第7話
「さんニいちゼロ」
サーピのカウントダウンが自動でゼロになると同時に、攻撃を開始する。
ダンと、玄関扉を発破すると同時に、部屋の中へと突入する。
全体はすでに把握している、真っ先に威嚇射撃を行った機械兵を狙う。
すでに武器を携行しているし、撃っているとなれば即座につぶす必要がある。
タタタンとまずは3発足と胴の境目に正確にレーザーを打ち込む。
そこで初めて敵の全体像がはっきりと確認できた。
無骨なデザインで、上に向かって細くなっている円錐に、さまざまな装置が無造作に取り付けられている
内部に人がいるのかも知れないが、かなり小さいか、あるいは遠隔からの操作となるだろう。
主要な武器もすでに把握できていた銃のほかに、チェーンソーのようなノコギリが両腕に1つずつ。
さらには予備のものと思われる、ライフル様の銃が1丁。
これではまさに使い古しをただ集めてきて、適当に繋ぎ合わせただけだ。
足だと判断したものは円錐の底面から3方向へと広がる枝の様なもので、カマキリの前足の様に太くなっている。
これについてはそのままぶん殴ってきたらかなりの打撃になるだろう。
「目標沈黙」
あっさりと一人目の足を動かなくすると、敵兵は天井を見上げる様な形に倒れ込む。
ただ銃はまだ構えているが、その銃身はすでに4つに分割されて地面へと落ちていくところであった。
これはサーピが自動応答攻撃システムによって、排除するべきものと判断したためだろう。
しかし、もう一人の方はこれからだ。
ほとんど同じ形をしている見た目であるが、一つ違ったのは銃を構えていなかったということだ。
その差異のおかげで、あとから攻撃を受けることとなったのだが、どうやら未熟な兵のようだ。
俺が笑う余裕ができるぐらいに反応が遅い。
悲鳴を上げるまでもなく、すぐさま無力化する。
足に3発、こちらにはさらに手元にある殺傷能力がありそうなものについてはレーザーを使って根元から切り離す。
倒れた最初の敵兵も、同じように処置をして、さらに立ち上がれないように粘着で地面へと固定する。
2人とも無力化したところで、俺はサーピの外殻をゆっくりと外させた。
外から見れば卵に手足と武器が格納され、ランドセルを背負ったように見えるだろう。
この状態であっても、外側に対してサーピの声を届けることは十分に可能だ。
「大丈夫か」
おそらく中から生身が出てくるということを想定していなかった驚き方を、要救助者たる2人は見せた。
その後ろでは、サーピがコードを伸ばして敵兵に接続しようとしていた。