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負傷兵  作者: 尚文産商堂


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第22話

「サーバールーム、だな」

入ったすぐの俺が持った感想だ。

10段くらいの金属製ラックに、無数のケーブルがつながれている。

さらにそんなラックは右にも左にも何十個と置かれていて、それぞれが忙しく何かしらのランプのような緑色や黄色、あるいは赤色の点滅を続けていた。

だが、ひときわ目を引くのは、この部屋の入口は行ったすぐに置かれている、ちょうど俺が椅子に座ってちょうどいい高さになりそうな机。

その机の上においてある一つの古びた、ブラウン管のモニターだろう。

「ここまで最新なのに、なんでこれだけ旧式なんだ。70年代か60年代かの代物だろう」

モニターは電源がつけられていない。

ただキーボードやマウスのような周辺機器は一切ついていない。

捜査する方法がわからなくて、モニターを持ち上げてみたり、さらには横をのぞき込んでみたり、机の裏側まで探してみたものの結局何も見つけられなかった。

「これってどうやって操作するんだ」

レーニスに聞こうと思って、俺は後ろを振り返る。

かくいうレーニスは、部屋の敷居を跨ごうという考えはないらしく、部屋の外から俺らの様子をじっと見ているだけだ。

「いえ、僕にはわかりません」

「したことがないってことか」

「はい、ここは僕よりももっともっと高位の人らしかこないので、なので僕はここを触ったことがないのです。でも、部屋の位置は全部覚えこまされましたから、場所は分かっていました」

「操作をしようと思ったことは」

俺が聞くと、ブンブンブンと風音が聞こえるぐらいに激しく首を左右に振ってみせた。

「そんなっ勝手にエイアイ様の御意思を覗くなんて、そんなことしたら死んでしまいます」

そこまで絶対的というふうに崇め奉る存在ではないのは俺は知っている。

今のところは、そのことについては黙っておくことにしておこう。

「しかし困ったな、これだとどうすれば情報がとれるのかわからんぞ」

言いながら頭をかいている俺に対して、ゆっくりとサーピが近づいてきた。

「もしも手野製のAIシステムがそのまま使われているとすれば、まだ策はありますね」

「そうなのか、じゃあ頼んだ」

いったん俺はモニターから離れて、ラックがない、廊下側の壁際で壁に寄りかかって見守ることにする。

すぐ横にはこの見たことがない大量の機械に気圧されて、口をパクパクとさせるだけになっているアクーリクが、俺の足にしがみついて固まっていた。

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