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第32話
城をあとにすると、次の目標地点を伝える。
「サーピ、手野武装警備のデータセンターに向かってくれないか」
「何か考えでもあるのですか」
サーピにいうと俺へと質問が飛んでくる。
今回も同じようにして、アクーリクは補助椅子に座らせていた。
その補助いすの背もたれのところには、レーニスが翼を休ませている。
卵型の中に3人も詰め込まれていると、とてつもなく狭く感じるものだ。
だが、それを感じさせないように、内側スクリーンは外の風景を映し続けてくれている。
とはいうものの、今見えているのは延々続く畑の様子だけだったが。




