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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

闇の娘

作者: 海の菫







  義姉が入院した。そのため、中学二年生の姪の面倒をみることになった。子がいなかったから、嬉しかったわ。

「改めて、空河 志乃と言います。よろしくお願いします。」

最初は礼儀正しい子だと思ったわ。

「よろしくね。貴女の父の妹よ。固くならなくていいからね。」

「はい。」



♢♢♢



数日後

「ただいま。お弁当美味しかったです。特にポテトサラダ。」

「おかえり。よかった。今日のポテトサラダは自信作なのよ。軽食のおにぎりの具は鮭と昆布で良い?」

「はい。昆布のおにぎり好きなんです。」

「あら、そうなの。それはよかったわ。軽食を用意する日は火曜日以外の日で良いのよね?」

「はい。」

何か、習っているのかしら…私には教えてくれないけれど。

「いってらっしゃい。」

「いってきます。」



♢♢♢



「ただいま。先にお風呂入りますね。」

「おかえり。今日の晩ご飯は親子丼よ。」

「わかりました。」

敬語は抜けないわね。


「お、た、沢庵!いただきます。」

「いただきます。」


「ごちそうさまでした。美味しかったです。部屋に戻りますね。」

「えぇ。」

食器も片付けてくれるなんて…

その時もまだ姪のことをとても良い子だと思っていたわ。

「ごちそうさまでした。あ、そうだわ。今週末にお祭りがあるんだったわ。志乃にも知らせておきましょう。」


コンコン

「志乃。入るわよ。」

返事をしないなんてあの子らしくない…

ガチャ

し、志乃…?

そこには空を蹴り、殴る姪がいた。

私は急いで一階に降りて、警察に通報をした。

「め、姪が狂ったようにく、空をけ、け、蹴ったり、殴ったりするのです。」

『わかりました。安全を確保してください。十分ほどで着きますので、しばらくお待ちください。』

「はい。」



♢♢♢


「お待たせいたしました。貴女の姪は何処にいるのです?」

「に、二階です。鍵はかかっていません。ドアに『志乃』と看板がついています。」

「わかりました。」

志乃…あんなに礼儀正しかったのに、何故あんなことを…



♢♢♢


コンコン

返事がない…

「空河 志乃さんですか?警察です。部屋に入りますよ。」

ガチャ

通報通りにそこには空を蹴り、殴る女性がいた。

「志乃さん。志乃さん。」

「け、警察!如何して此処にいるのですか?叔母が通報したのですか。」

聡い子だ。

「はい。狂ったように空を蹴り、殴る姪がいる。と通報がありました。」

「はぁ。私は空手を習っています。空手の自主練習をしていたのです。叔母はそれを見て勘違いをしたのですね。叔母もまずは私に声をかければいいのに…」

「貴女は自分の叔母に空手のことを話していなかったのですか?」

「話しましたよ。でも、そのときの叔母の反応はありませんでした。テレビを見ていて聞いてなかったのでしょう。聞いていたのは火曜日以外に軽食を用意してほしいという言葉だけ。あと、警察の方々に言っておきたいことがあるんです。叔母は、私の母のことを『私が運転する車に轢かれて大怪我なんて滑稽ね。』とか、『あの女…早く死んでくれないかなぁ』とか。全て私が部屋にいるときに大声で言っていました。」

…!この子より、あの女を捕まえるべきだ。

「此処でお待ちください。」



♢♢♢


「空河 千紘さん。貴女を逮捕致します。」

「なんで!あの子を補導してくださいな!」

「貴女は志乃さんのお母さんを轢き逃げした。違いますか?」

「志音のこと?あいつは死んで当たり前よ!機嫌の良い私に注意したんだから!クッキーよ!クッキーを頂戴!クッキーは魔法のお菓子なの!クッキーはみんなの気ぶんをよくするまほーのおかしなの!おさけもたくさんのめうの!くっきーかえしえ!あたしのおあう!う、うあぁぁぁぁん!」

「大麻服用の疑いがあります。」



♢♢♢



「貴女は志音さんを轢き、大麻を服用しましたね。何故そのようなことを?」

「お母さんがあの女のせーで死んだの。」 

その後話を聞くと…


♢♢♢



「つまり、貴女の母親と志音さんが貴女の兄と結婚した時期が重なったと。そして、貴女の母親は志音さんと貴女の兄…千賀さんとの結婚を反対していた。しかし、志音さんと千賀さんは結婚をした。そして、結婚した翌日に貴女の母親が死亡したと…こちら側の調べでは貴女の母親の千代子さんの死因は癌です。病院で息を引き取っていたそうですよ。つまり、貴女の勘違いによる免罪です。大麻のことですが、どうして大麻に手を出したのですか?」

「うっ。うっ。そんなにきゅーにいわないで。わかんない。わかんない。おにーちゃんたすけて。おにーちゃん。まほうつかいのおにーちゃん。」

「ん?魔法使いのお兄さんとは?」

「わたしにくっきーくれたひとだよ!」



♢♢♢



数日後

叔母は大麻服用に殺害未遂で逮捕されることになった。

「志乃。次の任務はこれだよ。」

「了解。母さん。ありがとね。保高さん。偽装に手を貸してくて。」

「お安いご用です。志乃お嬢様。奥様、どうしますか?火雀らが動いているようですが。始末しますか?」

「えぇ。勿論。テロ対策措置法を適用して?表の連中にはバレないようにね?」

「はい。勿論でございます。」


此処から少し続きを…







♢♢♢




「う〜ん。千紘は駄目だったよ。次は誰が良いと思う?保高。」

「そうですね…次は志穂は如何ですか?」

「自分の主人の姉に?」

「何のためにやっているのか…分かって言っていますよね?千賀頭領。」

「分かってるって。火雀の頭領として頑張りますよ。」

「はぁ…夫婦喧嘩も大概にしてくださいね。我々も困りますが一番困るのは志乃さんですからね。」

「分かってるって。」

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