後悔と自責とそれから前進
短編を書いてみました。読んでいただけるだけでも幸いです。
守れなかった。
僕は守れなかったんだ。守りたい。そう思っていた。思っていただけだった。何も伴ってはいなかった。
忠告を聞いていればよかったんだ。覚えていればよかったんだ。戦えばよかったんだ。斬ればよかったんだ。なんとかすれば、できればよかったんだ。そうすれば、守れていたのに。助けれていたのに。今でもあの子は、僕の隣で笑っているはずだったのに。
僕のせいだ。僕が弱かったから。何もできなかったから。何もしなかったから。何もしようとしなかったから。だから彼女はもう、ここにいない。遠く遠く、もう何をしても届かないほど遠くへ行ってしまった。僕が、弱いせいで。覚悟を決められなかったせいで。迷ったせいで。ためらったせいで。
……もう、嫌だ。もうこんな想いは二度としたくない。もう絶対に僕は守る。守り通してみせる。僕の守りたい人を、守ってみせる。そのためには、なんだってする。もうあの子みたいなことには、したくない。
だから! 僕は、誰だって殺す。僕の大切な大切な家族を傷つけようとする奴は……。
神様だろうと、死神だろうと殺してやる。家族の敵は、皆殺しだ。これからはもう一切躊躇わない。欠片も迷わない。家族を不安にさせる奴はみんなみんなどこかへやるから、だから、ねえ、だから……っ。
お願い、戻ってきてよ……。