32/62
ゴブリン
お久しぶりです。
トライクに乗って東の森へ向かう。
時折ウルフの遠吠えが聞こえるが、近寄ってくる気配は無い。
すれ違う冒険者達はトライクに驚いているが、すぐに通りすぎてしまう為、声を掛けられる事は無い。
森まであまり離れておらず、歩いても1時間程度で着くが、トライクだと10分もかからない。
風を感じて気分転換ができるのは正直助かる。
嫌な時はこうやってトライクを走らせていた。
昔を思い出すと、やはり少し寂しくなる。
それでも、逃げ出した俺に何かを言う資格はなく、今さらアイツラと向き合うつもりもない。
もっとも、向き合う覚悟を決めてももう会うことは出来ないが。
と、そんな事を考えていると、ドン、という音と共に衝撃がきた。
急いで急ブレーキをかけると、前方に緑色の物体があった。
サイズは1メートルを少し超えている程度だろうか。
仰向けに倒れているソレは、醜い顔をしており、頭にあるモンスターの名が過る。
あまりにも有名で、ゲーマーなら誰でもわかるだろう。
そう、俺が撥ね飛ばしてしまったのは、ゴブリンだ。




