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負傷兵  作者: 尚文産商堂


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第13話

「それでサーピ、洞窟内部の装置について何かわかったか」

俺がサーピへと聞く。

すぐ横では、あの子が洞窟の入り口に足を踏み入れようとして、しかしためらっているような足運びを繰り返していた。

「ここには当時なかった装置があります巧妙に隠されているようですね出てきた時にはその方向の探索をしませんでしたから発見できなかったのだと思います」

サーピの答えは簡単だった。

「なんの装置か、を聞いていたんだが」

「巨大な装備圧縮装置です大きさだけで言えばこの丘全体になるでしょう」

「そんな大きさが、どうして、誰が」

「不明です」

だろうな、という答えが出てくる。

「じゃあサーピ、その装置に接続して、状況を確認することはできるか」

「いえ電源が入っていないようですしかしながら私たちがここに再生できたときには動いていたのは間違いがないので残渣を辿ることはできるでしょう」

「早速やってくれ」

サーピは俺から言われるまでもなく、3台のドローンを洞窟の中に向けて飛ばす。

マッピングと、俺らが出てきたときのものを照らし合わせながら、何か残っていないかを探るためだ。

今回は敵に発見されるということを考えていないため、虫のような小さなものではなく、もっと大きい探査用のドローンである。

けたたましい音とともに、3台は洞窟の中に入っていった。

「アクーリク、聞いてもいいか」

「がい、なんでしょうか」

「この洞窟、いつからあるんだ」

「わかりません。僕がここにきたときにはもうありましたし、僕のずっとずっと前のアクーリクたちだって、同じことを言うことでしょう」

つまりはわからないほど昔からということだ。

「じゃあ聞くんだが、この洞窟の中に入ったことは」

「それはエイアイ様に固く禁じられていたので、今でも入っていいと言われても入ることはできません」

「そうか、じゃあもう一つ。この辺りで作業をしていた人らをみたことは」

「いいえ、ありません」

アクーリクは、少なくとも嘘をついている様子はない。

このことについては、古の機械種の洞窟ということ、それが意味するのがきっと圧縮装置のことなのだろう。

だが俺が戦闘している間には、こんなところにそんなものがあると言う情報は出てこなかった。

つまり、俺らが戦闘でこの洞窟の中に入り、それからしばらくして誰かが俺らを隔離するために圧縮装置を用いて保存した。

しかし何かの拍子に復元することができず、あるいはわざとこの時代に送り込んだ。

そういう考えになるだろうか。

「それで、この機械種てのが何を指すのかは知ってるのか」

「いいえ、ただ機械種は昔から永続不変とエイアイ様がおっしゃっておられるので、その通りなのだと考えています」

要は何も知らないということのようだ。

少なくとも、28000年ほど変わったとはいえ、何も考えずに生活ができるように人間を操作することができるのだろうか。

疑問は尽きないが、しかしそれの答えは全く手の内にはなかった。

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