ランク決め (帰還)
グレンと別れてランスを目指す。
久しぶりに身体を動かしたから、まだ節々が少し痛い。
道中やはり魔物は襲ってこなかった。
明日の準備も必要な為、急いで街へ向かう。
「お、帰ってきたか。」
門番をしていた男が声をかけてくる。
「ずいぶんと早かったな。その乗り物のおかげなのか?」
「はい。これは馬より速く走れますので。」
「流石に信じられねぇが、事実なんだよなぁ。」
どこか納得のいかない眼でトライクを見ている。
それもそうだろう。
科学技術の発達していないユートピアでは、馬が最速の乗り物だ。
その馬より速く走る物など存在しない。
「『名も無き世界』は魔法が無い代わりに科学が発展しましたからね。ユートピアの人からすれば、科学の方が魔法でしょうね。」
「確かにな。で、どんな魔物を倒したんだ?」
その言葉に冷や汗が流れる。
「えっと、その。」
視線を泳がせ、何と答えるべきか迷ってしまう。
「お前、まさか。」
「すいません。それ以上言わないでください。」
青い顔をして問いかけようとした門番に、追求を拒む。
「まぁ、仕方がないさ。お前がいた『名も無き世界』じゃ、何かを殺すのは忌避されていたんだろ? 俺達は殺す事に慣れているし、そういう環境に育ったから、あまり抵抗はないが、慣れるまで吐いたりしたよ。お前も冒険者として生きる事を選ぶなら、殺す覚悟を持てよ。死ぬのは覚悟の無い奴からだからな。特に経験の無い若い奴は、目先の利益に飛び付いて早死にする。いや、欲に眼が眩むのは若い連中だけじゃないな。」
その後、2、3言葉をかわして優はギルドへ向かった。




