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負傷兵  作者: 尚文産商堂


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33/60

第32話

城をあとにすると、次の目標地点を伝える。

「サーピ、手野武装警備のデータセンターに向かってくれないか」

「何か考えでもあるのですか」

サーピにいうと俺へと質問が飛んでくる。

今回も同じようにして、アクーリクは補助椅子に座らせていた。

その補助いすの背もたれのところには、レーニスが翼を休ませている。

卵型の中に3人も詰め込まれていると、とてつもなく狭く感じるものだ。

だが、それを感じさせないように、内側スクリーンは外の風景を映し続けてくれている。

とはいうものの、今見えているのは延々続く畑の様子だけだったが。

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