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第5話 ターゲット

ペルシャは子供だという声に何気なく、落ち着いて静かに口を開いた。


「もしかして··· マルキさんに脅されたことはありますか」


コーラルの表情は一瞬こわばった。 眉が少し震えた。 しかし、すぐに微妙に笑いながらうなずいた。


「あったね」


その言葉にペルシャは一歩近づいた。


「どんな脅迫でしたか?」



コーラルは視線を下に落とし,再び上に上げてペルシャを見た。


「…まだそんなことまで気にする年ではないようだが、チビはおもちゃで遊んでばかりいる」


コーラルは振り向き,ドアを閉めようとした。 すると、静かにペルシャの後を追ってきたルイは、こっそりと言葉を投げた。


「おい、ちびっ子だなんて。 この年寄りが」


コーラルはそれを聞いてドアを閉めるのをやめた。 ゆっくりと首をかしげ、ペルシャはルイの声に対抗して小声でささやいた。


「静かにして···」


コーラルはため息をつき,ペルシャを見た。 そして低い声で一人でささやいた。


「ハルデンみたいだな…··· 大きい、ここで話すにはちょっとあれだから入ってこい」


戸を開け放した。 ルイとエドリックはペルシャの後を追って慎重に中に入った。 コーラルの家は狭くて暗かった。 しかし、片方にストーブが暖かい熱気を噴き出しており、あちこちによく整えられたティーカップと本が置かれていた。 コーラルは椅子に座り,ゆっくりと口を開いた。


「旅館の主人はいつか死ぬと思った。 私を裏切る時から気づいてたんだから?」


コーラルの言葉は奇妙だった。 ペルシャはコーラルの態度に一瞬ためらった。 人々が話していた「優しくておとなしい」ということはどこにもなかった。


「はじめから説明してください」


ペルシャの言葉にルイは横で首をかしげた。 短いといえば、短い同行の間、ペルシャの決断力のある言葉を初めて聞いたのだ。 ヌニチには若干のセレムと感嘆が込められていた。 コーラルはそんなペルシャをしばらく眺めてから、微妙な笑みを浮かべた。 興味を持ったようだった。


「うん、じゃあ私がこの町に来た時から始めるよ。 まず、私は旅館の主人であるミルキィと一緒にこの町に来た。 殺人事件について調べようと思って」


「どこの村からいらっしゃったんですか?」


「風の村。 ご存知のように、あなたでもこの文章を一度は見ただろう。」


コーラルは肩の上の服を軽く反らした。 その中には翼と刀が交差した銀色の紋章が刻まれていた。 しかし、ペルシャは渋い顔で言った。


「初めて見ますが···?」


コーラルは一瞬ためらった後、あっけないように目を丸くした。


「え?まったく···?」


ペルシャはゆっくりと向きを変えてルイをにらみつけた。 ルイはぎくりと口を開いた。


「ああ、当然知っていると思って言ってくれなかったのに…···」

コーラルはがっかりした笑みを浮かべながらエドリックとルイを交互に見つめた。


「こいつ··· 一体何なの??」


コーラルの声には当惑と好奇心、そして若干の恐怖が混ざっていた。 コーラルはしばらく言葉を続けることができなかった。 ペルシャの顔を眺め、すぐに両手で頭をかきあげながら重く言った。


「お前··· もしかしてどこかに閉じ込められてたの?」


コーラルの声はいたずらや嘲弄ではなく、当惑と真心のこもった心配が入り混じったようだった。 コーラルのピンク色の瞳がペルシャの顔を注意深くスキャンした。 ペルシャは必死に目を避けて、コーラルの質問に違うという目つきを送り、コーラルは咳払いをした。


「そう··· まあ、そういうこともあるよね。 ああ。」


コーラルは深呼吸をした後,真剣に話し続けた。


「よく聞いて、風の村は人の潜在的な能力を目覚めさせるのを助けるところだ。 私は風の村で生まれ、早くに能力を目覚めさせた。 私の能力は活用系である···」


それからこっそりとペルシャを見下ろした。 まるで「まさかこれも知らないわけではないだろう」という目つきだった。 ペルシャはその視線を感じ、表情が少し硬く、気まずい姿だった。


「はいはい。知りません、知りません…···」


コーラルは予想した反応であるかのようにため息をつきながら言った。 すると静かに隣に座っていたエドリックがこっそりと割り込んできた。 コーラルの顔色をうかがっていた彼は、ペルシャに向かって静かに説明を始めた。


「私が説明してあげる。 能力は大きく5つの系列に分かれる。 精神系、空間系、自然系、物理系、そしてこの4つに属さない能力は活用系に分類される」


コーラルはエドリックを見てうなずいた。


「おお、説明が上手だね。 あなた、意外と気に入ったか?」


エドリックはびっくりして口角を少し上げた。


「とにかく」とコーラルは再びペルシャを見つめながら続けた。


「私の能力は『千里青(千里青)』だ。 遠く離れた場所の音を聞くことができる」


ペルシャは首をかしげた。 疑問が生じたように眉をひそめた。


「ところで、それでは…··· 精神系じゃないですか? 聞くなら感覚のほうじゃないですか?」


コーラルは微笑みながら首を横に振った。


「そう見えるだろうが、私の能力は少し違う。 私が聞こうとする音、私が集中した対象の音だけ聞くことができる。 私の意志が介入するので、精神系ではなく活用系に分類される」


ペルシャはゆっくりとうなずいた。 ある程度納得したように見えた。


「これから重要な話をするよ」とコーラルは言いながらテーブルに腕を上げ、体を少し前に傾けた。」


「みずきは私の能力を生かしてこの村の連続殺人事件を解決しようとした。 しかし、あの子は能力がなかったんだ。 私にだけ依存した。 私なしでは情報を得ることができなかったの。 それで結局··· 別の方法を使うようになったんだ」


「脅迫」


ペルシャは低い声で入り込んだ。 コーラルは驚いたようにペルシャをちらりと見て,うなずきながら続けた。


「うん。連続殺人犯を探すために…··· マルキは人々を脅迫した。 この村の住民を一人ずつターゲットにし、弱点を突き止め、脅かした。 どんな形であれ、情報を得るためなら手段を選ばなかった」

「そうか、結局連続殺人犯の目に入って…···」

「そう。私もその頃感じた。 あの子、いつかは死ぬって。 裏切った時から」


その言葉にペルシャの目が大きくなった。


「裏切り?」

「うん、みずきは私の能力をもう信じなかった。 私を通じて情報を聞くのは信頼できないと、正直それほど驚くことはなかった」


一瞬の静寂が流れた。 その静寂の中で、ペルシャは複雑な感情が入り混じった顔でコーラルを眺めた。 そして聞く。


「次の連続殺人事件のターゲットが···… コーラルさんかもしれませんね?」


ペルシャは低い声でコーラルを見た。 コーラルはしばらく静寂を破るように短く息を吸い、苦笑いしながら言った。


「そうだね。もし犯人がこの町に居ていたら、次は私だっただろう」


彼女の視線はペルシャに届いた。 その中には妙な人情と興味が混じっていた。


「でも私は··· 犯人が誰か知っている」


その言葉に一番先に反応したのはルイだった。 彼は目を見開いて尋ねた


犯人を知っているんですか


彼の声には驚きと同時に怒りのような感情が混ざっていた。 誰かを殺した者を知っていながらも言わなかったという事実が、彼には理解できなかったのだ。 コーラルはルイの感情を毅然とした顔で受け入れ,静かにうなずいた。


「うん。誰だか知ってる。 でもじっとしている理由は犯人の目的が何なのか気になって。」


コーラルの声は穏やかだったが,その中には冷静な計算があった。 死を前にしても驚かない人だけが持てる落ち着き。 ペルシャは眉をひそめて尋ねた。


「では··· 犯人は今どこの村に行きましたか。」


その質問にコーラルはにっこり笑って答えた。


「なぜ、犯人を捕まえるというのか? いや、目的を明らかにするってこと?」


コーラルの口元に嘲笑のような笑みが浮かんだ。 言葉は皮肉だったが、どこか期待する感情が混ざっているようでもあった。 しかし、ペルシャは退かなかった。 むしろ瞳を輝かせながら正面を眺めた。


「じゃ、手伝ってくれないと思いましたか? 手伝ってくれなかったら、そもそもあなたの家まで来なかったでしょう」


コーラルはその言葉にしばらく口をつぐんだ。 そして、すぐに、本当に笑った。 短く、本気混じりの笑い。


「…能力もないのが本当に唐突だね。 すでに他の村に発った犯人をどうやって探そうとしているの?」


今度はペルシャが立ち止まった。 そこまでは考えられなかったのだ。


「あ···… どこに行ったのか知っていますか。」


コーラルは答えず、ゆっくりと椅子から立ち上がった。 そして隣にあった小さなかばんを持って言った。


「調べようとした時、君たちが来たんだ。 おかげで逃したんだ」


彼女は肩をすくめた。 無責任そうでありながら、どこかあきらめたような声だった。


「君たち··· やることないよね? やるべきことがあって、こんなに余計なことに関わってはいないだろうし。 一緒に行く?」


ペルシャとルイは同時に頭を上げた。「どこですか」とルイは尋ねた。 コーラルは軽く微笑んだ。


「パラムマウル"。 私の故郷」


窓の外ではまだ雨が降っていた。 しかし、コーラルの言葉とともに部屋の中には妙な緊張感と新しい決心の空気が広がった。 ペルシャは静かにうなずいた。 コーラルは一行に向かって軽く肩をすくめて言った。


「なに、荷物ある? なければすぐに行こう。」


するとペルシャは軽く笑って首を横に振った。


「私はいつも持ち歩いているので、持っていくものがありません」


ルイとエドリックもうなずきながら言った。


「別に持っていくものはありません」


話が終わるやいなや、皆が準備しておいたレインコートを取り出して着てコーラルの家を出た。 依然として雨は静かに降っていて、村特有のぼんやりとした霧が街ごとに染み込んでいた。 コーラルは道を出るときゆっくりと口を開いた。


「風の村はここから少し遠い。 歩いて行くとなると、なかなか大変だよね」


エドリックはその言葉ににっこり笑って答えた。


「あ、それは心配しないでください。 移動手段は雨の村の外に置いてきたので、それに乗って行きましょう。」


予想外の返事にコーラルは目を丸くし、すぐに口元に感嘆の笑みを浮かべた。


「あなた本当に気に入った。 利口なやつだね」


彼の話し方には茶目っ気と好感が混じっていた。 静かな雨音の中でも、一行の間の雰囲気は次第に軽くなっていた。 ペルシャはコーラルの言葉に目を半分閉じたまま独り言を言った。


「……じゃあ、他の町まで歩いて行こうとしたの? 一体何をしている人なんだ···?」

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