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第50話
「報告書を提出します」
すでにデータとして登録していたようで、サーピは言われるとすぐに何かケーブルを銃口へ向けて伸ばす。
但し、銃口にそのままつけるのではなくて、数メートル離れたところで、ケーブルの先端を向けたままで止まった。
「これ、何をしているの?」
アクーリクは、モニター越しにサーピがしていることを眺めていた。
「いま、あの銃のところにあるモニターを通して、赤外線通信をしているんだ。ここでは、直接ケーブルをつなげることができないから、ああやってモニターを通してデータを送っているんだ」
ただ、しばらく時間がかかるため、かなりの圧縮通信になるはずだ。
要は、このデータは速報ということになるだろう。
そのやり取りが10分ほどかかって終わってから、ようやく同じ声が聞こえてきた。




