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をぐらのさうし 巻之弐十六  作者: 小椋夏己
2026年  2月

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お湯の力

 実家の流しの排水の流れが悪くなりました。


 実は、家を建てた時に作った排水の傾斜がゆるいとかで、これまでに何回か掃除というか修理をしてもらってます。作業内容はその時によって違いましたが、洗濯機のところから床下に入ってもらって、場合によってはパイプの悪いところを切って取り替えてと、結構大変な作業です。


 これまではご近所のホームセンターのおじさんと、そういうお仕事をしている職人のおじさんがやってくれてたんですが、ホームセンターの方が亡くなり、もう一人のおじさんも体を悪くしてしまいました。それ以前から、もう二人とも年なので今度はできないかもと言っていて、なんとかつまらないように使っていくしかないかと思っていたんです。お二人がご近所の好意で安い値段でやってくれてたんですが、業者さんが来たら見るだけで数千円はかかるだろうし、作業したらそりゃもういくらかかるか想像もできない。


 それでパイプの通りをよくなるやつを流したり、色々と気をつけてはいたんですが、少し前からまた流れが悪くなってきた。


「このままだとまた前みたいに全く流れなくなってしまうかも知れない」


 完全に詰まってしまう前に、なんかぐるぐるとしたワイヤーみたいなやつを買おうかなと思ったんですが、どういうのを買えばいいのかよく分からない。それでちょっとここにもしばしば出てくるH氏に相談してみようと思いました。


「これこれこういう理由でこういうの買おうと思ってるんだが、どういうのがいいと思う?」


 色々と詳しいんですよH氏。なのでぐるぐるを買う相談をしてたんですが、その時に、


「一度お湯流してみ」


 と言われました。


 パイプをきれいにするのを流した後は水しか流すなと書いてます。それで水をたっぷり流したことはあったんですが、お湯は流すなとあったので流したことはないです。


「やってみる」


 実家に来て、給湯器の最高温度の60度にし、流し台いっぱいにお湯をためて一気に流す!


 一回目にやった時にはちょっとずつしか流れなかったんですが、二回目にやったら、


「ごぼごぼごぼごぼ!」


 といい音がして、


「流れた!」


 これまでゴミ受けをどけてみても一番下まで水が下がらなかったのに、一気に下がりました!


「これはいけるかも」


 念の為にもう一度、流し台いっぱいの水を一気に流したけど、さあっと気持ちがいいぐらいすっかり流れてしまいました。


「感謝感謝感謝感激雨あられ!」


 H氏のおかげですっきりと流れるようになりました!


 どうやらこのところの寒さで洗剤を流したのとかが少々かたまっていたようです。


 それから話していて思ったんですが、


「食洗機って水を流す量が少ないから、うちの実家みたいなところではよけいに洗剤や油なんかが溜まりやすいのかも」


 ともなりました。使う水の量が少ないのが食洗機の売りですが、うちの場合は裏目に出たようです。


 少ない水で流していた洗剤や汚れが冷えて固まっていたのが、それを熱いお湯が流してくれたようです。


 これからも定期的にお湯やパイプすっきりのやつを流し、大掛かりな修理がないように気をつけていきたいと思います。


 何しろ実家は古い。修理に下手をして十数万円とかもっとかかるようなこと、やってもあまり意味がないかも知れないですから。


 なんとかだましだまし、私が仕事できてるうちは使えるようにと思いながら、ごぼごぼの音を心地よく聞いていました。

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