第43話
「今度は、日誌を表示していってくれるか」
俺がいうと、プーラが改めて注意をしてきた。
「これから表示するのは個人日誌だよプライバシーを守るために一部は表示できないことがあるよそれでも見るかな?」
「ああ、見せてくれ」
そこまで俺が答えてから、ようやくプーラは日誌を見せてくれた。
日誌は日付順に並んでいて、それを順番に見せてもらうように指示を出す。
表示されているのは、12のうちの6番目。
2048年3月4日、俺を置き去りにするしかなかった罪悪感があふれている。
「どうしてだ。どうしてこうなってしまった。俺はやつを、カニスを連れて帰るつもりだった。生きてだ、それがやつとの約束だった。だが俺は今、命令によって救助船に乗り込んでいる。どうしてこうなってしまったんだ」
翌日には救助船は集合場へと到着したようだ。
「疑似生命体のやつらはどこでかぎつけてきたかはしらないが、近くで集まっているらしい。俺らは何もここではすることができないようだ。カニスがいたならどれだけ心強いことだろう。あいつがいなくてとてもさみしい」
つらつらと書かれているが、俺も似たような気持ちだ。
それでこそ戦友というにふさわしいだろう。




