表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

49/51

真相(アルバート視点)

 二人とも自分の部屋で休めばよいのに、「彼女の側に居たいから」とデュース様はソファーでマリアはベッドの横に椅子を持ってきて寝ている。しばらく経って彼女が目を覚ました。デュース様とマリアを起こす。

 「私は助けられたのですね。デュース様、マリア様、本当にありがとうございます。ところで、ここはウォーティー邸ですよね。どうして庭師さんがこちらにいらっしゃるのですか?」

 「それも含めてご説明いたします。まず手短に自己紹介をさせてください。ウォーティー家で執事をやっております、アルバートと申します。マリアの父親でもあります。」

 彼女と初めて会ったとき私は庭師に扮していた。だから自己紹介をすると彼女は驚いていた。そして鏡を見て自分の髪色が変化していることがわかるともっと驚いた。

 「私の髪は真っ赤なはず。どうしてマリア様と同じ銀髪になっているのでしょう。」

 「僕やマリアもびっくりしているんだ。前に僕もマリアの回復魔法を受けたことがあるけど、髪の色に変化はなかった。それに司祭様はこれがアイリン様の本当の姿だとおっしゃっていたんだ。そしてアルバートが訳を知っているとも。だから君が目覚めてから話を聞くことになっていたんだ。アルバート、話してくれるかい。」

 「かしこまりました。少々長くなりますがご承知おきください。」

 私は話し始めた。


 「まず私の妻、マリアの母親についてお話しします。妻は人前に出るのが苦手で目立つタイプではありませんでしたが、優しくて魔力がとても強い人でした。彼女は花が好きで、よく自分をミモザみたいと言っていましたね。私も花が好きだったのですぐに意気投合し、仲を深めていきました。ところが、彼女の家が資金難に陥りファイアリー家が援助したことで、彼女はファイアリー家の現当主ラム様と結婚することが決まったのです。私は彼女が幸せになれるならと、別れを選びました。そして私は教会で神官として働き始めました。

 1月程経った頃、彼女がボロボロになった姿で教会に現れました。司祭様と彼女を保護し、訳を訊くと彼女の実家の資金難はラムによって仕組まれたものであり、それを理由に離縁を申し出たが一蹴され、逆に無理矢理犯されてしまったというのです。 私は司祭様とウォーティー家の現当主ヴィル様に協力してもらい、彼女と二人でウォーティー家の領地でひっそりと暮らすようになりました。そこで生まれたのがマリア、そしてアイリン様です。双子でした。アイリン様の方が少し早く生まれたので姉ということになります。私たちは4人で幸せに暮らしていましたが、マリアが熱を出し私が連れてウォーティー邸に向かった時を見計らい、彼女の親族が彼女とアイリン様を無理やりファイアリー邸に連れ戻してしまったのです。どうやらラム様から彼女を連れ戻さないと援助を打ち切ると言われていたようです。(ラム)は出世争いの真っ只中で自ら探すことができなかったからでしょう。彼女の親族はマリアのことを黙っている代わりに関わるなと言ってきました。私はマリアを守るために彼女とアイリン様を助けることを諦めたのです。

 その後彼女が亡くなったことを知り、アイリン様の様子が気になってこっそりファイアリー邸を覗いて驚きました。アイリン様の髪の毛が真っ赤だったからです。薄毛で全く毛が生えていなかったけれど、マリアと同じ銀髪だったはず。さらにアイリン様の精霊が炎龍だと知りました。もしかして私の子ではない?でも自分の子でなくてもたくさん虐げられているのを見て、力になりたいと思い庭師としてアイリン様に接触したのです。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ