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第56話
「ねぇねぇ」
手続き中、すこし待つ時間が出てきたころ、俺の服の裾をアクーリクが引っ張る。
「どうした」
「疑似生命体戦争って?」
「ああそうか、そういえば知らないんだったな」
俺はそういいながら、アクーリクへ、それから一緒に気になっていたような表情を浮かべているレーニスと顔を向ける。
どうせサーピは詳しいし、教えるとしたらこの二人だろう。
「そうだな、少し座ろうか」
部屋の壁際にまだ残っていた席に座る。
すぐ横にアクーリク、前に浮かびながらレーニスが、俺の話を聞くために留まっていた。
「さて、どこから話したものか……」
俺は話すことを考えながら、疑似生命体戦争について話し始めた。




