ランク決め (前準備)
翌日、優はギルドの中にいた。
試験の内容が前日にネノから説明されているとはいえ、ユートピアで初めて一人で外を歩くことになるのだ。
ギルドの男達から情報を集める必要がある。
ちなみに、集めた情報をまとめると、北の山の奥に進むほど危険な魔物が現れる。
この一点だった。
何故かというと、北の山には魔素溜まりと呼ばれる場所があり、その魔素を溜め込む量が多い程強い魔物となる。
魔物がどのようにして産まれるのか、長年研究されている内容であるが、判明していない。
生殖による繁殖。
魔素が形となる。
魔素による生物の突然変異。
どれもありそうだ。
とにかく、山の近くで魔物を狩り、すぐに引き返そうと考える。
その為、昨日読み損ねた『魔物情報』でどのような魔物が存在するか、確認する。
魔物は強くなる毎に色が変わる。
弱い順に、白<緑<赤<黒
そして、北の山には4種類の魔物が存在する。
群れで動くウルフ。
水辺に住むスライム。
獰猛なビッグベア。
樹に擬態するエセツリー。
殆どが白しかおらず、ビッグベア以外は全てDランクに該当する。
鈴でも持てば遭遇しないかなと思いながら、ユートピアに鈴があるか分からず諦めた。
「行ってきます。」
ギルドの受付や周りの男達に挨拶をして、ギルドから出ようとすると、会いたくない男と会ってしまった。
「どこへ行くのだ。新たな『トリッパー』。」
ダダイは優を見つけると、そう問い掛ける。
「まだランクが決まっていないので、今から試験に向かいます。」
「ほう。では戻り次第私に報告に来るが良い。ランク次第では仲間に入れてやろう。男であればこの前の女より役に立ちだろう。」
「おい、ダダイ!」
ダダイの言葉に腹を立てた男が立ち上がってダダイに歩み寄る。
「いい加減にしろよ! テメェのせいで若い連中が何人も死んじまってるんだ!」
叫んだのは、初めてギルドに来た時に親身になって話してくれた男だ。
「何を言っているのだ? 私はいずれ勇者の仲間になるのだぞ? その私の仲間になれるのだ。光栄だろう?」
「確かに、神託でテメェは勇者の仲間になることが分かっている。だがな。」
「喚くな。」
静かに、それでいてはっきりとギルド内に響く。
「力無き者が力有る者に従うのは当然の事であろう。消えろ、雑魚が。」
放たれた殺気に、男たちは怯み、後ずさる。
「なら、お前も消え失せろ。」
ゴツっという鈍い音と共に、ダダイが吹き飛ぶ。
壁にぶつかったダダイは、意識を無くしてその場に倒れてしまった。




