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彼とか彼女とか。代名詞使い慣れて無くてちょっと自分の中で違和感を感じながら作ってた。いつもなら名前があるからね笑 新しく●●●が出てくるけどこれは男友達の方の名前ねー あ、▲▲▲は女友達のほうねー
──人前で...泣いてしまった.....。
冷静になって気づく。ちょっと恥ずかしい。周りに気づいている人が少ないことを祈る。
これまでで情緒が不安定になった過去は、0じゃない。むしろ多い。
でもいつもの涙とは違うように感じた。どこかでなにかが弾けたような。
止められずにただ溢れ続ける涙。あの情は、いったい何と呼べばよかったのか。私にはわからない。
「...さすがに落ち着いた?」
今は、放課後。他の生徒達は皆帰ったか部活に行ったかで教室には彼と彼女と私だけ。
話しにくいことなのかと察した彼が、放課後で話そうかと提案してくれた。放課後までに気持ちを整理しててね、と。周りに人がいるからというものもあるけど、そういう時間も必要だと思ったのだろうか。実際、あの時から十分に落ち着けている。
「......」
「うん」とか、「落ち着いた」とか。なにか肯定を示すつもりだったのに。
何も言えなかった。無視するつもりではないから静かに首を少し縦に振り、頷く。
言葉が出ない。
それも、私にはどうしてかわからない。
ていうかさっきからもはや思考放棄している。何もわかんない。わかんないわかんないわーーー
「少しは落ち着いてるっぽいね」
「大丈夫?■■■■。話してみる...?てか話したくない?」
大丈夫かな。...話して、友達じゃなくなってしまうのは悲しい。
....話したほうがいいんだろうなそのほうがきっと、生きやすい。
でもそれは、相手が受け入れてくれる前提の話。
「話したくなければそれでいいんだけど...」
言わなければいけない。あの「いつも通り」にピリオドを打つには。
流石にもう、いいよね。苦しまなくても。
だから、言わなくちゃ。
「.....っ、あ.....っ、......」
あれ。
「....?」
「大丈夫?無理しないでも、」
あれ?
「■■■■...?」
また、視界がぼやけ、頬に何かが伝っていく感覚がする。
無理なんかしてない。言葉は、台詞は頭でできてる。喉に詰まって声にならないだけだ。
「.....、.......」
なんで
「.....っ...」
どうして
.....やっぱり私は───
ガタッという音とともに席を立つ。
「....■■■■?」
「え、ちょっ」
「■■■■!?」
気づけば、ただ一人廊下を駆け、もう教室にはいなかった。
───やっぱり私は、苦しむ運命なんだ。
*
空は青く、太陽は私に別に求めてもいないむしろ不要な暑さをくれる。真っ青な空に大きな雲があるだけで、夏の絵になり、季節だなと思わされる。太陽の熱に対し、髪をなびかせる風は案外気持ちいい。
私は、こんな景色を見て、風に吹かれるために屋上に来たのか。別になんの気持ちも湧いてこないし、涼し気な表情にはまるで太陽からの熱を受けてないと思わされる。
...私は、あの場から逃げ出してしまったのだ。気まずかったのか。やっぱり知られたくないという意思が芽生えたのか。
『「私」の勇気がないだけじゃない?』
そうだ。私には勇気がなかったんだ。引かれたくないからって、誤魔化して。声にならないだけだって、何かの所為にして。あの空気感からだけじゃなく、私の本心からも逃げてしまっていたのかもしれない。
いつかボロが出てしまわないように。
気づけば止まった思考が動き出していた。
....後悔してるの?逃げ出してしまったことに?
いつもの私なら、深入りされる前に逃げられたことを良しとしたはずだ。これで良かったんだ、皆を巻き込まずに済んだと、そういう結末で満足していいのに。
チクッと胸が痛む。
そういえば、彼らと友達なんて私はいつから思っていたんだろう。そんな実感なかったのに。それに、友達じゃなくなってしまうのが悲しい?偽って、本当の自分でいられないような立場の人と、友達でいるために必死になっていたの?
そう考えていると、更に「後悔」を後押しされてくるように感じ、またチクリと突かれる。
これで良かった?そんなのひどいじゃないか。認めるべきだ。知らぬ間に友達だと私から受け入れたことを。その関係を知らぬ間に大切に思い、壊したくないと願っていたことを。私の知らないところで、わずかでも、また、強くとも、「私は私でありたい」と、ガラスケースを破り、見事な色彩に満ちた世界に包まれることに、私は焦がれていたんだ。
このまま逃げてばかりでは、ただただ器から幸せは零れ続け、それをただただ眺めることしかできずにいる。何も変わらず、これまでと同じように。命が尽きるまで。
そんなのゴメンだねと、奴らの「当たり前」を求め、妬むだけなのではなく、初めて 私にとっての「当たり前」を強く拒絶できた。そんな機会を横目に眺めるだけで通り過ぎていくのにはもったいない。
偽りの自分を終わらせることが、まずは最初だ。
屋上の柵の向こうから、高さを思い知らすかのようにはるか下にある中庭が瞳に映る。私の悩みは、死んでしまえば全て解決する。死んでしまえば、私の中の異物をすべて洗い流す事ができる。この高さならできると思う。
それでも、足がすくむ。勇気がないからかもしれないけど、まだ死ぬなと自分が自分に言っているように感じる。
これからの未来に期待していたい。そう思う私がいるのがわかった。
きっと彼らなら、受け入れてくれる。
もう、逃げない。今度こそ、私は
*
「....あれ」
屋上から教室へ向かう足取りは決して軽くはなかった。今まで、悩みを誰かに話したことなんてないし、言葉が詰まってしまうという失敗までしてしまっている。
私の心臓がうんざりするほど大きく聞こえた拍動は、教室に近づくにつれ頭から離れていく。
教室には誰もいなかった。
そりゃ、そうか。帰っちゃったか。ならもう....いっかな。心配かけたんじゃないかなと思ってたけど、そんなにだったのかな。
....て、めげちゃだめだ。
私は、両手で自分の頬をぺちぺち叩く。覚悟決めたんだ...ちゃんと、嘘つきな自分に区切りをつける、!
教室を出て、カバンを背負い直す。
2学年の教室からは正門より裏門の方が近い。私達の教室は2階にある。そこから階段を降りればもう外。門はもうすぐそこだ。
あとは、門までの道を一人寂しく歩く。
寂しい...なんて思うのはいつぶりだろうか。そう思うと、友達というものに救われたんだなと、しみじみ思う。
「あ!■■■■ー!」
名前を呼ばれて振り返る。顔を見て、私を呼んだ声が聞き覚えのある声だったと気づく。
彼女が大きく手を振って、こちらに向かって走ってくるのが見えた。
彼がいない。
「やっと見つけた...●●●と一緒に探してた。急にどっかいっちゃったでしょ?」
二人が教室にいなかったのも、彼が今ここにいないのも、私のことを探していたからだと理解する。
帰ったんじゃなかったんだ...。
あそこで、勝手な勘違いのせいでめげたままになっていたら、私はどうなっていたかな。
そう思えば、目元が熱くなってくる。
「●●●に見つけたって言わなきゃ。」
そう言い、彼女はスマホを取り出す。目元の熱をぐっとこらえて、彼にメッセージを打つのを遮って私は言った。
...人は少ないほうが話しやすいのかな。
「▲▲▲。」
「ん?」
言うんだ。
「...あのね、!」
私はもう、大切な友達を騙したりしない。
全部話した。性のこと、周りのことを妬ましく思っていたこと、ずっと鬱だったこと、嘘をついていたこと。
話すことができた。話してる最中ずっと心臓バクバクで、時々言葉を忘れてしまったり、単語だけで文をつなげたりしてしまった。
「....そうだったんだ、辛かったよね。」
やっぱり、受け入れてくれた。きっと彼も同じ。この人達となら、悩みのことなんか忘れて、ずっと幸せでいられる、そう私は感じてしまう。
「わかるよ。」
「....え?」
予想していなかった言葉に、固まる。
「僕も同じ。」
え??同じ?え、てか...僕??
「大丈夫。■■■■の苦しみ、全部分かったよ。同じだから。」
急すぎる展開に頭が追いつかない。
彼は、大丈夫大丈夫と囁く。瞬間、私の人生の汚点だけが切り取られて脳内で再生され、何度目の涙が目から零れる。
この涙は何...?私は何に心を揺さぶられているの?
「...大っ...丈夫...な、わけ...ないっ、から」
私はなにかに動揺してるっていうの?
ちゃんと、気持ちを整理して、ちゃんと言うと固く決意しても、感情が乱れてしまえば、思ってもいないことを、吐き出してしまう。
「全然っ...わかって、ない.....」
だめだ、制御できてない。
「うそつきっ...」
なんで、そんなこと思ってなんかないよ。嘘つきは私のほうだから
「いきているだけで...くるしかった、てのにっ.....なにがっ」
やめて、「私」
「なにが...」
やめて
「なにがだいじょうぶ───」
ぎゅっ
「え、?」
「まだ、嘘ついてる。」
彼は、彼の言葉を言う。
私の頭を包み込むようにして、私のことを抱く彼。どこか懐かしいようで、すごく安心する。
自然と心の震えは少しずつ収まっていった。
....お見通しなんだ。私が、思ってもないこと言ってるって。それを止めたいことも、私の傷の深さも。
あぁ...どうしてこんなにも彼といると安心しちゃうんだろう。
彼は私が落ち着いてきたことを確認すると、すっと手を離す。自分一人だけの頼りなさが私の胸を深く刺した。ずっと、このままでいたかったのだろうか。
途端、頭に一滴、水滴が落ちてきた。...天気雨かな?
「ありがとう、■。■のおかげで、僕も救われた。やっと、言えたよ、」
頬を薄っすらと濡らした彼は、少し赤らめ、引きつっているようにも見える顔で穏やかに微笑んだ。今までこんなにも惹かれてしまう笑顔を初めてみたような気がする。
ありがとうなんて、私の台詞だよ...。
「自分とおんなじ立場の人がいるだけで、こんなにもすんなり言えちゃうんだね。」
彼は、濡れた頬を拭い、言った。その仕草から、頭に落ちた雫が彼の涙だったと気づく。
そっか、私より身長高かったんだ。
「ありが、とっ」
なんだか久しぶりに感じる声は、思いのほか乾いていて、掠れていた。
「あ、そうだ。●に見つけたって伝えないと。」
一度しまっていたスマホをもう一度取り出す。
それをまた、遮る。
「あ!おーーい!」
今度は私ではなかった。
■とか▲とか●とかややこし~~ きっと読みにくいですよね 次からちゃんと名前考えます 途中からめんどくさくなって、■▲●それぞれ一つずつしかないけど気にしないで。名前の文字数だったけど、名前無いし。いいよね




