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CFUのコンセプト

 山田は、朝早くからログインしてギルドルームで考えごとをしていた。

 夜は少し調べものをしてから早めに寝たため、早くに目が覚めてしまった。


 エルフの村に興味はあったが、結局昨日は行かなかった。

 それでも昨日は十分に楽しめたし、女子と二人でエルフの村というのは、なんとなく行きづらい。荒木たちと合流してから行くつもりだ。


 モニカは、それほど早くは来ない。朝からログインする時は、CFU内のペットの世話をしてから来ると言っていた。



(CFUで経験値を稼ぐためには、格上のモンスターを少人数で倒すほうが効率が良い。

 そして、常に弱点攻撃で2倍のダメージを与え続ければ、格上も倒しやすい。


 まずは、もう少し魔法石を貯めて、光と闇の攻撃スキルを揃えたいところだな。

 最終的には、弱点の測定をモニカに頼らず、自分のスキルで出来るようになれば理想的。


 基本は4人から6人のパーティー、イベントは10人以上を想定しているみたいだけど、軽く調べた限りでも、カップルを想定した2人だけで遊べるイベントはある。

 モニカと2人だけでも成長の余地はまだある。



 ただ……どうにも、強くなれば稼げるという世界ではないんだよな。

 弱点を探しやすいのだから、攻略動画を配信しやすいし、イベント賞金も狙えるかもしれない。

 特にタイムアタック形式のイベントは有利だろうな。


 でも、本格的に稼ごうとする場合は、人気を得ることが重要になる。個性が必要だ。


 ミラータッチ・シナスタジアをチート呼ばわりされる筋合いはないが、俺が弱点を探せることを大々的にアピールする方向は危険だろう。


 共感覚は、訓練で身に付く類いではないから、能力自慢と妬むやつもいるだろうしな。

 文字通り『感覚』なのだから、センスみたいに捉えて欲しいもんだが……。コメント欄を荒らしに来るやついそうで怖い。


 でもよ。現実世界では、鬼の首が斬られるアニメとか観づらくなるんだぜ。持ってないやつにとって、欲しいもんなのかね。



 最も気になるのは、CFUのフルダイブ機構、というかCFUのコンセプトだ。

 共感覚を『わざわざ』擬似的に再現している。どちらかというとマイノリティなのだから、無視したって構わないだろうに。


 ゲームデザイナーに明確な狙いがあるとしか思えない。

 AIが仕切ってると言っても、方針を指示されてるはずだしな。

 現実世界の身体が持つ能力や個性をなるべく活かそうとしているのか……。



 よく考えてみると凄えよな。モニカの件を踏まえると、CFUの中では、健康的な仮想の身体で活動出来る。

 たぶん脳以外なら疲労困憊でも大丈夫。手足が大怪我してたって構わない。

 全部ではないにせよ、身体的ハンデは克服される。ひょっとすると、眼や耳が悪くても大丈夫じゃね?


 その環境でデジタル作品が創れるんだろ?

 小説の執筆とかCG制作、プログラミングなんか、こっちでやれば良いじゃねえか。


 優秀なAIまで備わっていて、コスパもタイパも優れている。

 CFUの中では、動画の倍速再生だって出来るしよ。おまけに眼が疲れない。

 別に俺やモニカみたいな人でなくても、映画とかこっちで観たほうが良くね?


 スマホ連携でSNSも使えて、スマホゲームすら出来るみたいだし。

 首を痛めるとかもないわけだ。疲労が無いってのはタイパに繋がる。



 CFUはゲームというより、活動しやすい環境ってことか?

 『Creative Fantasy Universe』は、直訳すると創造的な幻想世界だっけか。

 宣伝文句の『創造力を活かして、世界の発展に貢献すれば報酬が得られる』というのは、たぶんそのまんまの意味だな。



 たぶん俺ツエーとかやるとこじゃねえよ、ここ。

 強いに越したことはないが、人気と知名度、創造性が無ければハリボテだろ。

 弱いけどカネが稼げるのと、強いけど無収入。どっちが良いかと聞かれたら、俺はカネを取るね。


 今からキタザワさんやルタオさんみたいな方向を目指すのはしんどい。

 あんな風にプレイスタイルを確立したいところだが、『風のヤマダ』みたいなのは今更だろ。調べるまでもなく競合が多いはずだ。



 たぶんモニカのスタイルは正解だ。今は小遣い程度と言っていたが、積極的に宣伝してなかっただけだ。

 競合も少なそうだから、突然バズる可能性は十分にある。


 なによりモニカは、この世界を楽しんでる気がする。

 AIの使い方に詳しくなれば、きっとCFU以外でもやっていけるしな。



 せっかく共感覚が活かせるんだ。俺もやってやろうじゃねえか。

 ただし、一人じゃ無理だ。『炎のキタザワ』や『ライトニングサンダー@オガサワラ』は、共闘だからこそ活きる。

 それと、情報を得るための交流も重要な要素だな。


 共感覚はアピールしづらいからオマケと考えて、個性的なスタイルを考えないと……)



 モニカがやってきた。ペットの世話は終わったようだ。


「やっほー、山田。待ったー?」

「そうでもない。とりあえずウッドマン観るか」

「ポップコーンとドリンク買ってからね。また奢るからさ」

「カーバンクルの編集版アップされたら、そこそこ入るかな。今度返すよ」

「うん、今度どっかで奢ってね」


 今日はドラマを観たあと、街中を一緒に周る予定だ。


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