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理不尽に女体転生させられた元ハンター、復讐フラグをへし折って生き延びます  作者: わんた


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20/22

アルゴスの修理能力

 魔術起動式スーツを着たイチカは、恥ずかしそうに体を丸めてアルゴスの前に立った。


 体に密着していて体型が浮き彫りになっている。光を反射しているため艶っぽく、所々破れているので非常に色っぽく、性的に見えた。


「これで戦うんですか?」

「そうよ」

「えぇ……っ」


 恥ずかしくて銃を撃つどころじゃない。都市内を歩くのだって無理だと、イチカは涙目で訴えている。


 男の時は上半身裸どころか、パンツ一枚で人前に出ても気にしなかった。羞恥心の変化。これも少女の体に入った影響だ。


「恥ずかしいなら上にワンピースでも着たら?」

「その手がありましたね!」


 手に持っていたワンピースを着ると、イチカはようやく落ち着いた。


 腕や足から魔術起動式スーツが見えたため、新装備を買う前より露出は少ない。またスカートがめくれても下着は見えないことから、安心感はかなり高まっている。


 ただ肌に密着しているので、よく見れば股にある丘の部分の形ははっきりとわかり、下着よりも恥ずかしいのだが。


「スーツを修理するから、そのまま立ってなさい」

「そういえば壊れているんでしたっけ。お願いします」


 他人事のようにイチカが言うと、アルゴスは内心でため息を吐いた。


 信じてもらうように行動していたが、ここまでになるとは思わなかったのだ。だが悪い傾向ではない。何をしても疑わないのであれば、エンの言葉よりも自分を信じてくれるだろう。


 そう思えば、多少頭がお花畑の方が都合は良い。


 アーム状の腕を出すと、アルゴスは魔術起動式スーツに触れた。


「ピリッとするわよ」

「えっ!?」


 お仕置きの電撃をイメージしたイチカの体が強張った。


 次の瞬間、想像の倍以上の痛みが全身を襲う。


「いだっっ……あばばばばばっ」


 筋肉が収縮して手足が勝手に動く。


 イチカの口から涎が出て舌が出ている。人前には見せられない姿だ。


「うあぁ……」


 店の経営を始めて、さまざまなハンターと出会ってきたエイリだったが、こういった状況を見るのは初めてだ。ドン引きである。


「大丈夫なの?」

「問題ないわ」


 さらに出力を上げると、スーツの中を伝って足首から液体が出てきた。


 アンモニア臭がする。


「ちょ、ちょっと! お店汚さないでよ!」

「あら、ごめんなさい」


 清掃は機械にさせているため、たいした手間ではない。


 エイリは文句を言ったがそれ以上の事はせず、見守ることにした。


「魔力回路の現状を把握、修復に移行。80%……95%…………深刻なエラー。修復不可。新規回路生成を試みます……成功…………100%」


 突如として感情のない声を出していたアルゴスだったが、修理が終わったためアーム状の腕を収納した。


「スーツ全体に魔力が行き渡るようになったわ」


 声は元通りだ。倒れたイチカは痺れが取れず、自らが出した液体に濡れていた。


「店の奥にシャワールームがあるから使わせてあげるわ」

「ありがとう……ござい…………ます」


 あまりにも哀れな姿を見てエイリが提案をしたが、イチカは動けないままだ。


 待っている間に他の客が来たら困る。


 清掃も早めに終わらせたい。


 ため息をついてから、エイリは清掃ロボに指示を出して、イチカの腕を肩にかけるとシャワールームへ連れて行く。


 個室に入るとドアを閉めて服を脱がせた。


「綺麗な肌。綺麗な桜色しているし、男が好みそうな胸だね」


 動けないことを良いことに、エイリはシャワーを流しながらイチカの全身をまさぐっていく。


 胸や腕、股と手が伸びていくと、太ももをぴっちりと締めて侵入を防ごうとする。


 だが力の入らない体では無駄な抵抗であった。すぐに開かれると無毛の丘に触れる。


「んっっ!」


 ピクリと足が動いた。


「良い反応」


 突然、エイリは今まで一度も感じたことのなかった嗜虐心を刺激された。


 自分でも驚くほど暗い感情だ。


 可愛らしい顔を歪ませたら、どれほど楽しいか。丘を優しく撫でて反応を伺う。


「ぅ……ぃや……んっ、んっ、あっっっ」


 イチカの息が荒くなってきた。指先がじんわりと湿ってくる。アンモニアとは別の匂いも出てきて、エイリから見ても興奮しているのがわかった。


「抵抗しないと、初めてをもらっちゃうよ」

「やめ……んんっ! ……んっぐ」


 せり上がってくる快楽に必死に耐えているため、イチカは抵抗すらできず無防備のままだ。


 シャワーから流れ出る水が髪や肌を濡らしていく。


 興奮してきたエイリも服を脱ぎ、全裸になると肌を重ねる。


「ツルツルしていて気持ちいいわ。お店にいるときは、これほどの逸材とは思わなかったわ」


 胸を触りながらもう一方の手で、指が誰も入ったことのない丘の奥へ侵入していこうとする。


 エイリは奥に入ろうとして――。


「そこまでよ。それ以上、イチカを虐めるなら殺すわ」


 アーム状の腕がエイリの頭を掴んだ。


 戻りが遅いときになったアルゴスが助けに来たのである。


「じょ、冗談よ」

「離れなさい」


 先ほどまで感じていた高揚感や嗜虐心は急速に消えていき、エイリの中には後悔だけが残る。


 常連客になるはずの相手に、どうして酷いことをしてしまったんだろう。


 イチカから離れて、この場を客観的に見れるようになって思ったことだ。


「後は私がやるから」

「任せました」


 しでかしたことの大きさに反省しているエイリは、シャワールームから出て行った。


 二人になったことでようやくアルゴスは警戒を解く。


「まさかエンの影響が、同性にまであるとは思わなかったわ……」


 これはアルゴスの読みが甘かった。エンがイチカに仕込んだ宿命――陵辱フラグは女性同士でも成立する。異性に比べて効果は落ちるが、裸などを見れば発動してしまうのだ。また本人は自覚していないが、アルゴスも多少影響は出ている。


 襲われて、イチカの心が折れてしまえば終わりだ。


 今後は同性でも油断せず、守っていかなければいけない。


 魔力起動式スーツを洗いながら、アルゴスは計画の修正を行っていた。


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