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高貴な居候

登場人物

・小笠原 卓也:本編主人公、炎術を少し使う

・桔梗:巫女、女神を内封している

・小笠原 東洲:卓也の父、妻には頭が上がらない?

・小笠原 帰蝶:卓也の母、北ノ院当主の妹

・小笠原 沙織:卓也の妹、部屋ではコスプレしているらしい?

何故か数時間前、男達と大立ち回りした巫女は、今は卓也の家に居て

母親から挨拶を受けていた。

「北山の兄さまからは事情は聞いております。

 桔梗様は、どうか御ゆるりと当家でお過ごしください」

卓也の母は巫女の桔梗に向かって深々と頭を下げた。

父親はニコニコして隣に座っている。

「お袋、どういうことか説明してくれ」

「卓也、静かになさい。桔梗様は当家の大事な客なのですよ」

「帰蝶、そちらの男子はお前の息子なのか?」

「申し訳ありません。物事をわきまえぬ粗忽者でして

 きつく叱っておきますのでお許しください」

「息子殿は、先ほど私を身体を張って助けてくれました。

 どこか怪我をされたようなのですが、大丈夫でしょうか?」

『おまえ、何をしでかしたんだい?』母親は小声で卓也に聞いた。

「息子は身体だけは丈夫なのが取り柄ですので、たぶん大丈夫です。

 卓也、沙織を呼んできなさい」

(俺、身体のあちこちにアザが出来てるのにな)

沙織は卓也の妹。

卓也は妹の部屋のドアを叩く。

「沙織、大事なお客様が来てるから早く降りて来いってお袋が言ってるぞ」

「ちょっと待って、女の子にはいろいろ準備があるのよ」

(妹の奴、いつも部屋でコスプレ衣装なんて着てるから、

 直ぐに出て来られないんだろうな)

沙織が揃った所で母親は話を進める。

「当家は使用人はおりませんので、身の回りの世話は息子達にさせます。

 御用があれば、何なりと申し付けてください」

「ちょっ、ちょっとお袋?」

いきなり巫女様の世話と言われて卓也は面食らった。

「私は学校や勉強とか忙しいし時間ないかも?」

沙織も不満を言う。

妹の場合は単に遊ぶのに忙しいだけなのだろうと卓也は思っていた。

「黙りなさい。お前達は、当分学校には行かなくてよろしい。

 沙織には身の回りの世話。卓也には警固をやってもらう」

「は?」

突然の事に卓也と沙織は顔を見合わす。

「母さん、それは人を雇えば済む事では?」

初めて父親が口を開いた。

「これは、他人に任せられる事では有りません。

 卓也、沙織、頼みましたよ」

母親の独断で半ば強引に決定した。

(親父の奴、お袋には頭が上がらないからな)


「帰蝶、尋ねたい事がある」

「北山の家はどうなったのだろうか?当主殿は無事なのか?」

「我が兄実朝の消息は今の所解りません」

「私と一緒に逃げた楓の事が心配だ。

悪者達に捕まったようなのだ。

どうか救い出してくれないか?」

「解りました。北ノ院の威信にかけてお救いいたします。」


「桔梗様には奥の座敷を使って頂きます。用意を致しますので、暫くお待ちください。

沙織、手伝いなさい」

拓也は桔梗と部屋に残された。

「巫女様、いろいろ質問があるのですが?」

「何でしょう?」

「あなたは何故追われていたのですか?」

「私を追ってきた相手の事は知りません」

「おそらく、目的は私の中の力に関係があるのだと思います」

「力というのは、ムチを持った怖いお姉さんの事ですか?」

「変な事を言うと、サーガ様に殺されますよ」

「あの時、あの・・・俺にキスしたのは何か意味が有るのですか?」

「女神様達を私の意志で自由に呼び出す事は出来ないんです。

呼び出すには、ある一定の条件が有るのです」

「それがキスという事?」


「怖いお姉さんとは誰の事かな?」

何時の間にか、巫女はサーガに変わっていた。

「げっ女神様、まさかさっき話、聞こえてました?」

卓也はサーガに両手を掴まれていた。

「お前、美味しそうだな」

サーガはニヤリと笑う。

逃げようとしても凄い力で押さえられて身動き出来ない。

「フフフ、喰っちゃおうかな?」

サーガは卓也に抱き付き、頬をぺろりと舐めた。


「桔梗様、お部屋の準備が整いました」

帰蝶が部屋に入って来た。

二人は抱き合った姿勢のまま、姿は既に桔梗に戻っていた。

卓也は止まった姿勢で母親と目が合った。

一瞬、場は凍り付く。

「卓也!、お前という子は!、桔梗様に手を出すとは。死んで詫びを入れなさい!」

帰蝶はヒステリックに叫ぶ。

卓也は飛び退いて

「お袋、これは誤解だ」

(しまった。あの女神にはめられた。このままだと、お袋に焼き殺されかねない)

「桔梗様、どうか説明をお願いします」

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