第44話
8、9、10に分類されていた日誌は、おおよそ1週間ごとに書かれていた。
これらは、簡単に言えばどうしておいていってしまったのかという悔恨の念が伝わるものになっていた。
そして11番目のものは、 ようやく俺らがいる洞窟周辺の安全が確保できたから、訪れてみたいという内容だった。
「2038年8月1日、ようやくこのときが来た。疑似生命体のやつらは、ようやくこのあたりから一掃できた。果てしない戦争の果てに残された静かな世界では、あいつを、カニスを救出することができるだろう。国連軍は俺に、こにための休暇までくれた。明日死ぬんじゃないかと思うぐらいだ」
そして、ケレベルの最後の日誌へと移る。
「2038年8月2日、なんていうことだ。あいつらがめちゃくちゃにしやがった。擬似生命体のやつら、あいつらがここにいることを知っていながら、いじり倒したやがった。おかげであいつらがいつ出てくるのかが全くわからなくなってしまった。二人とも、元気に過ごしておいてほしい。俺が死ぬ前に、是非とも会いたいものだ」
ついでに見ていくと、この第12文書に添付されているものがあった。
「これも見れるのか」
俺がプーラに聞くと、数秒待ってから、モニターに添付文書がそのまま画像データとして表示された。
「これで見れるかな」
「ああ、ありがとう」
言って、その画像を見てみる。
俺とサーピがいたあの洞窟が、ぐちゃぐちゃになっていて表示されている。
さらに、総本部に戦闘中行方不明者として登録するように申請する内容の文書もついていた。
これがいまだに有効だったおかげで、死んだとはされずに、こうしてデータを見ることができるようになっているらしい。




