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過去
「雷というと、雨の時に起きるアレですか?」
「はい。俺のいた世界だと、風属性の魔法として扱われる事が多かったのですが。」
「残念ながら、『トリッパー』を含め、何人も試しましたが、風属性おろか、他の属性でも雷を使えていません。」
「そうでしたか。ちなみになんですが、もし新しい魔法を思いついた場合、報告の義務や詳細の説明とかありますか?」
「いえ、それは自分の手の内を晒す事になるため、必要ありません。」
「わかりました。それと、かなりうるさくなるかもしれませんので、先に謝っておきます。」
そう言って部屋を出ていく。
優の姿が見えなくなり、ネノは溜め息を吐いた。
「知り合いに裏切られたね。あの若さで。一体何があったのか。」
人に言いたくない過去など、誰もが持っている。
ネノも過去の過ちを誰にも話せていない。
友人との守れなかった約束。
今思い出すだけでも胸が苦しくなる。
そんな風に昔を思い出していると、訓練所から振動と共に轟音が響き渡る。
「何の音だい!」
叫びながら窓の外を見る。
そこには訓練所に空いた大きな穴と、ばつわるそうにしている優がいた。




