第52話
「正門にたどり着きました」
しばらく中でまどろんでいると、サーピが声で教えてくれる。
「ん、何分ぐらいかかったんだ」
時間の感覚があやふやになるような時間。
それだけは間違いないだろう。
「あの警戒装置のところから6分21秒経過したところです正門部にはさらに警備ロボがいるのがセンサーで感知できましたがこちらへの敵意は今のところ表示していません」
「とはいっても、門も開いていないのだな」
外に出してくれ、とサーピへ俺が頼むと、外殻を外して、俺と、残り2人も外へと出させた。
流石に黙っているとこちら側の分が悪いだろう。
何をされるかもわかったものではない。
正門と呼ばれているところは、錆で朱くなっている鉄扉でできている。
今となっては誰も使わなくなったような守衛室で、なにかがうごめいているように見える。
「何ですか、あれって……」
幻覚の類ではなく、実態をもったなにからしい。
「あれがロボットだな。AIとは違う」
たくさんの触手のようなものをうぞうぞとしていて、それによってたくさんあるスイッチ類を操作しまくっているのが窓越しに見える。
「お入りくださいエイアイ様がお待ちです」
声は自然な雰囲気がある。
ただ、AIの音声とは違って、角ばった印象があった。
そして声が聞こえると、目の前にある扉がギギィと重いこすれる音を立てながら開いた。




