どうしよう
「申し訳ありませんでした!」
メイアから話を聞いたレイアは、顔を青くして、服が汚れる事も厭わず土下座した。
「いえ、誤解が解けたのであれば問題ありません。」
「誤解であろうと、教皇様をお救いになられたお方に刃を向けるなど、万死に値します。こうなれば、私の命を持って。」
「止めろ、馬鹿者。」
再びメイアの拳がレイアの頭に突き刺さる。
「んげ。」
今度はかなり加減したのか、うずくまる事はなかったが、やはり女性としてどうかと思う声を上げる。
「お前は早くヴィナの無事を伝えてこい。私達はここで迎えを待つ。」
「いえ、教皇様とメイア様、優様はすぐにでも王都へ向かってください。」
先程までの雰囲気が嘘のように消え、どこか怯えているようであった。
「何かあったのか?」
メイアの問い掛けに、レイアは奥歯を噛み締め、意を決したように口を開く。
「先程王都に緊急の警報が発令されました。黒龍が、この辺りを飛び去って行ったそうです。」
その言葉に、メイアは顔を引き攣らせ、ヴィナは眼を見開き、優は我関せずと、空を見ていた。
何せ、メイアと優は黒龍についてヴィナに説明していないのだから。
「もし奴が教皇様とヴィナ様を見つければ、間違いなく殺しにくるはずです。そうなる前に、早く王都へ避難してください。」
「あ、いや、その。」
どう答えるべきか迷うメイアと、我関せずと、空を見続ける優。
その二人に気付かず、ヴィナは自らの左手を見ていた。
そこには、実体は無いものの、優と同じく、聖龍の契約の印が存在する。
「いかに黒龍とはいえ、王都の騎士団や我ら教会騎士が総出でかかれば、討伐できるはずです。皆さんは、早く王都へ退避して下さい。」
「わかりました。メイア、優さん、すぐに王都に、あれ? どうされたんですか?」
ヴィナが二人を見ると、何やら微妙な表情をしたメイアと、やはり我関せずと、空を見続ける優がいた。




