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家族

 騒動の原因の説明を受けたネノは、その魔法の威力に頭を痛めた。

 魔法には、その威力から、下級・中級・上級に分けられ、他に数名で行う戦略級や、高位の精霊や魔物が使う特級が存在する。

 優が放った雷は、間違いなく特級に該当する。

「いいかい、優。その魔法は威力が高すぎる。さっきも言ったように、それだけの力を個人が持っていると知ったら、バカな貴族は間違いなく貴方を手の入れようと躍起になって迫って来るわ。それこそ実力行使も辞さない程に。だから、人前で使わないようにしなさい。強い力は周りへの牽制になるけれど、過ぎた力は争いと破滅を呼ぶわ。」

 過去に大陸に名を轟かせた者達があった。

 勇者として召喚され、神の加護を受け、魔王を倒した『トリッパー』。

 しかし、あまりに強すぎた力に脅えた者が、これ程の力を持つ者が人の筈がない。彼は化物だと言い、彼は国を逐われた。

 ギルドを創設し、そこに一切の権力の受け付けないと言い放った『トリッパー』。

 しかし、初めは小さな集まりであった為、見向きもされなかったが、その影響力が強大になると、ギルドは国の管理下にすべきだと焦った貴族達が叫びだし、ギルドを私有化しようとして争いが起きた。

 『名も無き世界』より訪れた、魔法の才能があった『トリッパー』。

 魔法が使える事に歓喜し、その力に溺れた挙句、力を好き勝手に振るった。

 剣の才能に恵まれ、『聖剣』の名で呼ばれた『トリッパー』。

 貴族の勧誘を断り、恥をかかされたと喚き散らした貴族に殺された。

 勇者を化物と呼んだ者。

 ギルドを私有化しようとした者。

 力に溺れた『トリッパー』。

 『聖剣』を殺した者。

 それらは全て処刑された。

 それでも問題は無くならない。

 だからこそ、『トリッパー』への手出しは法により禁止されているが、『トリッパー』自らが配下に入るとなれば話は別だ。

 脅しなど、あらゆる手を使って『トリッパー』を手にしようと、貴族は躍起になっている。

 だからこそ、ギルド創設者である『トリッパー』は、ギルドは一切の権力を受け付けないと定め、ギルドの者達を家族と呼んだのだろう。

 互いが互いを助け合う組織として。

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