第24話
「情報を特にこの城についての情報とこの周辺に関するものが欲しいのです」
サーピはシビイラに質問を投げかける。
「情報収集中データベース参照開始データベース接続開始データベース検索開始権限を提示してください」
「グラントオールテーブルトゥT1119」
「権限を付与権限を付与権限を提示してください」
「T1119」
「権限を確認手野社製AIサピエンティアデータベースを提示全情報を公開権限を確認」
するとようやくモニターにたくさんの文字列が現れたかと思うと、よくわからない表と変わり、それがCGデータに変わった。
「なんでしょうか、これ」
アクーリクがその表を見ながらいう。
「UI最低だな、ったく」
とはいっても俺にはこれが何かはわかる。
少なくとも、ここにあるさまざまな物品類、情報の塊だ。
「これで、全部なんだな」
「そのようです」
サーピに聞くと、そんな答えが返ってくる。
「地区名は、シビイラ。そのままか。周辺数百キロメートルにわたる、ほぼ正方形の地域を管轄。単独型AIにして、独立権力型とあるな。となれば、ここからほかのところの情報は得にくいか……」
自然とその画面をのぞき込むようになって、俺はつぶやきながらも画像を見続ける。
ただ、ここに表示されているのは今の言語ではない。
これらの単語は俺とサーピにはわかるが、部屋の外にいるレーニスや、俺の足元で同じように画面をのぞき込んでいるアクーリクにとっては未知の言語だということだ。
「なんで、28000年前の英語がそのまま使われているんだ」
「今私が翻訳していますから」
サーピがシレッと言う。
「おやおや、そうなのかい」
「ですので彼らに対して伝えるのであればそのままの言語で表示させることもできます」
「いや、いったんはこのままで。俺がわかってから彼らに説明をしよう」
「了解しましたではこのままで表示を継続します私は一旦シビイラから新しい情報をアップデートを実施しますのでしばらく静かにします」
「分かった、何かあればすぐに接続を切ってくれ。あとは任せる」
「では失礼をします」
そしてサーピは静かになった。




