた教会騎士は、その横を走っていた優よりも、メイアと共に馬に乗っていたヴィナを見て、さらに声を上げる。

「教皇様!」

その声を聞いた教会騎士達が、無事なヴィナを見ようと集まり出す。

「悪いが、先に伝えねばならない事がある。ここの責任者は誰だ!」

メイアの問い掛けに、騎士団の中でも最も煌びやかな鎧を身に纏う者が前に出る。

「私がここを任されている。メイア殿。」

「ガイエル老、貴方でしたか。」

ガイエルと呼ばれた老人は、懐かしそうにメイアを見てから、表情を武人としての物に変える。

「して、要件は。メイア殿がご存知か知らぬが、先程近くで黒龍が目撃されている。何故奴が現れたか不明ですが、我らはその対応をせねばいかん。」

「その件だが、大丈夫だ。問題ない。」

「どういう事かね?」

「そのままの意味だ。教皇様を助けるために、黒龍の助力を得た。」

「なんと。」

騎士団や冒険者からざわめきが起こる。

それもそうだろう。

黒龍と対峙するとは、すなわち死と同意義だ。

だからこうして戦力を集め、有事に備えている。

確かにメイアなら黒龍に勝てる可能性がある。

教会騎士達もそれは知っている。

しかし、あくまでも『可能性がある』程度だ。

確実ではなく、十中八九敗けるだろう。

「彼、新たな『トリッパー』なのだが、彼が採取した薬草の中に、『命の葉』があった。それを譲り受け、そのおかげでこうして傷一つ無くここにいられる。」

その言葉に、多くの者が勘違いをしただろう。

優から譲り受けた命の葉を使い、黒龍と戦ったメイアは、黒龍を屈伏させ、力を借りて教皇を救ったのだと。

メイアは嘘を言ってはいない。

一言も黒龍を屈伏させたと言っていないし、優が命の葉を見つけ、譲り受けたのも事実だ。

さらに、平原にいた魔物は黒龍に怯え消え去り、ツツーム達との一戦では、ほとんど話し合いで終わった為、傷などない。

そんなメイアを、まるで詐欺師のようだと思いながら優は見ていた。

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