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逃げ出したのは
本日2話目の投稿です。
レッドベア。
一応ギルドの討伐推奨ランクはB。
それもBが5人が一般的な討伐推奨レベルだ。
そのレッドベアが眼の前にいる。
森の王者としての意地が、逃げ出す事を許さず、勝てないと分かっている相手へと対峙する事を強要する。
力の限り行う威嚇には、王者として森に生きるモノを守る為に命を捨てる覚悟と、誇りが込められている。
その姿は、逃げ出した俺からすれば余りにも眩しく見えた。
だから俺は、威嚇を続けるレッドベアに背を向けて歩き出した。
俺との実力差を理解しているレッドベアは、後ろから襲うような真似はせず、王者として、俺の背を見送る。
それが王者との遭遇であり、別れであった。




