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をぐらのさうし 巻之弐十六  作者: 小椋夏己
2026年  6月

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鹿せんべい売り切れました

 鹿を見たい、触れ合いたいと奈良に行った方の多くが思うことだと思います。私も昨年の秋、正倉院展を見に行った時に鹿と触れ合ったと言いますか、鹿せんべい持ってたら取り囲まれたと言いますか、そういう状況になりましたのでよく分かります。


 その時に、正倉院展の前だったので、とりあえず鹿せんべいを1つ買って鹿様に献上させていただいてから博物館に入り、帰りにまたもう一回と思ったら、


「あれ、あっちでもこっちでももう売り切れてる」


 とびっくりしました。


 まだ時間的にはそこまで遅くなかったはずなんですが、平日の夕方よりちょっと前、そんな早くに売り切れてたのはたまたまかなと思っていたら、どうやら違うようです。


 昨日のテレビでたまたま見たんですが、鹿せんべい不足、慢性的のようです。その原因の一つはやっぱりインバウンドの方が増えたこと。鹿におせんべいあげたいと思う人が増えたのがまず大きいらしい。


 次に鹿せんべいの製造量が足りていない。鹿せんべいって許可を取った工場でしか作れないとかで、せんべいをまとめてある紙が印紙のような役割を持っているぐらいです。その紙自体も鹿が食べて大丈夫なものを使ってるし。


 その工場がフル稼働で今の状態、いっぱいいっぱいだとか。今は元の半分以下の数になってしまって、そうそう新しい工場を増やすというわけにもいかないんでしょう。どこにでも作っていいよと言うわけにはいかない、ちゃんと分かっている工場にしか作ってもらえないものなので。


 そんな中、鹿せんべいの穴場があるとやってたんですが、それは普通の売り場じゃなく販売機でした。ただその販売機、高いんです。普通の鹿せんべいが10枚200円で売ってるのに、販売機のはなんと1000円! 五倍だ! それでもいいからと思う人だけが買うみたいですが、そりゃなかなか売り切れないですよね、それじゃ。なんでそこまで高いのかは分かりませんが、まあ必要な方はぜひそちらで。販売機のメンテナンスとか色々と費用も必要なんでしょう。


 さらに、鹿の絶対数が増えてることも理由らしい。たくさん人が来ておやつの鹿せんべいをあげるもので、栄養状態がよくなって増えてます。今は戦後一番多い状態らしい。


 奈良の鹿は神様のお使い、その鹿が野生でうろうろしている、そこが珍しいとは思うんですが、もしかしたらせんべいがないから勝手に他のおやつとかあげてる人もいるんじゃないのかなあ。だめだって言われてもやりたい人はいると思うし。


 鹿せんべいの製造量を増やすと鹿もまた増える、鹿が増えたらせんべいが足りない。でも鹿せんべいってご飯じゃなくておやつなんですよ、あくまで。だから無理やり鹿せんべいの製造量を増やすってのも、必要がないようにも思います。


 今年の秋もできたら正倉院行きたいけど、その頃にはどうなってるだろう。行ったらやっぱり1回はおやつあげたいですもんね。行くことになったら様子を見てきます。

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